こんばんは。
春から初夏への移り変わりは早いもので、「暖かい」というよりも「暑い」と感じる日が多くなって参りました。
体調を崩しやすい時期ですが、皆様お変わりございませんでしょうか。
Langue de chatには、ちょっと嬉しい出会いがありましたのでご紹介させて頂きます。
以前のブログにもお書きしたことがあるのですが、
現Langue de chatのスタッフは、ビストロの看板を掲げているにも関わらず、
シェフを始め誰もフランスに行ったことがありません。
ですので、シェフは自ら「俺の料理はフランス妄想料理だ!」と公言しています。(笑)
いくら国内のフランス料理店で修業をし、専門書やインターネットで情報を集めて、
自らが料理作りを行っていても、疑問を感じることがあり、
「自分の料理をフランス人が食べたらどう感じるのだろう。」
と、シェフはよく口にしていました。
そんなある日、ひょんなことでお知り合いになったフランス人男性Gさんと日本人の奥様がご来店下さりました。
ちなみにGさんはコートデュローヌのワイナリーで働いていた経験をお持ちの方で、
6月オープン予定の松山中心街のビストロに勤務、ワインのチョイスや管理を担当される予定です。
中学、高校とフランスの学校に通われていた元スタッフのEさんにブーダンノワールを検証して頂いた時のように、ご意見をお伺いしたいので、
料理はシェフが食べて欲しい料理をどんどんお出しするというスタイルにて、提供させていただきました。
まずは「松山長ナスの冷製ポタージュ」
「フランス人が好きそうな味です。食感も良い。」
と、1品目からいきなり好評!
2皿目は「媛っ子地鶏のテリーヌ 青コショウ風味 と 瀬戸内産舌平目とシャンピニオンデュクセルのテリーヌ」
テリーヌ2種です。
「媛っ子地鶏のテリーヌはまさにフランスの味!舌平目のテリーヌはこのままでも美味しいけれど、フランスだとほうれん草が入っていることが多いかな。」
と、こちらもお口に合ったようです。
3皿目は「中島産天然アワビと桃のサラダ仕立て ジュレ寄せ キャビア添え」
フランスでは魚介とフルーツを組み合わせる料理は少ないのだそうですが、
「フランス人は魚介を食べながら甘い白ワインを飲むから。組み合わせ的には有り!」とのことでした。
4皿目は「松山市小野産メス鹿の自家製ソーセージと伊予いも豚のリエット、アンドゥイエット」
日本人に食べやすいように作ったシャルキュトリー類ですが、フランス人の方のお口にも合ったようです。
添えられていたポムピューレについても話が盛り上がり、「トリュフ入りが美味しいけれど、難しければピーナッツオイルやナツメグを入れても美味しい!」とのことでした。
近々実践されるかもしれませんね。
ちなみに私には「この料理に、ワイン何合わせる?」と一皿お出しするたびに質問攻め・・・ちょっとタジタジでしたが、こちらのシャルキュトリー類にはコートデュローヌを合わせて頂きました。
5皿目は「アーティーチョークのバリグール風」
アーティーチョークは以前ブログにもお書きしましたが、フランスではポピュラーな野菜であり、
彼のお気に入りはアーティーチョークのオムレツなのだそうです。
日本人の感覚では「オムレツにするなんて勿体ない!」と思ってしまいますが、きっと美味しいんだろうなと想像しました。
6皿目は「ニュージーランド産シャロレー種仔牛舌のミジョテ ガルビュール仕立て」
牛舌はフランス料理の専門書でもあまりレシピが紹介されていない部位なので、どのように感じられるか、少し不安でしたが、こちらも「美味しい!」と食べて下さりました。
「あとはこの隣の席に僕の友達が座れば、この空間はフランスそのものです!」
と、多少のリップサービスはあったと思いますが、お墨付きを頂き、シェフは何だか安心して嬉しそうでした。良かったです。
食べて頂きたい料理がありすぎて、ちょっとお出ししすぎたかな?と、密かに私は心配していたのですが、
どれも綺麗に召し上がって下さりました。
「フランス妄想料理」から「フランス人公認フランス妄想料理」へ昇格というところでしょうか。
ちなみにGさんは、私にパスティスの美味しい飲み方を教えて下さったり、とってもフランクな方でした。
試作した後、メニュー入り予定ですのでお楽しみに!

すっかり意気投合したGさんとシェフ。
Gさんが働く予定のお店は、私も個人的にお世話になっている方が出店されるということもあり、
Langue de chat一同猛プッシュのお店です。
オープンされましたら、許可を頂き、当ブログでも詳細をご紹介させて頂こうと思います。
Gさんご夫妻、貴重なご意見をありがとうございました。
また、このようなチャンスがいつ訪れるか分かりませんbが
チャンすがあれば、また料理を検証してもらいたいとおもいます。
ここからは新作紹介です。

媛っ子地鶏のテリーヌ 青コショウ風味
Gさんに「フランスの味!」とお墨付きを頂いたテリーヌです。
Langue de chatのテリーヌは、非常にファンが多いのですが、ゴロゴロと各部位が入っており、
スーシェフKさんの火入れもバッチリ決まった1品です。青コショウの風味も程良い存在感です。お試しあれ~。

中島産天然アワビと桃のサラダ仕立て ジュレ寄せ キャビア添え
こちらもGさんに食べて頂いた前菜です。
Langue de chatではこの季節の定番前菜です。
肉厚なクレマンなんかと良く合うのでは、と思います。
見た目にも美しい涼やかな一皿です。
是非どうぞ。

瀬戸内産タコと伊予市産トマトのサラダ仕立てソースバジルとタプナード
今年もタコの季節がやって参りました。
フランス人はあまりタコを食さないようですが、ここは瀬戸内。
美味しい海の幸を食さない手は有りません。
写真では見辛いのですが、トマトはその時の入荷次第で色々な色のものを混ぜています。
バジルとタプナード(ブラックオリーブ、ケッパー、アンチョビ、にんにくのソース)でお召し上がりください。

瀬戸内産アナゴのポワレ ソースヴァンルージュ
今年も始まりました、アナゴのお料理です。
Languede chatでは、一度コンソメで煮込んだ後ポワレしてご提供しております。
こちらもお好きな方が多い料理です。
是非是非お召し上がり下さいませ。
最後に新着ワインです。
う

左はDomaine de Cavarodes(ちなみに若き造り手エティエンヌ・ティボー氏はレゲエ好きのドレッド頭)のマクヴァン・デュ・ジュラです。
ジュラ地方の地ブドウサヴァニャン種を使用、同じくジュラ地方のマールを添加してアルコール発酵を止めるという作り方をしています。
マール(ブドウの搾りかすから作るブランデー、フランス版グラッパのような感じ。)はちょっとアルコール度数が高くて苦手・・・という方にもおすすめです。アルコール度数は16%なので、少しアルコール度数の高いワインぐらいです。
食後酒好きな方も、暖かい季節はこのようなサラッとした食後酒はいかがでしょうか。
デザートはもちろん、同じくジュラ地方の名産チーズ、「コンテ」とも好相性だと思います。
右はchateau la baronneのカリニャン エチケットブルー
私がフェイスブックに綴っていた、興奮して眠れなかった程記憶に残るワインがこちらです。
もともとブルーノ・デュシェンはのワインは生産量が少ない上、日本でも物凄い人気があり、なかなか手に入れるのが難しいワインです。
そこに無農薬栽培で高樹齢のカリニャン畑を所有するシャトー・ラ・バロンヌのジャン氏を紹介し、そのカリニャンからワインを造るよう紹介したのが日本のインポーター。
こうしてこのキュヴェが誕生したわけなのですが、
面白いことに、このキュヴェには2種類あり、この青いエチケットは酸化防止剤無添加で造られており、もうひとつ紫のエチケットのものがあるのですが、そちらは酸化防止剤を微量に(2mg/l)添加しているのです。
幸せな事にインポーターさんのご厚意で、私達はその2本を飲み比べる事ができました。
このヴィンテージは、本当に2mg/lの酸化防止剤が添加されているかどうかの違いだけで、
あとは全く同じ造りなのだそうです。
ちなみに私の個人的感想を述べさせて頂くと、
「癒し系。ひしひしと感じる滑らかさ、優しさ。そのなかにしっかりと存在する濃いブドウの味。」
という感じでしょうか。
大地の恵みをぎゅーっと絞って頂いているような、そんなワインです。
ご興味のある方は是非!お召し上がりくださいませ!
本日も長くなりまして、すみません。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
ソムリエールY.Y