新書野郎 -9ページ目

イスラエル

イスラエル―ユダヤパワーの源泉 (新潮新書)イスラエル―ユダヤパワーの源泉 (新潮新書)
三井 美奈

新潮社 2010-09
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新潮新書は同時期にイランとイスラエルを両方出したな。別にバランスをとった訳ではないんだろうが、隣に並んでいたら相乗効果でついでにというのはあるか。イランの方は日経の特派員だったけど、こちらは読売の特派員。読売がエルサレムに支局を置いていたとは知らなかったが、この辺のニュースがニコシア発だったのは大分前の事か。最近は各紙とも女性特派員が多くなったけど、エルサレムくらいだと危険地には当たらないか。この著者はオランダの本も書いているから、ユダヤ人とは馴染みがあったのかもしれない。tだ、イスラエルについて書くというだけで白眼視されることはあった様で、この辺は日本のマスコミのパレスチナ偏重が伝統的な反米風潮とドッキングしているから難しいか。左翼のパレスチナ支持は仕方ないとしても、日本の右翼がイスラエルを支持する理由は全く無いし。そんなことがあってかどうだか、アメリカのユダヤ・ロビー団体のインタビューを取ろうとしても、おたくの読者にアピールする理由は全く無いからとかハッキリ言われてしまったという。読売も毎日チェックしている訳でないので、その中東報道がどんな傾向なのか分からんけど、まあ幾らCIA繋がりの親米右派読売でもイスラエルを称揚する様な記事はほぼないだろう。文春みたいにタブーに触れてしまうと雑誌を廃刊させるくらいなことは訳ないんだろうが、読売もキッシンジャーに散々貢いだところで、実利がなければユダヤには相手にされない訳だ。ということで中身は特に特徴がある訳でもないフツーのもの。政治や歴史に触れなくてはならなかった分、前作のオランダ安楽死ものみたいな突っこんだ取材はできなかった様だ。
★★

芸能人という生き方

芸能人という生き方―もはや「狭き門」ではない (中公新書ラクレ)芸能人という生き方―もはや「狭き門」ではない (中公新書ラクレ)
平林 雄一

中央公論新社 2010-08
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893とかタニマチとか枕営業の話はタブーですか。そうですか。

編集者の仕事

編集者の仕事―本の魂は細部に宿る (新潮新書)編集者の仕事―本の魂は細部に宿る (新潮新書)
柴田 光滋

新潮社 2010-06
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本当に授業のテキストみたいだな。

歌う国民

歌う国民―唱歌、校歌、うたごえ (中公新書)歌う国民―唱歌、校歌、うたごえ (中公新書)
渡辺 裕

中央公論新社 2010-09
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著者も何について書いたのか分からなくなったそうだが、この前の光文社新書のよりは一貫していたと思う。
★★

部落差別を超えて

部落差別をこえて (朝日新書)部落差別をこえて (朝日新書)
臼井敏男

朝日新聞出版 2010-09-10
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やっぱり運動をしている多くは出身者じゃないのか。

「清張」を乗る

「清張」を乗る―昭和30年代の鉄道シーンを探して (交通新聞社新書)「清張」を乗る―昭和30年代の鉄道シーンを探して (交通新聞社新書)
岡村 直樹

交通新聞社 2009-12
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清張は30過ぎまで遠距離列車に乗ったことがなかったのか。
作家になってからも忙しくて乗る暇はそうなかったと思うが。

グランドツアー

グランドツアー――18世紀イタリアへの旅 (岩波新書)グランドツアー――18世紀イタリアへの旅 (岩波新書)
岡田 温司

岩波書店 2010-09-18
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グランドツアーそのものは別に美術史の領域には限らないのだが、今の様に映像で擬似体験できた訳ではないので、18世紀の英国の若者がイメージを脹らませたいたイタリアは主に絵画の中であった。そうした絵画を紐解きながら、グランドツアー時代のイタリアを再現する。交通や宿泊の不便は現在と比較するまでもないが、毎度の事ながら、お金はどうやって持って行ったかが気になる。パスポートなどは無い時代であったろうが、英語が普及していた時代ではないから、ラテン語が共通言語として通用していたのだろうか。私はてっきり、今のバックパッカーみたいに青年が個人で旅行したものかと思っていたのだが、考えてみれば、この時代に遠い異国に旅行できるのは限られた富裕層である訳で、お付の者とかガイドが同伴しているのが普通か。バックパックなんてのも当然ないけど、重い荷物は従者に持たせて身一つで行けるなら、それほど精神的なハードルは高くないか。
★★

最前線は蛮族たれ

最前線は蛮族たれ (集英社新書)最前線は蛮族たれ (集英社新書)
釜本 邦茂

集英社 2010-08-17
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同じ大型フォワード出身で、共に東京五輪に出場して年齢も近いオシムとは違うこと言ってるな。
まあ監督の実績では雲泥の差だけど。

韓国のイメージ 増補版

zouho.jpg韓国のイメージ―戦後日本人の隣国観 (中公新書)
鄭 大均

中央公論新社 2010-09
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初版は15年も前だったか。「強制連行の神話」で確変した訳ではなかったんだな。加筆修正を施した訳ではなく、最後に1章を加えただけの文字通りの増補版の様だ。T・K生はおそらく進歩派の日本人だろうという箇所だけは括弧で池明観であったことを書き記している。本当は死んだ安江良介ではないかという説もまだあるみたいだが。いずれにしても韓国にはいない人物ということでは正しかった訳だ。その時代に韓国でリアルに運動に関わった澤正彦はT・K生について「感覚的に韓国から離れているばかりか、距離的にも韓国から離れている(すなわち彼は韓国にはいない)」と的確な指摘をしていたのか。まあ澤は正体を知っていたのかもしれないね。T・K生と澤の例を挙げたが、日本人が韓国及び北朝鮮について書いた書籍の内容を紐解くというイメージ論としてはシンプルな構成。15年前くらい前だったら、書籍の数も少なかったし、それで十分だったのだろうが、今はイメージも多様化して、韓流とかネットだとか多方面に言及が必要となってくるのだが、新たに加えた章では、さすがに全部フォローできないとみて、「嫌韓流」やネットでの韓国人叩きについて主流メディアではないと割愛している。「強制連行の神話」などが「嫌韓流」の武器として使われることに抵抗感があるのかもしれない。北朝鮮に関しても、まだ総連の妨害工作が残っていたこの時代に、小田実や和田春樹といった「進歩派」の北朝鮮認識を徹底的に批判しているのは注目すべきだが、小泉訪朝を「玉音放送」として一変したマスコミの北朝鮮報道に関してもそれをバッシングかどうかも言及していない。或いはこうした「主流メディア」の確変に関しては心通じるものがあるのかもしれない。最近のの日本人による韓国滞在記をフォローしているのかどうか分からないが、大韓民国万歳とか言って太極旗を買いに行く奴とか、韓国人を精神障害呼ばわりする変なのも混じってカオス状態になっているから、関川とか黒田など少数精鋭の韓国観が窺い知れた80年代の方がより参考になるというところはあるのだろう。韓国と北朝鮮のイメージが逆転して久しいが、今の北朝鮮を自由に歩くことが出来たら、当時の韓国の様に思っていたほど社会は暗くなかったという発信もなされるのではなかろうか。ちょうど韓国人や中国人が日本に来て、日本人は残忍ではなかったという印象を残す様に。
★★★

新聞社も知りたい日本語の謎

新聞社も知りたい日本語の謎 (ベスト新書 263)新聞社も知りたい日本語の謎 (ベスト新書 263)
読売新聞新日本語取材班 橋本 五郎

ベストセラーズ 2010-03-09
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新方言集。