オバマ大統領がヒロシマに献花する日
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一応、来日は決まったみたいだけど、ヒロシマ行きはちょっと無理そうだね。もっとも、もし行くとなると、反対の声が米はもちろん、中韓からも噴出するだろうから、事前に発表せず電撃訪問にするだろう。岩国基地に給油で立ち寄ったついでとか理由をつけて。ゲバラが来日した時はヒロシマ行きを何とか阻止せんとした日本のSPを煙に巻いて、夜行で広島入りしたという話だが、そんなゲリラ戦法を米国大統領が取れる訳も無い。夜行もなくなったことだし。しかし、電撃訪問しか道がないというのはヒロシマはバグダッド並みの危険地域ということだな。実際、カナダ人からヒロシマに行く時はカナダ国旗を身に付けた方が良いだろうかと訊かれ、驚いたことがある。ていうかカナダも連合国の一員だったろうに。いずれにしても、日本側からオバマがヒロシマに行くことを要求するようなマネはしない方がよいと思う。韓国は「日王」に土下座させようと計画を練っているみたいだが、そんな声が出る国には行く必要がないし、英国訪問もしなくても良かったのではないかとも思う。天皇の英国での扱いに衝撃を受けた在英日本人が「和解」を掲げた運動を始めるのだが、著者が念頭に置いたのはその「和解」とブラント土下座パフォーマンス。戦中派の著者にとって、日米関係はそうした「和解」を必要とするものと映るのかもしれないが、米国に対してそんなしこりを持っている日本人がどれだけいるのだろうか。反核反米の「進歩派」にしても、わだかまりがあるのは広島と長崎に原爆を落とされたことではなく、帝国主義として米国の方だろう。べ平連やピースボートの様なサヨクが米国は原爆投下の謝罪と保障をせよなんて言うのを聞いたことがない。つまり、オバマがヒロシマに献花したところで、日米関係は何一つ変わらないし、逆に天皇は南京大虐殺記念館へ行って謝罪せよなんて声が出てくるだろう。それが世界に広がる和解のスパイラルとなるのなら、天皇が南京へ行くのも良いかとも思う。しかし、それを以てコキントウがポタラ宮やエイティガール寺院に行って土下座し許しを請うなんてことは絶対にあり得ない。
★★
中国共産党「天皇工作」秘録
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著者は時事の元北京特派員で、「中国臓器市場」を書いた人。鳩山政権で浮上した「天皇訪韓」問題は韓国国内で「日王を土下座させる」という話も飛び出しているみたいなので、中国の様に民意を強権で押さえつけられる保証が無い限り、実現は難しいだろう。中国が「天皇訪中」に込めた意図は突破口説、朝貢説、対日世論工作説と様々に言われてきたのだけど、著者の言う通り、中国が「皇帝の国」であるという事情が大きいのだろう。毛沢東、鄧小平という「皇帝」が「天皇」の権威を認めた以上、その後継者は先代が実現できなかった天皇訪中を実現させれば、「皇帝」としての正当性も認められることになる。こうしてみると、江沢民来日時の暴走は「お詫び」をめぐって韓国と差を付けられたからとされているのだが、自分を毛沢東や鄧小平と同列かそれ以上の「皇帝」として位置づけたいあまりに、天皇に対して何か功績を残したかったのではないかという気がしてくる。江沢民が三笠宮から謝罪の言葉を受けて呆然としてしまったというのも、それが天皇の代理として言われたのではないかと思い込んでしまったからではなかろうか。そうした天皇を巡る中国の工作を延安の野坂参三工作の時代から紐解いており、実に興味深い。野坂についてはまだまだ明らかになっていないことが多そうだが、この時代に蒋介石も野坂同様、天皇制打倒の風潮を戒めたそうだから、天皇に関しては中共で一致した見解があった様だ。その「天皇保全」の見解は延安を訪れた米国の使者にも伝えられ、それが占領工作にも影響があった部分はあろう。なんだかんだ言っても、天皇や大日本帝国の存在は中国が日本に一目を置かざるを得ないものになっているのではなかろうか。
★★★
パリジャンは味オンチ
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「在パリ女性エッセイスト」というのは何人いるのかのか知らんが、これも「勝ち組」の匂いが漂うものではある。在仏40年で国際結婚組だが、講談社+α新書で売れた人と文体が似ている。たぶん編集が意識して似せたのだろう。先日読んだドイツ料理新書の川口マーン恵美さんみたいな知的感覚は無しで、愚痴とイチャモンばかり。珍名さんとかのネタは編集の仕込みかな。みんなフランスに憧れていると思うけど、フランス人は不潔だし、フランス料理とかあまり食わないし、接客態度最悪だし、東洋人差別酷いし、移民ばかりだよというまあ、誰でも抱く印象通り。それでもしてみたいのがフランス暮らしなんだろうけど、実際みんな何が良くて住んでんだろうね。やっぱ見栄?
★
ガンジーの危険な平和憲法案
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著者は元海兵隊員のべ平蓮で、現在は9条教の左翼学者。よく分からんが、最近はインドの研究所に招聘され、ガンジーの憲法案を研究したとのこと。日本の憲法に関する本をいくつか出していたので、インド側の目に留った様なのだが、その思惑はハズれ、現在のインド憲法に対しては冷ややかな見方をとる。それは言うまでもなく、「核クラブ」の仲間入りを果たしカシミールでは半世紀以上も戦争状態であり、宗教対立もカースト制度も「世界最大の民主主義国家」の下で温存されてきているという事情があってのことだろう。正にあの世のガンジーが嘆き悲しむ事態だが、ガンジーは非暴力主義者なのに、彼の憲法草案と齟齬が生じるのは何故だということになる。この点についてインド側にレクチャーを求めるのだが、ガンジーは軍隊を禁止したりしてませんよという説明に著者は納得がいかない。現在のインドの公式見解では整合性がとれなくなるので、ガンジーは絶対平和主義者はではないということになったが、果たしてどうなのか。結果的にはガンジーは軍隊も警察もなくせと言ってるのだが、戦争は否定的に捉えている訳でもなく、法律家であったガンジーは理想論に閉じこもっていたのではなかった。結局、その思想のありどころは西欧思想とは違うということに落ち着くのだが、アメリカ人が作った9条がその明瞭さ故に普遍を獲得しているのに対し、「アジア的平和論」は明瞭な「非暴力」とは一線を画すということか。
★★
「アメリカ社会」入門
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前作の「ニッポン社会」入門が結構好評だった著者の第2弾はアメリカ。JETプログラムから、ニューズウィーク日本版、デイリーテレグラフとキャリアアップを遂げて来たのに、2年前に渡米してフリー・ジャーナリストなのだという。英語での仕事は全く分からんが、著書2冊は日本人向けに書いたもの。前作が好評だったのは外国人の日本人論には珍しく、自国の優越性を誇ったり、過度の礼賛も批判もなく、説教も無いというもの(覚えているのは、パンの種類は英国が豊富とか、家永三郎を唯一尊敬するといった箇所くらい)だったからだが、アメリカに対しては遠慮がないのか、或は日本人向けだからか、かなり言いたい放題。もっとも、変態新聞騒動ではないが、英字メディアでは言いたい放題の「知日派ジャーナリスト」とかもいるから新書だけでは判断できない。日本よりアメリカの方にカルチャーギャッポを感じるというのは、日本に15年も住んだということを差し引いても、あまり説得力のある言い草ではない。アメリカ英語より日本語の方がスムーズというのもどうだろうか。アメリカをこき下ろしながらも、アメリカの豊かな生活に憧れ移住するというのはヨーロッパ人の典型だが、著者も日本ではなくアメリカが「約束の地」であることを体現したまでではなかろうか。アメリカで成功者がもてはやされるのはそれが特殊な例だからというのはその通りかと思うが、著者自身がアメリカでの成功を夢みていることの照れ隠しなのかな。
★★









