新書野郎 -229ページ目

聖典「クルアーン」の思想

大川 玲子
聖典「クルアーン」の思想――イスラームの世界観 現代新書
「イスラム教」は「イスラーム」。「コーラン」は「クルアーン」と呼ぶ事。それが日本におけるイスラーム啓蒙の第一歩である。そして、その「クルアーン」 を学ぶ事が、イスラームを理解する事である。とムスリムは考える。いやムスリムになるつもりはないんですけど。という向きには、それでは「クルアーン」に は触ってくれるな。というのが一般的なムスリムの反応らしい。決してモーテルの部屋に置いてある様な安請け負いの書とは違うのである。「クルアーン」には 翻訳が認められていないので、岩波の井筒俊彦訳も大川周明訳の『古蘭』もあくまでも「クルアーン」の解釈書という事になっている。そんな解釈書を更に解釈 してくれるのがこの新書。入門編としては分かり易い構成だが、「聖書」との対比に重点がおかれているのは「クルアーン」に興味を持つ人は「聖書」の素養が あるとみたからであろうか。
★★

女が映画を作るとき

浜野 佐知
女が映画を作るとき
すげー面白かった。
のは前半部の「夜明け前」まで。すっかり覚醒されてしまった後半はイマイチ。
やっぱ映画モノにはカセが必要でしょ。
★★

アマゾン河の食物誌

醍醐 麻沙夫
アマゾン河の食物誌
タイトル通り、アマゾン地方で食されるモノを紹介。私の子どもの頃の自慢は「ピラニアを食べた事がある」というものであったが、日本人の多くはアマゾンの 食べ物というと、ピラニアを思い浮かべるのではないだろうか。そんなメジャーなピラニア以外にも、豊饒の大河アマゾンで穫れる様々な魚、動物、穀物のレシ ピが満載。といっても料理法はアマゾンらしく、いたってシンプルなものがほとんど。アマゾンもブラジルである以上、多民族が住むが、それぞれの文化とアマ ゾン文化が融合した食文化は興味深い。著者は在伯日本語文壇の出。開高健の「オーパ!」の案内人を務めた人との事で、アマゾンに生きる人々の人間観察もな かなかのもの。おまけにアマゾン以外のブラジル料理も網羅しているので、ちょっとしたブラジル料理通になれるだろう。サンパウロのヤキソバは、私の青春の 味だが、なんでブラジル人にあんなに浸透したのだろうか。
★★


NHK

松田 浩
NHK―問われる公共放送
こちら と対極の反NHK本。しかし、こんな真性の「岩波人士」に攻撃させても、かえって逆効果の様な気がするが。

父の文章教室

花村 萬月
父の文章教室
これも「全身小説家」か。
★★

アール・デコの建築

吉田 鋼市

アール・デコの建築―合理性と官能性の造形
知ってる様で、本当はよく知らなかったのがアール・デコって奴。
もう知ったかしねえぞ。
★★

悲しみの子どもたち

岡田 尊司
悲しみの子どもたち―罪と病を背負って
最近売れている精神科医の著者。それもこの題材がホットだからだけど、わりと分かりやすい記述。
★★

Jポップの心象風景

烏賀陽 弘道
Jポップの心象風景
同時期に岩波新書と同モチーフで出すのは、切り口が違うといえ、何か理由があったのか。
面白いけど、ロッキンオン風のこじつけの様な気がしないでもない。
★★

『噂の眞相』25年戦記

岡留 安則
『噂の真相』25年戦記
この人は全共闘崩れの無思想な人間かと思っていたけど、そうではなかったんだね。
「噂の真相」が決して逆らわなっかた「権威」とはなんでしょう。

メディアの迷走

保阪 正康 他, ラクレ編集部
メディアの迷走 -朝日・NHK論争事件
NHKと朝日の論争事件というより、ほとんど朝日及び「朝日的なるもの」に対する弾劾書。御大保坂正康にはじまり、南京記念館に行って文句をつけたという、「神」をも恐れぬ武闘派の柘植久慶、締めに安倍晋三を登場させているのに対し、辺真一と斎藤貴男しか反対陣営がいないので、論争になっていない。どっちもどっちだと思うのだが、もっと本質に迫る議論はできないものか。
★★