新書野郎 -19ページ目

ウォーホルの芸術

ウォーホルの芸術 20世紀を映した鏡 (光文社新書)ウォーホルの芸術 20世紀を映した鏡 (光文社新書)
宮下規久朗

光文社 2010-04-16
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ウォーホルが亡くなってもう23年も経つのか。58歳で亡くなったのは現代的には早世の部類なんだろうけど、あらためて彼の作品の軌跡をこうして読んでみると、早く亡くなるべくして亡くなったという気がしないでもない。「死」に魅せられていたことは確かなんだろうが、一連の「死者」シリーズは本当に趣味が悪い。そうなるとやはり不思議に思うのが肖像権の問題だけど、まさか死人に口無しとばかりに勝手に作品化してしまっていたのだろうか。ケネディとかジャクリーン、モンローなどはまあ「公人」と言えなくもないし、毛沢東は物理的に訴えられることはなかったとしても、一般の殺人被害者とかは遺族の許可をとっているのだろうか。アメリカの方がそうした肖像権についてうるさそうな感じもするが、ウォーホルクラスになると芸術としてOKということになるのだろうか。日本だと遺族の感情を無視しただのなんだので絶対アウトだと思うけど。まあそんな道徳観念など全く持ち合わせない人間かと思いきや、実際は敬虔なカトリック教徒で、ホームレスに対するボランティアなどを生前にずっと続けていたのだという。これは意外。坂本龍一の肖像画は実はカネを払って作ってもらったものというのも知らんかった。2万5千ドルか5万ドル払えば、誰でも作ってもらえたそうだが、一般人モデルの場合、ウォーホルの作品といえども、現在そこまでのプレミアムが付いているのだろうか。教授がモデルの分はオークションで数倍の値が付くかもしれんけど。
★★

蔦文也と池田高校

蔦文也と池田高校―教え子たちが綴る“攻めだるま”野球の真実 (ベースボール・マガジン社新書)蔦文也と池田高校―教え子たちが綴る“攻めだるま”野球の真実 (ベースボール・マガジン社新書)
畠山 準 江上 光治 水野 雄仁

ベースボールマガジン社 2010-07
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解説などでは真人間になった感じがする水野がえらく横柄で、畠山の控え目さが目立つ。水野は巨人だから目立っただけで、プロの実績や実働年数は畠山の方が上だろう。江上はなんでプロに行けなかったんだろう。今でも日生勤務か。

外務省革新派

外務省革新派 (中公新書)外務省革新派 (中公新書)
戸部 良一

中央公論新社 2010-06-25
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白鳥敏夫の評伝。
とするには否定的過ぎるから、最大公約数をとったのかな。
★★

カンバッジが語るアメリカ大統領

カンバッジが語るアメリカ大統領 (集英社新書ヴィジュアル版)カンバッジが語るアメリカ大統領 (集英社新書ヴィジュアル版)
志野 靖史

集英社 2010-07-16
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集英社新書ビジュアル版。この種のバッジのコレクターは毛沢東バッジのコレクター並にいるんだろうが、漫画家、イラストレーターという著者が紹介されている全てのバッジを集めた訳でなく、カタログが幾つも出ている様だ。最近はネットのオークションに出されているのも多いのだろう。この手の光物が日本の選挙ではグッズとして認められていないのかもしれないが、選挙費用が国費から出る訳でもなく、「寄付力」が勝負のアメリカ大統領選お祭りアイテムには事欠かない。その分配る量もハンパじゃないだろうから、ケネディくらいまで遡らないとプレミアムが付くのは数少ないお宝系だけなんだろうが、毛沢東バッジや金日成バッジみたいに元の素材がちゃちいだけに簡単にニセモノは作れるか。ここ数回の選挙戦のものは中国製の可能性が高いだろうし、原価は数セントかな。父ブッシュだけ除外されているのはなぜだろう。

オランダ風説書

オランダ風説書―「鎖国」日本に語られた「世界」 (中公新書)オランダ風説書―「鎖国」日本に語られた「世界」 (中公新書)
松方 冬子

中央公論新社 2010-03
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オランダ本だけど、ワールドカップとは全く関係ない歴史博論もの。ていうか博論は既に3年前に一度、東大出版会から書籍化されているみたいで、そのダイジェスト版みたいなものか。オランダ語の知識が原典と照合するには必要だからかもしれないが、あまり手がつけらていない研究の様だ。参考文献をみると「阿蘭陀風説書」とか「和蘭風説書」というのがこれまでの呼称だった様で、それも戦前とか数十年前のものばかり。「和蘭」は「和」と「蘭」ではなく、オランダの漢文名か。これだけ情報化社会が進むと、北朝鮮の様な国が存在できていること自体が驚異なのだが、東インド会社解散後のオランダが、なおも独占的な交易国の地位を維持できたのはひとえに外部世界の情報を独占的に提供していたからの様である。この時代から情報の持つ価値は計り知れなくなっていた訳だが、先の米ロのお粗末スパイ交換劇などみても、情報の影響力の低下といったものを感じさせられる。ただ、オランダが展開して来たような情報の取捨選択や情報の加工といったものは、今後もこの情報の大海の中では重要視され続けることであろう。
★★

ジョージ・ベストがいた

ジョージ・ベストがいた マンチェスター・ユナイテッドの伝説 (平凡社新書)ジョージ・ベストがいた マンチェスター・ユナイテッドの伝説 (平凡社新書)
川端 康雄

平凡社 2010-05-15
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イギリス史の論文集の1本として準備をしていたところ、平凡社の方から直ぐに新書でとオファーがあったそうだ。この時期は各社ともサッカーもの企画を探していた最中だったのだろう。ただ、ジョージ・ベストとマンU伝説だとコア過ぎてニワカは食いつかんだろうし、マンUもベッカム、クリロナならまだしも、ジョージ・ベストとなるとそれこそ明石家さんまの世代にならないと記憶もなかろう。著者が正しくその世代なのだが、この企画が通ったのもワールドカップのみならずさんまの貢献があったのかもしれない。ジョージ・ベストは自伝もあれば評伝も山ほどあるし、とかく話題に事欠かないお騒がせマンであり、そして若くして亡くなっているので、これほど伝説化しやすい選手もいないといったところなのだが、ちょうど世代的にペレとマラドーナの間の空白を埋めるスーパースターにしては実績は寂しいもの。それは彼が北アイルランドという小国というか小協会の代表であり、ワールドカップにはついぞ出場することがなかったからなのかもしれないが、年齢が一つ上のパット・ジェニングスが82年に出場を果たしているから丸っきりチャンスがなかった訳でもなかったろう。この大会では現在でも最年少記録らしいノーマン・ホワイトサイドの出場もあったが、この頃ベストは北米で破産宣告を受けていた身だったのか。この様な破滅型は最近ではガスコインがいるが、マラドーナとも違って、クスリではなく酒で身を滅ぼしたという選手はあまり聞かない。そもそも二日酔いでまとも練習に出て来れない選手などは今だったら、まず使われることはないだろうし、「あぶさん」などは酒飲みに寛容な日本的な脚色であることが分かる。結局、ジョージ・ベストは酒が命取りになった訳だが、メッシにしても最近は「常識ある天才」が普通になってしまったから、何か面白くないね。

国際連盟

国際連盟 (中公新書)国際連盟 (中公新書)
篠原 初枝

中央公論新社 2010-05-25
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この国は戦前は疑いの無い大国だったんだな。
★★

日本はアニメで再興する

日本はアニメで再興する クルマと家電が外貨を稼ぐ時代は終わった (アスキー新書 146)日本はアニメで再興する クルマと家電が外貨を稼ぐ時代は終わった (アスキー新書 146)
櫻井 孝昌

アスキー・メディアワークス 2010-04-09
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この著者のこのテーマもこれで新書3冊めか。ちくま、PHPときて、アスキーだがそれにあわせて中身も薄っぺらくなってきている様な。この著者は外務省アニメ文化外交に関する有識者会議委員、カワイイ対しアドバイザーという役職を歴任したそうだが、別に自分がアニメを作っている訳ではない様だ。政府を代表したお目付け役として世界を廻り、各国で講演をしてるらしいが、こんな役人の話を聞いて、アニメファンは喜ぶのか。まるで自分が大スターになったがの如く、会場が一つになったとか言ってるけど、この著者個人のことを知っている人間などほとんどいないだろう。それだけ「日本人渇望症」であるという見方もできるけど、アニメファンは日本が政府として自分の趣味に関わることをどう思っているのかな。政府は平和のプロパガンダとしてアニメを活用しているのかというドイツ人からの質問があったというが、これの意味するところは、日本は平和のイメージを持たれているというより、先の戦争における残虐なイメージをアニメで払拭しようとしているのではないかという意味だと思う。欧州での評価とは逆に、「アジア」では中韓の持ち上げなどによりドイツは少なくともその点に関して日本に対して優越感を持っている。そうした誤解を招くだけでも政府がこうしたコンテンツの宣伝に関わるのはどうかと思う。ジャンパンエキスポの韓国勢出展などで、危機感があるのかもしれないが、官民一体となって世界に売り込んでいる韓国のコンテンツがどこまで普遍を獲得できているのだろうか。こうしたサブカルものはファンとしては自分が「発見」することが重要で、政府のお膳立てで好きになることはあっても、それを自己のものとして消費するにはアイデンティティの矛盾が生じるのではなかろうか。韓国や中華の民族主義的コンテンツは第三者にとって、趣味として楽しめてもそこに自己投影するのは難しい・日本のアニメが成功したのはその「無国籍」な作風にあるかと思うが、そこにビジネスだの外交戦略だの意図を持って日本というお面を被せてしまうことには反対したい。日本がアニメで再興する必要はなく、アニメで世界が再興すればそれで良いのではなかろうか。

ブラック企業、世にはばかる

ブラック企業、世にはばかる (光文社新書)ブラック企業、世にはばかる (光文社新書)
蟹沢 孝夫

光文社 2010-04-16
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光文社自体がブラックじゃねえの。

多極化世界の日本外交戦略

多極化世界の日本外交戦略 (朝日新書)多極化世界の日本外交戦略 (朝日新書)
神余 隆博

朝日新聞出版 2010-02-12
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まあ正論だね。
★★