日本の教育格差
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何か二番煎じっぽいな。
大学教授になっても実感があるのかな。
★
下から目線で読む『孫子』
![]() | 下から目線で読む『孫子』 (ちくま新書) 山田 史生 筑摩書房 2010-07-07 売り上げランキング : 276488 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
よく中国人は軍事もビジネスも孫子の兵法に則っているとか言われるのだが、今の時代にそんなものに固執している訳もないだろうと読んでいくと、今回の件にドンピシャの部分が幾つかあった。
「戦いは、相手の充実したところを避けて、相手の手薄なところを攻める」
「安定した状態で混乱した相手に対し、冷静な状態で動揺した相手に対する」
「待機しながら遠来の相手に対し、休息しながら疲労した相手に対し、満腹しながら空腹の相手に対する」
この辺は民主党のドタバタに乗じた作戦か。
「自分が相手に備えねばならぬ立場になると不利である。相手を自分に備えねばならぬ立場にすると有利である」
朝日とか毎日は完全に中国の思惑通りに動いてくれてる訳ね。
「勢いとは、いったん有利になったら、その波にうまく乗ることである」
仙谷のバカさ加減が分かりますね。
「言葉がへりくだり、守り一辺倒に見えるものは、攻めてくる覚悟なのである。言葉が居丈高で、いかにも攻めてきさそうな気配のものは、逃げてゆく寸前なのである」
盗人猛々しいのではなく、あれが中国のメッセージなのか。それに対して中国様に敬語で対処するマヌケは。
「巧みに戦うものは、事の勢いを利用して、個人の力に頼らない」
「世間のひとに「よくやった」とホメられるようでは、まだまだだめである」
「だれが見ても成功とわかる程度の成功であれば、ホメるに値しない」
「降参してきたものは優遇する、そうすれば相手に勝つほどに自分の強さが増す」
やはり、謝罪と賠償を勝ち取るまで止めないみたいだね。
なんたって、コレですから。
「戦いのコツは、相手をダマすことにある」
★★
グーグルに異議あり!
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例の勝手にスキャンして公開の件でグーグルを訴えた人の話。図書館派としてはこれは便利の様な気もしたが、英語だけの告知で勝手に期限を付けて文句がないなら了承したことみなすとか、スキャンしたものを自分たちが勝手に著作権を主張したり、挙句の果てには広告代金は全てタックスヘイブン行きで税金は一切払わないとか、ほとんどヤクザ企業みたいなものだな。それがアメリカのスタンダードで、だからこそ成功したんだろうけど、アメリカの大学図書館が、この著者の本をほとんど所蔵しているというのも意外な気がした。本を送ればスキャンしてくれるサービスは合法になったみたいだけど、これは音楽と一緒でダウンロードの無法地帯になるのも時間の問題だろう。ただ、村上春樹クラスだと何十億円の損害になるのだろうが、この著者を含めて実害が明確な著者というのは限られてくるんじゃないかな。もっともこの著者も実害ではなく著作権の侵害の方を問題にしているのだが、本の物理的寿命も半永久的なものではないし、所蔵スペースのことを考えると、国会図書館レベルではデジタル化というのは必然的なものかもしれない。それを一般に公開するかどうかというのは別の話だが。
★
ルポ戦場出稼ぎ労働者
![]() | ルポ 戦場出稼ぎ労働者 (集英社新書) 安田 純平 集英社 2010-03-17 売り上げランキング : 102293 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
やはりイラクに戻ったのか。しかも出稼ぎ労働者として。まあバッシングは覚悟の上なんだろうけど、この手の人種特有の上から目線で、批判者を非難するのはどうかな。少なくともジャーナリストならお仲間だけを相手にして、一般人の視線というものをバカにするのは「良心的」ではなかろう。地方紙の一記者だった男があの事件で名を売ってフリージャーナリストとして自立できたのは事実なのだが、億単位の身代金が税金から拠出された可能性も否定できない上、一緒に捕まった人間がアレでは国民の不信感というものは拭うことができないだろう。ただ、記者としては困難だから苦肉の策かもしれんが、出稼ぎ労働者としてイラク入りを果たすという行動は再び拉致されることのリスク(身体的生命ではなくジャーナリスト生命)に丸っきり鈍感としても、記者魂みたいなものは感じる。これも鎌田慧チルドレンなのだろうが、さすがに野村進の義弟はイラクには行かなかったか。人間の盾の時みたいに入国自体が目的ではなく、出稼ぎ労働者のルポが最初から目的だったみたいだが、ネパール人やパキスタン人は本当に5万円くらいの月給でイラクで働いているんだな。先日読んだ「湾岸産油国」のお陰で、これがクウェートで働くより断然実入りが良いことも分かったが、著者が言うように派遣村の日雇いがイラクに行くなんてことは50万くらい貰えないと無理であろう。上海ライブドアみたいに現地並給与で喜んで行くなんてことは、英語の実践になっても反日デモどころじゃすまんリスクがあってはどうにもならん。日雇い派遣は拉致されても著者の様な勲章にはならんのである。しかし、これも予想通りだけど、給与の不払いはお約束みたいなものか。環球時報が早速、中国人は日本で不法滞在しても日本は差別的だから稼げないし、研修生は時給530円しか貰えないから日本には行くなとか記事にして、中国での反日盛り立てと日本での反中要因払拭という分かりやすいプロパガンダを出したみたいだけど、時給530円貰えるとなると中国はもちろん世界中から応募が殺到するんじゃないか。しかも日本は不払いの可能性も少ないし、ドンパチもない。生命の危険がなければ差別されようが別に構わんといういうのが大勢だろう。世界の常識では日本での「奴隷労働」は地上の楽園みたいなものだろう。
★★★
ポストモダンの共産主義
![]() | ポストモダンの共産主義 はじめは悲劇として、二度めは笑劇として (ちくま新書) スラヴォイ・ジジェク 栗原 百代 筑摩書房 2010-07-07 売り上げランキング : 14020 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
このスロベニア人哲学者については例によって名前を聞いたことがある程度であったのだが、新書に入れば読む機会もあるというもの。今もスロベニアの大学で教えているそうだが、執筆言語は英語なのだろうか。ラカン派でフランスで博士号というから仏語でもいけるんだろうが、スロベニア語ではない様だ。こちらは哲学ではなく時事評論みたいなものだが、その軽快な読み口もあって、その主張が響くほどのものはない。特に翻訳の問題ではないとは思うが。マルキストといってもソ連には批判的であることはその出自から必然的なのだろうが、モンゴル支配時代のロシア人のエピソードなどを読むと、ヨーロッパ人のロシア人アジア野蛮言説が窺われていやな感じ。ヒトラーが中東で崇められているなんていうのも、実際はその信奉者は欧州に集中している事実を隠蔽している様にも感じた。ナチス、シオニスト、ソ連全体主義は弾劾の対象になっているが、毛沢東はその範疇には入らずか。最近の中国の動きは毛沢東主義の連続性を否定はできないのだろうが。
★★
ともいきの思想
![]() | ともいきの思想 自然と生きるアメリカ先住民の「聖なる言葉」 (小学館101新書) 阿部 珠理 小学館 2010-06-01 売り上げランキング : 47568 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
この「アメリカ先住民」研究の日本における第一人者の本は前に読んだ啓蒙書も大層面白かった記憶があるが、こちらは新書ながら入門書ではなく、著者が体験してきた居留地での日々をエッセイ風にまとめたもの。インディアンの歴史や文化の正面切った説明はなく、むしろ啓蒙書とは逆に偏見を助長させる部分もあるのだが、そうした現実も受け止めて、部族社会へコミットしていこうとする著者の姿勢は素晴らしい。研究者が印税を全てインフォーマントに還元するというのは中々出来そうで出来ないこと。メディシンマンの記述でも分かるが、インディアンの精神世界に盲信する白人を揶揄しているところもあり、高貴な野蛮人ではなく、同じ目線で考える著者の視線は優しい。指導する院生の話など、研究の指導とは人間形成であるということがよく分かる。著者をそんな素晴らしき世界に導いたのが中上健次だったというのは意外な話だ。
★★★
気功の学校
![]() | 気功の学校 自然な体がよみがえる (ちくま新書) 天野 泰司 筑摩書房 2010-09-08 売り上げランキング : 3659 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
一時、習っていたこともあるんだけど、やっぱりコレもスピリチュアル系なのかな。今更だが、気功が確立されたのが1950年代とはあまり知られていないんかと思う。新中国でこれでがんが治ったとかでブームになったというと、今ではオカルト扱いなのだろうが、事実、程なくして文革では迷信扱いされ、実質、復活して広まったのは改革開放以降だから、中国4千年どころか、新中国50年くらいの歴史しかないのか。まあ気の概念自体は古いものだけど、中華人民共和国生まれの中華「伝統」となると、台湾などではやはり「正統性」は与えられていないのだろうか。80年代に結構なブームがあったと記憶しているのだが、湾岸戦争の時、例の油まみれの鳥などのプロパガンダによって、世界各地から油田火災鎮火の支援がクウェートに集まる中、西洋の技術で火災が止まらないなら、俺達も援助隊を送るとかいって、気功の専門家を送って気の力で火を止めるんだなんていう話がマジであったんだけど、さすがにこれはクウェート政府もお断りしたんだろうな。場合によっては日本の120億ドル支援よりは感謝されたのかもしれんけど。
★
新聞消滅大国アメリカ
![]() | 新聞消滅大国アメリカ (幻冬舎新書) 鈴木 伸元 幻冬舎 2010-05 売り上げランキング : 142879 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
著者はNHKの報道局員だそうで、元はクロ現の取材ネタらしい。NスペだったらNHK出版から出ていたのかもしれんが、クロ現だと生活人新書でもなく幻冬舎新書になるか。アメリカで新聞が消滅していくのも必然であって、日本みたいに全国紙が突出した部数や影響力を保持している訳でもないので、時代遅れの産業として淘汰されることに反対する声が大きいこともなかろう。日本だと朝日新聞が潰れるとなると一大事件であって、産経程度の新聞でもなんだかんだで救済されたりするのだが、アメリカの場合、私企業が買収されたり合併されるのは宿命みたいなものだから、NYTが危機でも時代を反映した経済の実態でしかあり得ない。著者は日本では新聞社が株式を公開することは考えられないとしているのだが、よくよくみれば出版社が株式を公開していて、新聞社がダメというのもおかしな話。むしろ創業者一族の手に経営が握られて、記者の独自色ではなく会社の路線に記事が統一されている方が危険な風にも思える。ハースト系っていうのはてっきり過去の歴史の中の話かと思ったら、今でも有力な企業だったのか。今ならマードックの方が力が上なのだろうが、あれも思想というより商売上の路線ではあるのだろうけど。
★★









