破線のマリス(1999) | 何もかも忘れないブログ 

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もうそこまでだ〰 
失った信用を取り戻すには、まだまだ時間がかかるんだな~

本日6月10日は私の○8回目の誕生日です。

去年も言いましたよ。まぁ、それがどうしたということなんですけど┅

ケーキを自腹で買いました。ラズベリーケーキです。

明日食べよう❗(今日が誕生日なのに?何だかケーキという気分じゃないのでね)


ずっと前に録画していた話題の?野沢尚原作の「破線のマリス」です。今観ろ!と言われたような気がして観てしまいました。


1999年公開でしたが、この頃ってモー娘。の「LOVEマシーン」や郷ひろみの「GOLD FINGER 99′」で歌謡界は賑わっていましたね。
そしてテレビで流れるニュースはすべて鵜呑みにしてました。これっぽっちも疑っていなかった。今現在もこの頃からまったく変わっていない層もいるのですよね。
この時代にこの作品が発表されたことは大変なことですよ。だからあーなってしまったのか?
私はこの後10年あまり経って、フィギュアスケートの世界を知りどんどんメディアを嫌悪するようになっていった。そして昨今の芸能界の事件、暴露系の方々を知りエンタメ界の腐りきった裏側を再認識しています。以前からちょこちょこ漏れてきていた話もまんざら嘘ではなかったんだなと辟易しています。

さて本題へ
冒頭、maliceとは 「悪意、敵意、犯意」の意味だと映し出される。
そしてブラウン管の砂嵐に変わる。

東都テレビの編集者遠藤瑶子(黒木瞳)は、大学教授一家惨殺事件について近隣男性の証言映像と残された教授の妻の自宅前映像を操作、編集していかにも妻が犯人だというふうに創作したものを放送した。
このことがきっかけとなり妻(大場久美子)は追い詰められ犯行を自供した。
「夫と娘を殺して!」と200万で殺人を依頼したのだった(安価だけど本当か?)

そんな勢いに乗っていた遠藤の所属している報道局に「極秘で見てもらいたいビデオテープがある」と男性から電話が入り、近くの喫茶店で会うことになった。
彼は郵政省放送行政局電波監理課主査「春名誠一」(白井晃)と名乗った。

内部告発のビデオテープだというその内容は永和学園と郵政省の贈収賄疑惑を追及していた市民団体の吉村弁護士が事務所マンションから転落死(自殺と処理された)したというものだった。それは吉村弁護士が学園側から妨害を受けていたということで、上司の依頼で監視のため撮影されていたものであったが、不審な人物が映っていた。
吉村を尾行しているところや投身自殺現場の野次馬の中にも映り込んでいた。
さらには葬式場に入る後ろ姿までが撮られていた。
春名はくれぐれも職場には電話しないで欲しいと釘を刺した。
実際賄賂を受け取っていたのはノンキャリアの課長(辰巳琢郎)だったのだが、郵政官僚たち数人は事情聴取を受けていた。
遠藤は警察署から出てくる官僚たちを盗撮していて尾行していた人物と背格好がぴったりと一致する放送行政局の麻生公彦(陣内孝則)にロックオンした。
彼は帰りの車に乗り込む寸前駐車場内で遊ぶ少女を見て微笑んだ。遠藤はその顔だけを切り取りいかにもこの人が怪しいと偏向放送した。
まさに映像に狭い切れ目を入れ破線にし 切ったり貼ったりして造り上げた捏造映像だね。
彼女がディレクターを通さず好き勝手を許されているのは普通ならおかしい。視聴率アップのことしか考えていない彼女のモットーは「想像力と勇気」だというから呆れるばかり。「嘘でも放送していいんだ(怒)」と言った人とのことを思い浮かべてしまったわ。
春名は遠藤をバーに呼び出し、「自分の周りに聞き込んだりするのは命が危なくなるからやめて欲しい。自分のことは匿名の密告者として扱って欲しい」と再度釘を刺した。前例の惨殺事件では鋭い直感力を発揮し真相にたどり着いたことでいい気になっていたのは間違いない。後でとんでもないしっぺ返しを食らうことになるのだ。
その映像が情報番組で流れてから麻生の家庭は崩壊し仕事も左遷されてしまった。彼は東都テレビに怒鳴り込んできて「笑ったことが問題か💢」と訴えた。
しかし遠藤が形だけ謝罪したものの双方ともまったく納得していない様子。

密告者の春名が信用できる人物なのか、部長(篠田三郎)に言われ調査するとビデオテープ映像はヤラセであり春名という人物は郵政省には存在しなかった。さらに尾行していた人物、バーの店主はエキストラだということがわかった。しかし吉村弁護士は実際、亡くなっておりこの他殺を匂わす映像はいったい誰が作らせたのか?犯人は最後まで判らずじまいだったし自分が騙されているのにもかかわらず追及もしなかったのは変だった。

遠藤には淳也という小学四年生の息子がいて別れた夫(中原丈雄)が引き取っていた。彼女は淳也にグローブを渡すため、待ち合わせていたが来たのは元夫だった。再婚予定があるから息子にはもう会わないで遠くで見守るだけにして欲しいと言ってきた。このまま子どもより仕事を選ぶ女であって欲しいと屈辱的な言葉を吐かれため彼女は涙を堪えながらその場を立ち去った。
帰宅すると留守電に淳也からのメッセージ入っていた。
「グローブありがとう。大事に使うね。お仕事頑張ってね。いつも見てるから。さよなら」彼女は泣き崩れた。

彼女は毎日テレビ局まで自転車通勤をしていた。朝も夜も麻生に付きまとわれ、謝れ!と罵声を浴びせ続けられていた。
仕事帰りのコンビニでは「テレビはまるで万引きが許されるコンビニだな。滅びないし恥じることもしない。でっち上げ映像をタダ同然で見る視聴者がいる限りテレビは勝利者なんだよな💢」と面と向かって抗議された。
これは正に今も勘違いしてるテレビ局の構図だ。タダより胡散臭いものはない。そんなテレビ番組の視聴者は少しでも疑った方がいいのでは?視る者が居なくなれば信じる者が居なくなればテレビ局は無くなる。23年後の今、その方向に少しずつ動いてきているように思う。私自身地上波の放送はドラマも含めまったく見なくなってしまったし。
元へ
自宅に帰れば、「謝れ❗by麻生」のファックスが大量に送り付けられていた。駐輪場にも大量の貼り紙があった。でもこの遠藤さん、ちっともひるまない。信念がどこにあるのか解らないが弁護士の不審死については麻生犯人説を突き進んでいた。
次の日、郵便受けに届いていたVHSは遠藤の隠し撮り映像だった。
彼女は送り付けてきたのは麻生だと信じて疑わなかった。
結局は二人とも利用された者同志、手を組めば最強だと思ったが、それはなかった。
挙げ句、今度は彼女の自宅内映像と寝室での寝顔まで撮られたものが送り付けられて来て、麻生に対する憎悪が膨らんだ。
彼女は助手の赤松(山下徹大)に頼み、公園で自分との対談形式のインタビューを隠し撮りさせた。 しかし見破られてしまい、失敗に終わってしまった。
今度は下北沢の麻生の自宅へ侵入し彼がバーで飲んでいる間に3台の監視カメラを仕掛けた。

後日、バーで遠藤は麻生を待ち伏せしていた。隠し撮り映像を見せるためだ。
そこには酔いつぶれて家族写真を切り刻むという自堕落な生活が映し出されていた。
その時、彼女は「客観的事実を繋ぎ合わせれば編集の仕方であなたを犯人にできるのよ」といいはなった。この脅しの言葉を聞いてこの人は完全に頭をヤられていると思った。しかもプロはこういう映像が撮れると勝ち誇っていたのには心底恐ろしいと寒気がした。
自分が神にでもなったつもりか💢そもそも住居不法侵入してることはどうなんだ💢偉そうに何様なんだか💢今でもこのように勘違いしてるテレビ業界関係者はいるんでしょうね。
麻生は怒りを覚え、直ぐ様バーを出て行った。遠藤は慌てて走りだし追いつくと欄干の上で言い争いになってしまった。
その時言った麻生の言葉を関係者はよく聞いた方がいい。
「お前らが映像を流した時点で電波はナイフにもピストルにもなり一人の人間が抹殺されるんだ。事実かどうかわからない映像をただ撮ってきて切り刻み、繋ぎ合わせてるだけだろ!しかもそのかすめ取ってきた映像を自分の都合のいいようにデスクの上で切り取ったりズル賢く補ったりして嘘だらけのパッチワークを作っている!画面の外にどんなに大切なことがあろうとも気付きもしない。いつになったらわかるんだ!お前らが見ている世間や社会って何なんだ?‼️」
こうなったら事実はどうだっていいんでしょ。
この世界に溢れてる記事や映像って益々信用できなくなってる。
「テレビで言ってたから、週刊誌に載ってたから」っていうのはもう疑ってかかる時代だよ。推しの発言だって都合よく操作されてるかもしれないと考えるとまともには受け取れないわ。誰にだって裏の顔はあるんだしな。

言い争っていた二人は近隣の住民男性に「うるさい👂⚡」と怒鳴られたが、怯むどころか更にヒート・アップして押し合いになってしまった。
勢いあまって遠藤に麻生は突飛ばされ欄干の下に落ちてしまった。頭を強打し亡くなってしまったのだ。
そのまま放置し彼女は自宅へ帰り、淳也に電話をかけたが、もう寝ているからと代わってもらえなかった。

次の日、何事もなかったように普通に出勤した遠藤の元に昨夜の事件の取材テープが届いていた。
いつものように都合よく編集し、自分に不利になるような近隣男性の証言はカットしようとしていた。赤松には酔っ払って足を滑らせただけだろうと言っていたが、明らかに疑われていた。
そのうち、局長室から呼び出しがかかりに中に入ると直ぐ様放送が始まった。
遠藤の編集したものではなく、カットなしで放送されていた。
差し換えに納得できず、憤る遠藤だったが、局に届いていたテープを上層部は既に見ていたため彼女の犯行だと分かっていた。
そこには麻生の自宅に侵入し出ていくところから口論し殺害、逃走するまですべてが、映し出されていた。これまで彼女を隠し撮りしていたのは麻生ではなかったのだ。よく考えれば、遠藤の寝顔を撮ることができるのは合カギをもっている身内しかいないからな。
なぜ彼はテープを送り付けたのは自分ではないと最後まで否定しなかったのか?
そこが解せない🤔

ついに彼女は逮捕され、今度は逆にメディアから撮られる側になっていた。
現場検証に来た車から出てきた彼女にたくさんの報道カメラが向いていた。
その中には元助手の赤松がいて涙を堪えながら撮っていた。
視線を下に向けると淳也がハンディカムで撮影していた。その姿を見つけると彼女は優しく微笑んだ
視聴者には麻生と同じく「笑ってるよ、こいつ」と思われたのであった。
淳也の「いつも見てるから」とはこういうことだったのか?
でもおかしいよ。小学四年生にハンディカムの撮影は出来ても、夜に出歩けるのか?父親の協力なくしては尾行や待ち伏せはできないよね。
この一連の事件は再婚したい父親が息子を使って母親を貶め、縁を切るための策略だったのか?と思えてしまう。

ちなみに郵政民営化は2007(平成19)年のことだった。

途切れ途切れに書き終えると12日になっていた。

🔚