太陽の神【3】中国は女神/十干・三足烏 | 心の鏡

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天の霊妙不可思議な法則、神道について書いているブログ。心の鏡とは内在神を表し、神社のおみくじの神の教に「神様の御光が我が心の鏡に映るその時、凡ての心の曇り、心の闇は晴れゆきて、広き明き御恵みを授かる事が叶う」とあったところから命名しました。

さて、太陽の神シリーズの最終話は中国の太陽の神にまつわる神話です。

 

 

中国

 

東南海の向こうに女神・義和(ぎわ)の国があり、義和は10個の太陽を生みました。

太陽は毎日1個づつ、甲乙丙丁戊己庚辛壬癸の十干の日付に従い空に昇り、

10日で一巡しました。

そこで10個の太陽に毎日産湯をつかわせていました。

 

義和は6頭の龍(または馬とする説もある)が引く車で、

10個の太陽を東から西へと運ぶ御者でもあります。

 

ある時、10個の太陽が一度に空に現れ、日照りか続いたために、

弓の名手が9個射落としました。

それで1個になった太陽は日々空に昇るようになったという事です。

 

それから太陽の中には黒点を表すと言われる三足烏が住むといわれています。

 

…と言う訳で、普通ならその弓の名手は日照りから人々を救った英雄ですが、

妻には月に逃げられ、その後、弓に夢中になるあまり人材登用に失敗し、部下に殺されたという事です。ゲッソリ

 

 

私の感想

 

これは四柱推命占いの干支暦で用いる甲乙丙丁戊己庚辛壬癸の十干(じっかん)や、

日本サッカー協会のシンボルマークになっている三本足の八咫烏(ヤタガラス)に繋がりますから、皆さんも既にどこかで耳にした事のある話かもしれませんが、

今一度、世界の太陽神話を俯瞰して見てきたことで、太陽の神に対する捉え方の違いが、この地域で大きく性別も変わって、日本に影響を与えたのかなと考えました。

 

しかしまあ、聖書の預言(予言と違い神のお告げの意味)でも、

女=聖母マリアが「太陽を身にまとい12の星々を冠に…」という太陽(ここでは救世主か)を生む一説があったので、「太陽を生む女性」という発想も古くから世界に広くあったとも考えられますね。

 

それから弓の名手の不憫な私生活と最期については、日本人の考えた神話と違う思考、話の展開だなぁと思いました。

まず、こちらでは「10個もあった太陽を9個射落とす」って発想は無かった…と思う。

 

私が知る限り、史実でも日照り続きの時には天皇自ら神様に馬を奉納して降雨祈願したり、僧侶が祈祷して雨を降らせたりという話はありますし、

そうして農作物の被害・餓死から人々を救ったら、人々に感謝されて、めでたし、めでたし、だった。

 

それから弓の名人の妻は、夫が西王母から貰った不老不死の薬を盗んで一人で月に逃げ、月の精、または醜いヒキガエルになったとも言われます。

古代中国では月の模様がカエルに見えたようです。

 

日本神話だと月読尊が月の神で、月の模様はウサギが餅つきしているとか、のどかな可愛らしいイメージですけどね。

昔の創作『竹取物語』では、かぐや姫が月に帰っていく時、不死の薬を帝に贈る話の展開となります。

 

そんな訳で、歴史的に世界から影響を受けてきているけど、

日本人独自の異なる思考・思想、ひいては霊魂観の違いが根底に流れていることが読み取れました。