神道には「うしはく」という、上代の神威・神力に対する信仰の表現で、
『威力に富む神が特殊な由縁によって、一定の地域や場所を占める』
といった意味の言葉があります。
目に見えない強大な霊的・神的な力「うし」(=主(ぬし)、大人(うし)に通じる)という語と
身に着け、あるいは物を割くことを称する「はく」(佩く、割く)という語から成った用語で、なまって「うすはく」とも言われています。
以前「うしはく」について少し触れた当ブログ内の記事を探したら、ありました。
この言葉、統治観念の古語である「治(し)らす」と並んで用いられて、
明治時代から「占領の義」だという説が知識人らにも影響を与え、非民主的で権力的な政治形態を示すかのように考える風潮を生み出してしまいました。
でもそれは違うんだっていう話をこれから書いていきたいと思います。
【参考書籍】