神職
神社で神事や神社の運営に関わる仕事をしている方を「神職」といいます。
時代や場所によっては「祝(ほふり)」や「大夫(たいふ、たゆう)」など、様々な呼び方がありましたが、現在では一般的に「神職」「神主」と呼ばれています。
職階
神職の職階は、
宮司(ぐうじ) 最上位
権宮司(ごんぐうじ)
…神社によっては宮司を補佐する役職として置かれている事もある。
禰宜(ねぎ)
権禰宜(ごんねぎ) ※権は「副、仮の」という意味です
出仕(しゅっし) 神職の見習い的な職階
の順に定められています。
※このほか、宮司を引退した後、永年の功績をたたえて「名誉宮司」としてその名を留める場合もあります。
伊勢の神宮や靖国神社などでは
また、伊勢の神宮や靖国神社など特別な神社では、権禰宜の下に宮掌(くじょう)や主典(しゅてん)といった職階があります。
神職になるには資格が必要
神職になるには神社本庁傘下の神社の場合、神社本庁の試験に合格するか、神職養成機関(東京の國學院大學、三重の皇學館大學)で必要単位を取得したうえで、必要な実習を修了しなくてはなりません。
神職の資格 階位
神職の資格では、
神道の徳目である「浄明正直=きよき、あかき、正しき、直き心」にちなんで、
浄階を最上階位として明階 正階 権正階 直階の5ランクの階位があります。
いずれも神社本庁の検定委員会が試験や経験などによって決めるもので、
この階位によって、就く事の出来る職階が違ってくることもあります。
神職の身分
また、階位や職階と経験、業績によって決められる身分もあります。
これは特級から一級、二級上、二級、三級、四級までの6ランクに分けられています。
女性神職は巫女とは違う
女性の神職だと「巫女さん」と間違われる事も多いそうですが、
巫女は神職の補助的な役割を担っていて、資格を持っている神職とは違います。
但し神様に奉仕する立場に変わりありません。
神職の装束と祭りの種類
神職が神様に奉仕する際に身に着ける服装を装束といいます。
お祭りの種類や神職の身分によって何を着るかが決められています。
大祭
大祭には正装、男性は衣冠。冠を被り、身分に応じた色と模様がついた袍(ほう)と袴をつける「正服」
女性は頭に釵子(さいし)を着け、色や文様のついた唐衣(からぎぬ)に表着(うわぎ)、単(ひとえ)、身分に応じた色の袴の正服
中祭
中祭には礼装。
男性は冠を被るが身分かかわらず袍と袴は白地の「斎服」
女性は装飾の造花を省いた釵子(さいし)を頭に着け、身分にかかわらず白地の表着(うわぎ)、単(ひとえ)、袴の斎服
小祭
小祭には常装
男性は立烏帽子を被り、染色と模様を施された狩衣(かりぎぬ)と身分に応じた色の袴をつけた「常服」
もしくは、烏帽子に白狩衣、白袴の浄衣(じょうえ)を着用
女性は額当(ぬかあて)を頭に着け、色のついた表着と身分に応じた色の袴の常服。
もしくは、額当に白地の表着と袴の浄衣
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身分(級)別の色
先ほどから出てくる身分による袍と袴の色ですが、以下のようになっています。
男性神職 正装の場合の袍の色
特級・一級=黒 二級上と二級=赤 三級と四級=緑・縹(はなだ)色
男女とも 袴の色の違い
特級=文様入り白 一級=文様入り薄紫 二級上=文様入り紫 二級=文様なし紫
三級と四級=文様なし浅葱(あさぎ)…水色
私が普段の神社境内でよく見る神職の袴の色が浅葱色ですね。
【参考書籍】