国譲りと天孫の天下り/天孫降臨章 第九段 一書(第三)~占いで決める田と酒と飯 嘗祭~ | 心の鏡

心の鏡

天の霊妙不可思議な法則、神道について書いているブログ。心の鏡とは内在神を表し、神社のおみくじの神の教に「神様の御光が我が心の鏡に映るその時、凡ての心の曇り、心の闇は晴れゆきて、広き明き御恵みを授かる事が叶う」とあったところから命名しました。

国譲りの後、天孫・瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が降臨して、神吾田鹿葦津姫(かむあたかしつひめ)またの名を木花開耶姫(このはなさくやひめ)と結ばれましたが、一夜にしての懐妊に不貞を疑われた姫は、「本当に天孫の子なら無事に生まれる」と誓約をして産屋に入り火を付けて焼きました。

 

初めに炎が明るい時に生まれた御子を、火明命(ほのあかりのみこと)

次に炎が盛んな時に生まれた御子を、火進命(ほのすすみのみこと)又は火酢芹命(ほのすせりのみこと)

次に炎が鎮まった時に生まれた御子を、火折彦火火出見尊(ほのおりひこほほでみのみこと)と申します。

 

この三柱の御子は皆、火も損なうことが出来ず、母もまた損なうところがありませんでした。

そして竹の刀で御子たちのへその緒を切りました。

その棄てた竹の刀が竹林となったので、その地を竹屋(たかや)と言います。

 

その時、神吾田鹿葦津姫が占いによって定めた田を狭名田(さなだ)といいますが、

この田の稲で天甜酒(あめのたむさけ)を醸して嘗(にいなめ)の祭りを行いました。

また、ぬ浪田(ぬなた)の稲で飯を炊いて嘗の祭りを行いました。

 

※ぬなたの「ぬ」の漢字はサンズイに亭

【私のつぶやき】

神吾田鹿葦津姫は、卜定田(うらへた)=占いによって定めた田の稲から醸造した酒と、

ぬなたの稲で炊いた飯を奉ったとありますから、

令和の大嘗祭も記憶に新しく、11月に入り23日には新嘗祭を控えている今、ピン!ときた方も多い伝承だったのではありませんか?

 

現代においても大嘗祭の前に古代のままの亀の甲羅を焚いてできた亀裂を使った占い、亀卜(きぼく)によって神意を伺い、悠紀(ゆき)・主基(すき)の斎田が決められましたよね。

 

大嘗祭は天皇陛下が即位後初めて新穀を皇祖・天神地祇に供えられ、自らもお召し上がりになり、

国家国民の安寧と五穀豊穣などを感謝し祈念される儀式で、

悠紀(ゆき)=最も神聖で清浄であるという意味

主基(すき)=次という意味

だそうです。

東京都神社庁のサイトで確認