今日のブログは2年ほど前に書いた両渡り線の話と3年程前に書いた3wayポイントの使い方をコンパクトに合わせた内容になっています。
その前におなじみの飯田線をちらり。
朝の田切駅。
春休みのため通学時間なのにホームには一人も乗客がいない、という飯田線とバックには中央アルプス。
この駅には、「アニメ聖地巡礼発祥の地」と書かれた石碑が建てられていますが、この石碑からそのアニメが思い浮かぶ方はどれだけいるのでしょう。
美里山倶楽部の通勤快速バイクと比べても大きいことが分かります。
昼休みは伊那田島に入ってくる313系です。
いつもとは違う方向から撮ってみました。
さて本題です。
Tomixの線路でレイアウトを作った人、Tomixのポイントを分解した方達のTomixの評判はあまり良くありません。
しばらく使っていると、
・切り替えが悪くなる
・通電不良を起こしやすい
・KATOスロットレスモータを使ったM車を通すとポイントが切り替わってしまう
などです。
どれもある程度当たっているので反論は出来ませんが、致命的にひどいモノなら鉄道模型界から当然駆逐されてしまうでしょう。
その現象に至ってないということは皆さんがそこそこ使いこなしているからなのでしょう。
切り替えに関しては現在14~16Vで使用する、キャパシタ(コンデンサ)切り替えを行うなどで改善可能になっています。
美里山倶楽部も昇圧、キャパシタの両方を使う方法で切り替えてまして、切り替えが出来ない現象はまだ発生していません。
もう一つの通電不良も上記方法が功を奏しているのか、この方法にしてからはまだ発生していません。
ただし、あくまでも個人が所有しているレイアウト上のことですからもう少し様子を見ましょう。
対するKATOのシステムが完成度が高いかというとTomixよりは上かもしれませんがデメリットもあります。
KATOは4番ポイントの124mmが基準になっていますが、より実感的なポイントは6番ポイントは186mmになっています。
このいくつかの長さのポイントを持つシステムの関係で線路長を計算する時にはかなりの面倒臭さが発生しますし、何両編成だとどの長さが何本必要でホームが何個要るかは、2023年版のカタログだとP176の早見表をみないと簡単には分かりません。
また、ベースから線路踏み面までの高さがあるので、人形をおくとやけに線路が高い違和感を覚えますし、バラストを蒔いてより実感的にしたいと思っても、なで肩の線路はやりにくく閉口します。
KATOシステムで線路を引き回す大型レイアウを作成する場合、融通性のなさから、まずフレキシブル線路を兼用しないとできません。
そうでなければ、端数線路作りのプロになる覚悟が必要です。
Tomixの線路は接続部の融通が利くので美郷山鉄道の高架駅のように13.5°に振る芸当が出来ます。
さて両渡り線関連はTomixのFine Trackを使うのを前提にしていますけど、KATOでも同じような構造ですのでギャップ切り&フィーダー付けには共通性があります。
・両渡り線のフィーダーの付け方
上図のようなプランは、両渡り線(以下:ダブルクロス)を使った駅付近ではよくあって、模型とした時のギャップの切り方、フィーダーの取付方を標準的な考え方によって付けると上の図のようになります。
ダブルクロスを使って、複線の反対方向へ列車を進入させて折り返し運転をさせるという場合には列車が左から右へこういった進入をしてきます。
青線からピンク線に列車を入れようとするときは、赤いフィーダー3箇所を同じキャブ側へスイッチを切り替えますが、意外とポカするのが真ん中赤矢印のフィーダー部。
ダブルクロスと駅の分岐を繋ぐだけのための短い区間なので切り替え忘れがちで、停まるかショートさせるかということになりがち
そんな、危ないトラブルは無くしてしまおうということで、駅のホームへ振り分けるポイント部分のギャップを取り去って真ん中のフィーダーもやめてしまって、各ホームのポイントを切り替えることで各ホームのフィーダーからダブルクロスまで電気を供給しようということ。
こうすると、列車運転士は停めようとするホーム、ピンク線のスイッチを自分のキャブに切り変えるだけで(もちろんポイントも切り変えるけど・・・)目的のホームに進入できる訳です。
ピンク線側からも同じことできますが、ピンク線から青線に入る場合、駅を出て一旦ダブルクロスをまっすぐに渡り終えてから青線に渡るようにポイント切り変えてバックする必要がありますので、ピンク本線を止める時間が増えます。
なら、ピンク本線を塞がない線路配置はというと・・・。
上の図のように引上げ線を設けてピンク線の副本線を内側にします。こうすると副本線から本線を塞ぐこと無く引き上げ線に行けます。
この線路配置は、美郷山鉄道の「光前寺早太郎温泉」駅のプランに近くなってます
・3Wayポイントの「完全非選択式」化
KATOに無いポイントとして3Wayポイントがあります。美郷山鉄道にも何個か使っていまして、このポイントは140mmの長さで、3方向に車両を振り分ける優れもの。
有効長を稼ぐためにも欠かせないポイントです。
「完全選択式」となっているので、令和時代のギャップレスレイアウトを作っている方には、便利な方式です。
取説から、その電気信号の流れ方を見てください。レールには、列車の通過方向にしか電気が導通しません。
これは、これで良いのです。
しかし、美郷山鉄道が使用している部分は万一にでも不導通が発生すると取り替えが大変にめんどくさい場所に使っていますので不導通のリスクを抑えたいところ。
昭和時代の手法であるギャップを切って区間毎にレールに電気を送っている美郷山鉄道では、3方向分かれた先のギャップを切ってしまうので、「完全選択式」でなくて「完全非選択式」のほうが、電源供給の面で安定します。
「完全非選択式」というのは、上記取説と違ってどう切り替えてもどの線路にも電気を供給する方法で、KATOのポイントではそれが一部のポイントで出来るようスイッチが付いています。
Tomix 3Wayの場合はちょっと加工して「完全非選択式」にします。
やり方は、3方向に分かれたレールと、根元のレールをエナメル線で繋げるだけ。
上の写真を見れば一目瞭然。0.4mmのエナメル線の被覆を剥がして、各レールにハンダごてでコンタクトします。
こうすることで、どの方向に切り替わっても常にレールに電気が供給されるので、ポイント切り替えによる導通不良は100%発生しません。
加工後の表側はこんな感じ、あえて近寄らない限りハンダ付けの部分は目立ちません。
道床への穴は、1.1mmの細いドリルで開けますが、
その時の注意点
・道床の接続部と干渉させないこと
・ポイントの基板部を傷つけないこと
・ポイントの可動部付近に長時間ハンダごてで熱を加えないこと
被覆を剥がしたエナメル線は、先端をペンチなどでできるだけつぶしておきます。そうしないと、うまく穴に入らないですからね。
そして、空けた穴に、先端を丸めたエナメル線(銅線) を通して、ハンダ付けします。同じようにして行けば完成。
この方法で行えば、エナメル線をイチイチ切って入り側と出側の2本をハンダ付けする必要がないので、3Wayの工作時間は30分以内で済みます
出来上がった後は、テスターなどで導通していることを確認出来れば、レイアウトに取り付けます。
後は、SLなどを通過させて脱線しやすいところがあったら、ヤスリなどで調整すれば、フライホイール効果のある現代車両は、徐行しながらユックリ渡り線を通過!
無敵の3Wayが出来上がります。
2,3年前の内容でしたので少し表現をわかりやすくして再録しました。
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