今の世の中、パソコンが使えないとなかなか仕事もやりにくい。私はまあまあ使えてるかなと思っている。

薬局も、処方箋を受け付ける事から、記録(薬歴という)や薬袋から説明書、領収書まで全てレセコン(レセプト(診療報酬明細書)を作成するコンピュータ)と呼ばれるパソコンで行う。

私の店舗では薬歴だけは薬品名が印刷されたところに手書きで記録する。他の店舗では、電子薬歴と言ってパソコンに入力する。

ある時、駅前の店舗の管理薬剤師の松下くんに、

「私は、誤字脱字しちゃって、もう電子薬歴は出来ないかもねぇ~」

と言ったら、

「野ばら(私のこと)さんは、大丈夫だよ~。林さんなんかすごいよ」

と言われた。

林さんは、確か、まだ、40代のパートの薬剤師だったと思う。

「何がすごいの?」

と聞くと

「もう、暴走族みたいなことになってて、こんな事書いてるんだろうなと必死で読むねん」と。

暴走族?  

どういう事?

松下くんはそれ以上言わなかった。


数日後、テレビでドラマを見ていると「夜露死苦」の文字が目に入ってきた。

あっ!

そういう事らしい。

漢字だけでなく、カタカナも混じってぐっちゃんぐっちゃんに変換されたまま、完了しているらしいのだ。

これ、本人じゃないと画面を触れないことになっているから、直せないのだ。

林さんは一身上の理由で先日退職した。でも、レセコンの中の夜露死苦は残り続ける。