続いて、近所の病院の皮膚科の医師の話。

昨年の3月で、ある塗り薬が製造中止となった。そして、発売中止となるが、それから1年間は経過措置期間として処方出来るお薬だった。

そのお薬は、皮膚の表在性化膿性疾患や褥瘡の感染制御に用いられていた。この医師は、まさに傷や褥瘡に多用していた。

この近隣には特養やサ高住もあること、代わりになる同じような薬がなかなかないため、困るだろうと判断して、出来る限り仕入れておいた。そう考える薬局は多くあったようで発売中止となる3月になる随分前に仕入れられなくなった。そして、病院の方にも、しばらくは在庫がある事を伝え、病院側も医師に伝えてくれるという事になっていた。まあ、医師に意向を聞かなかった私も悪かったのだが、その皮膚科の医師は、4月になった途端にぴたりとそのお薬を処方しなくなった。

本当にぴたりと。

それでも、必要な患者さんがいないのかと思っていたが、ある日、患者さんの家族が言った。

「前に使っていた〇〇っていう塗り薬ね。製造中止になってもうないから、同じ効き目の△△にしますと言われたの」

と一言。

えっ!

ちゃんと伝わってないの?

ただ、△△が〇〇と同じような薬なら、そちらを採用したのかと考えるが、全く違う!△△は軟膏基剤(軟膏剤などの製造に際して使われる賦形剤)であり、皮膚の保護剤として使うもので、殺菌するための薬は入っていない。浸潤しているところを乾燥させる時に使うことはあるとは思うが、なんだこれはと理解出来なかった。

確認しようにも、当然、医師はすでに不在で、病院に疑義照会し、来週でいいので返事が欲しいとお願いし、〇〇の在庫がある事をもう一度伝えていただくことにした。病院もちゃんと伝えているがもう一度、確認すると言ってくれた。

1週間後、正式な返事はなく、これでいいそうですとの事だった。それから、もうすぐ1年になるが、同じように患者さんには、〇〇がもうないから同じ△△と説明し、全く処方しない。

必要ないなら良い。

でも、同じじゃないから!