ビジネスIPR技術分科会のBLOG

月に2~3回土曜日の朝9時から新宿のSegafredo新宿3丁目店(http://r.tabelog.com/tokyo/rstdtl/13017368/ )で勉強会(朝会)をやっています。

勉強会では技術に関する新しいトピックを参加者それぞれが持ち寄って発表する形態をとっています。

題材は電気でも素材でもエネルギーでも薬学でもバイオでも何でもOKです。

世話人がバイオ出身なのでそちらに話題が偏るきらいはありますが。

ネタがなくてもOKです。

メーリングリストはhttp://groups.yahoo.co.jp/group/tech_wg/ ですのでご興味のある方はご参加ください。

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7月勉強会予定

おはようございます。世話人です。今月は5日、19日に勉強会やります。 5日はPost Issue分科会とジョイント(間借?)で行います。 http://ameblo.jp/bipr-postissue/ 19日はいつものSegafredo新宿3丁目店(http://r.tabelog.com/tokyo/rstdtl/13017368/ )で朝10時からやっています。 テーマは先月に引き続き「エネルギー問題をどうやって解決するか」です。 セルロースからエタノールを作るという話を今いろいろ調べているんですが、なかなか面白いです。

朝会てこ入れ

こんにちは、世話人です。

われらが技術分科会、ちょっとだけてこ入れします。


1.朝10時からにします。

2.月ごとのお題を決めて、それに対する情報をそれぞれがそれぞれの得意分野からネタを持ってくることにします。


と言うわけで6月のお題は「エネルギー問題をどうやって解決するか」です。

6月は7日と21日にいつものSegafredo新宿3丁目店(http://r.tabelog.com/tokyo/rstdtl/13017368/ )で朝10時からやっています。


朝会080510

5月10日の朝会は世話人が受けているがん情報ナビゲーターの内容をシェアしました。

題材としてはがん対策基本法と疼痛管理について。

それは技術か?と聞かれるとあやしいところですがw。

次は24日に行います。

ご興味のある方はいつもの場所でどうぞ。

がん情報ナビゲーター養成講座(2日目-2)

がんの治療戦略概要


がんの疾患観念はコントロールを失い無制限に増殖する細胞の集団で、正常組織との明確な仕切りを作らずに浸潤的に増殖し、身体の他の部位へ広がるという転移性を持つことである。がんは分裂の際に起きたエラーの蓄積でありそれぞれの人で異なる性質を持つ。がん細胞は無制限に増殖し生体を消耗、正常組織を置き換え臓器機能不全に陥れる、異常な内分泌により生体機能を妨げる、等の作用により多臓器不全、全身衰弱を引き起こし生体を死に至らしめる。

がんの進行度を確認し、治療方針を決定する上で病期診断を行う。病期診断には、原発巣の状況(T(Tumor)因子)、リンパ節への転移の状況(N(Node)因子)、遠隔転移の状況(M(Metastasis))の3つの因子があり、この3つの因子により、がんの進行度を大きく6期(潜在がん、0~Ⅳ期)に分類する(がん種によっても細分化される)。

がんの治療は手術、化学療法、放射線が3本の柱である。現在でもがん治療においては手術が最も効果的な方法でありがん患者の約40%が手術による治療を受けている。また手術は治療(完治)のみを目的とするわけではなく、予防、診断、病期分類、寛解、リハビリテーションを目的としても行われる。手術によるがんの予防としては、前がん病巣を持つ人々へ対するもの(皮膚、結腸、子宮頚部)、基礎疾患あるいは遺伝子異常、発生異常を有するために発ガンのリスクが高い人々(潰瘍性大腸炎、家族性乳がん、停留精巣)に行われる。がん治療の目的は当然第一はがんを根絶することであるが、それが果たせなくとも寛解、生命の延長を図りながらの症状の改善、QOLの維持をさまざまな治療法を単独、あるいは組み合わせて行い恩恵を受ける機会を最大にすることを目指すことである。

放射線治療は治癒を目的として行う場合、緩和療法のために行われる場合に分けられる。解剖学的位置の関係で手術操作が困難な場合、増殖・進展が速く放射線感受性が高い腫瘍の場合、機能の保持を重視した場合、外科療法でも放射線療法でも治療成績に大差がない場合、患者の一般状態が悪く手術不能な場合、患者が手術を拒否した場合に治療目的の放射線治療を行う。またがん種によっては抗がん剤と併用して放射線治療を行う。術前の放射線療法はがんをできるだけ小さくして手術をしやすくするため、術後の放射線療法は手術で切除しきれずに残ったがん細胞を殺し、再発の可能性を下げるために行う。

緩和療法のために放射線が用いられる例としては、転移性骨腫瘍、転移性脳腫瘍、神経や血管を圧迫して起こす症状に対して痛みを軽減するために放射線を照射する例が挙げられる。

がん薬物療法とはがん細胞の増殖を直接的あるいは間接的に抑制しうる薬物による治療である。多数の薬物があり、それらを組み合わせた併用療法が行われ、臨床試験の結果に基づいた標準的治療が示されている。抗がん剤は細胞障害性薬剤、分子標的薬剤、ホルモン療法剤に大別される。細胞障害性薬剤はDNA合成阻害剤、RNA合成阻害剤、アルキル化剤、蛋白合成阻害剤、微小管機能阻害剤などがあげられ、細胞に直接作用し細胞を傷害する。分子標的剤はがん細胞増殖因子やその受容体、シグナル伝達の経路に作用し細胞の増殖を抑制、アポトーシスの誘導、血管新生の阻害等の作用を発揮する。がん薬物療法の原則としては、1.標準療法として確立されている、2.全身状態が良好、3.肝臓・腎臓・心臓などの機能が保たれている、4.十分な説明の上での合意、5.合併症によって慎重投与・禁忌となる薬剤もある、点を留意する必要がある。一般的には抗がん剤は投与量を増やすほど効果も上がるとされているが、効果と副作用の作用域が接近しており安全域が狭いため副作用の発現は避けられない場合も多いため、注意を払う必要がある。化学療法に期待される効果にはがん種によって大きく隔たりがあり、以下にまとめる。

1.治癒が期待できる(奏効率80%~)

化学療法単独で治癒が期待できるがん種であり、化学療法の使用が絶対適用となる。

・絨毛がん、急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病(小児)、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫(中高悪性度)、睾丸腫瘍

2.延命が期待できる(奏効率60~80%)

化学療法単独で治癒することは難しいが、大半の症例で延命が十分に期待できる。また、再発予防目的の術後療法や、集学的療法(化学療法単独ではなく手術、放射線療法等と組み合わせて行う治療法)がとられることも多い。

・乳がん、卵巣がん、小細胞肺がん、大腸がん、多発性骨髄腫、膀胱がん、非ホジキンリンパ腫(低悪性度)

3.症状の緩和が期待できる(奏効率30~60%)

 がん薬物療法単独で治癒は得られない。延命効果は得られるが、その割合は2と比べると少なくなり、症状緩和、QOL改善が重要な治療目的となる。

 ・前立腺がん、頭頚部がん、軟部組織腫瘍、膀胱がん、非小細胞肺がん、食道がん、胃がん、子宮がん、膵がん

4.効果の期待は少ない(奏効率30%以下)

 がん薬物療法の有効性は低く、延命効果も不十分。抗悪性腫瘍薬使用は臨床試験における実施が好ましく、実地医療の場ではその適応を慎重に検討する必要がある。

 ・悪性黒色腫、肝がん、甲状腺がん


 術前化学療法は手術不可能な広がりのあるがんを手術可能にすること、腫瘍を小さくし縮小手術をすることで正常臓器機能をできる限り保存すること、を目的として行われるが化学療法が無効であった場合治療が遅れ手術による合併症が増えるというリスクもありまだ発展途上の分野である。

がん情報ナビゲーター養成講座(2日目-1)

消化器がん(主に下部消化管)


下部消化管、特に大腸、直腸がんについて取り上げた。

大腸の壁は内腔から順に、粘膜、粘膜下層、固有筋層、漿膜により構成される。大腸がんは粘膜から発生し下層へ浸潤していく。

腺腫(ポリープ)からがんへ進行する場合と、腺腫を経由せずいきなりがん化するデノボがんとに分かれる。

大腸がんの発生にはAPC, K-ras, p53, DCC遺伝子などががん化、転移性の獲得などにかかわっているといわれている。

遺伝的素因としてはミスマッチ修復にかかわる遺伝子の異状により発生する遺伝性非ポリポーシス性大腸がん(HNPCC)、APC遺伝子の変異(常染色体優性遺伝)により発生する家族性大腸腺腫症が上げられる。遺伝性非ポリポーシス性大腸がんは、50歳より若年で発症、右半結腸に多く、子宮体がんなどの他臓器に併存することがあり、家族にこの傾向がある場合には大腸の精密検査が必要である。家族性大腸腺腫症は40歳で100個以上の大腸腺腫(ポリープ)が生じ(普通は多くても10個くらい)、発症年齢はポリープが15歳で60%、がんは40歳で50%程度、すべての症例で30歳を超えたら手術適応となる。

大腸がんの肉眼分類は0型(表在型)、1型(腫瘤型)、2型(潰瘍限局型)、3型(潰瘍浸潤型)、4型(びまん浸潤型)に分類され、いわゆる早期がんとは0型のことをさす。0型は隆起型(Ⅰ型)と表面型(Ⅱ型)があり、さらに前者は有茎性(Ⅰp)、亜有茎性(Ⅰsp)、無茎性(Ⅰs)にわかれ、後者は表面隆起型(Ⅱa)、表面平坦型(Ⅱb)、表面陥凹型(Ⅱc)に分かれる。陥凹型は悪性度が高いので注意が必要である。

大腸がんの罹患数は増加傾向にあり2015年には現在1位の胃がんを抜くと予測されている。大腸がんの発生は環境的因子の比重が多く食生活の急激な欧米化が罹患率の上昇に影響している。以前は欧米に比べ日本人の大腸がん罹患率は低かったが、最近では結腸がん、大腸がんともに日本人はアメリカの日系移民及び欧米白人とほぼ同じになっている。また大腸がん、結腸がん共に罹患率、死亡率は男性のほうが女性より高い傾向がある。罹患数は死亡数の約2倍でありこれは大腸がんの生存率が比較的高いことと関連している。死亡数は男性で肺がん、胃がん、肝臓がんについで4番目、女性では1番目である。

大腸がんの危険因子としては、遺伝的素因(5%前後)、大腸ポリープの既往歴、血縁者に大腸がんにかかった人がいる、長い間潰瘍性大腸炎にかかっている、難治性の痔ろうがある、があげられる。

大腸がんの病気(進行度)の分類にはデュークス分類、ステージ分類があるが臨床ではステージ分類の方がよく使われる。それぞれの分類を以下に示す

デュークス分類

 デュークスA:(5年後生存率:95%):がんが大腸壁内にとどまるもの

 デュークスB:(5年後生存率:80%):がんが大腸壁を貫くがリンパ節転移のないもの

 デュークスC:(5年後生存率:70%):リンパ節転移のあるもの

 デュークスD:(5年後生存率:25%):腹膜、肝、肺などへの遠隔転移のあるもの

ステージ分類

 0期:がんが粘膜にとどまるもの

 Ⅰ期:がんが大腸壁にとどまるもの

 Ⅱ期:がんが大腸壁を超えているが、隣接臓器に及んでいないもの

 Ⅲ期:がんが隣接臓器に浸潤している、又はリンパ節転移のあるもの

 Ⅳ期:腹膜、肝、肺などへの遠隔転移のあるもの

大腸がんの自覚症状としては血便、便柱細少(便が細くなる)、残便感、便秘、下痢、腹痛や腹鳴、腹部膨満や痛みを伴うしこり、貧血症状が上げられる。大腸がんの検診としては便潜血反応を行い、陽性だった場合には大腸内視鏡や注腸造影検査を行う。直腸指診も検診として行われるが肛門から10cmほどしか届かない点に注意が必要である。

大腸がんに対する治療法の種類としては内視鏡的治療、外科的治療、抗がん剤治療、放射線療法が挙げられる。内視鏡的治療の適応はリンパ節転移がないと判断された早期がんで、早期大腸がんの60%が適応になる。開腹手術に比べて切除部位が小さく出血や痛みも少なくが場合によっては追加手術が必要となる。出血(0.36%)、穿孔(0.2%)のリスクがある。外科的治療は大腸内視鏡で切除できない早期がんと進行がんに適応される。深達度、リンパ節への転移、遠隔転移(大腸がんは肝臓と肺に転移する傾向がある)の3つの状態に基づいて切除範囲を決定する。切除後は切除した前後をつなぎ合わせる、又は人工肛門を造設する。切除手術後は大腸の長さは短くなるが機能は維持される。がんの部位から腸管傍リンパ節まで除去するD1郭清、中間リンパ節まで除去するD2郭清、主リンパ節まで除去するD3郭清がある。腹腔鏡下手術は開腹手術に比べて傷が小さく、出血、痛みも少ないため早期の退院や社会復帰が期待できるが遠隔操作であることや、腹腔内での操作範囲に限界があることなど技術的な難しさがある。

大腸がん治療に於ける化学療法は再発を予防する(術後化学療法)、がんが取りきれなかった場合に大きさをおさえるといったことを目的として行われる。大腸がんでは手術によってがんをすべて切除したとしても17%は再発するためその再発を抑える目的で使用する。また、切除不能の転移、再発大腸がんに対して生存期間を延長させる目的で投与する。大腸がんに対する化学療法としては5-FU、ロイコボリン、イリノテカン、オキサリプラチン、UFT/LV、S-1、ベバシズマブ、セツキシマブ等があげられる(補足として各薬剤治療法を本レポートに添付する)。

放射線療法は手術にて取り去れる直腸がんに対して再発を抑えたり、人工肛門を避けるため(補助放射線療法)また再発した大腸がんにおける症状を和らげることを目的として行われる。

大腸がんの術後、ステージⅠで約1%、ステージⅠ(筋層まで浸潤)で約6.4%、ステージⅡで約13%、ステージⅢで約30%が再発する。術後3年間は3~4ヵ月に1度、4~5年の間は6ヶ月に1度検査をする(再発の80%は手術後3年以内に、95%は5年以内に見つかる)。検査は問診・診察、腫瘍マーカー(CEA、CA19-9)測定、胸部X線検査、PET、PET/CT、大腸内視鏡検査・注腸造影検査等を行う。大腸がんの腫瘍マーカーとしてはCEAやCA19-9が有名だが、大腸がんの早期発見には役立たず、進行性大腸がんであっても約半数が陽性を示すのみであり、また他のがんで発現する場合も多いため、転移・再発の指標、治療効果の判定基準として用いられる。


4,5月の朝会予定

世話人です。
朝会の予定を送りいたします。
4月26日、5月10日、5月24日にいつもどおりSegafredo新宿3丁目店
http://r.tabelog.com/tokyo/rstdtl/13017368/ の二階で9時からです。

がん情報ナビゲーター養成講座(1日目-3)

がん医療における緩和ケア(主として疼痛緩和)


緩和ケアとは

「緩和ケアとは治癒を目的にした治療に反応しなくなった患者に対する積極的で全人的なケアであり、痛みや他の症状のコントロール、精神的、社会的、霊的な問題のケアを優先する。緩和ケアの目標は患者と家族のQOL(Quality Of Life)を高めることである。緩和ケアは疾患の初期段階においてもがん治療の過程においても適用される」1989年WHO

抗がん剤治療に耐えられるようにするための癌性疼痛を管理する。全人的苦痛とは、身体的、社会的、精神的、霊的苦痛を指す。


痛み治療の目標

第一目標 痛み妨げられない夜の良眠。

第二目標 安静時に痛みが消失。

第三目標 体動時の痛みが消失。

第四目標 痛みの消失が維持され、平常の生活に近づくこと。


鎮痛剤の使用

軽度の痛みの際は非オピオイド鎮痛薬(NSAIDs、アセトアミノフェン)、中等度の痛みが出たらそれに弱オピオイド鎮痛薬を加え、高度の痛みの場合にはオピオイドを強いものに変える。(WHO方式3段階除痛ラダー)

鎮痛薬は経口的に、時刻を決めて規則正しく(血中濃度を維持する)、除痛ラダーに沿って、患者ごとの個別的な量で、その上で細かい配慮をするのが原則(鎮痛薬使用法の基本5原則)である。


オピオイドの副作用

便秘、嘔気・嘔吐、眠気が3大副作用である。モルヒネで意識がなくなるというようなことは適正に使用していれば起こらない。


オピオイドによる鎮痛の基本

オピオイドの定期的投与+レスキュー投与で、できるだけ速やかな鎮痛を追及し、痛みのない状態を維持する。良好な鎮痛が持続していても、それはオピオイドの反復投与によることを忘れてはならない。患者が痛みを我慢しなければならない時間は最小限に抑え、同時に安全かつ迅速に増量することが求められる。増量法としては基本処方に加え1日にレスキュー(1回あたり基本処方の1/6程度)で使用した合計量から基本処方に増量する量を決める累積増量法がよく使われている。


日本における癌性疼痛治療の遅れ

1998年の厚生省の調査ではWHO方式をよく知っていると答えた医師の割合は15%、2006年の日本ペインクリニック学会での発表ではWHOの鎮痛薬の基本5原則を聞いたことがない、聞いたことはあるが知らない、と答えた医師が47%に上る。

日本ではオピオイド(麻薬)に対する偏見、誤解が一般人のみならず医療者の間でも根強く残っている。また、根治を目指す医療に重点が置かれていたため進行がん治療が遅れ、腫瘍内科の確立が不十分であること、医療者の痛みの治療に関する知識・経験が不十分であること、緩和ケアの医学教育や卒後研修が不十分なことから癌性疼痛治療が遅れている。

オピオイドに対しては、麻薬は最後の薬なのでは、危険なのでは、中毒になるのでは、という誤解があり使用をためらう場面がある。しかしながらオピオイドの使用と病期は関係はなく、痛みを取ってQOLを向上させる薬であり、オピオイドによって痛みをとることで生命予後が改善したという報告もある。また適切な使用をすれば生命が脅かされることはないし、精神的異常(麻薬中毒)は生じない。

がん情報ナビゲーター養成講座(1日目-2)

「がん対策基本法」-患者が果たした役割と今後の展望


がん難民の社会問題化

日本では毎年60万人ががんと診断され、30万人が死亡する。初期治療の段階ですでに標準治療が受けられないという現実がある。国立がんセンター東病院に転院してきた患者に対する調査(20032月から2年間、78例)では標準的な治療を受けていた人は40%強にすぎず、60%近くの人は標準よりかなり外れる治療、害をもたらす可能性のある治療、評価不能な治療を前治療で受けていた。

また緩和医療、ターミナルケアが受けられない、寛解・治癒したとしても晩期障害、二次がんの不安に悩む人がいることが理解されていない。


「治療法がありません」

医者に「治療法がありません」といわれたときに、それが本当に現代医療の限界を示しているわけではない場合がある。保険制度等の問題(適応外、未承認薬)、その病院ではやってないだけ、その医師の知識、能力が不足しているだけで、積極的治療法がまだあるという場合もありえる。制度を見直し、ドラッグラグ解消、医療制度の見直し、医療者の養成が求められる。また本当に現代医療の限界であり積極的治療法がない場合でも在宅看護、医療連携、緩和医療の充実のような、普通の生活を続ける支援が求められる。


がん治療の臨床家の不足

今までは外科医ががん治療の中心であり放射線治療、抗がん剤治療、緩和療法を行う医療者の養成が遅れている。その患者に何が必要か、患者を中心とした多職種で考えることが必要である。


患者の声

未承認薬の問題に直面した患者らが厚生労働省に働きかけ、医療政策決定に患者の参加を訴えた結果、がん対策基本法で定めるがん対策推進協議会にがん患者及びその家族又は遺族を代表するものが参加することになった。

がん情報ナビゲーター養成講座(1日目-1)

CIN養成講座 オリエンテーション


がん情報ナビゲーターの役割

医療者(Supplier)と患者(Consumer)の間には著しい情報の非対称性があり、Consumerに情報がないことで正しい選択ができない、Supplierのモラルハザードを引き起こす、などの問題がおこる。患者を信頼性の高い情報につなぐこと(ナビゲーター)、必要に応じて他職種と連携すること(コーディネーター)がん治療環境向上のための啓発活動をすること、により医療者と患者の非対称を埋める存在としてのCIN(がん情報ナビゲーター)を養成するのが今回の講座の目的である。


抗がん剤(薬物療法の問題点)

・海外では標準治療として認知されているにもかかわらず日本では未承認の抗がん剤がある。(サリドマイド(骨髄腫)、セツキシマブ(大腸がん)など)

・日本において薬自体は承認されているものの適応症がないために保険診療内で使用できない抗がん剤がある。(ドキシル(卵巣がん)ハーセプチン(乳がん術前術後))

・日本において承認、適応症があるにもかかわらずすでに海外で標準的といわれている治療法が実施されていないこと。


緩和ケア(特に疼痛緩和)の問題点

今までは積極的治療で打つ手がなくなったら緩和ケアに移行するというケースが多かったが、治療の初期の過程から疼痛管理等の緩和ケアを始めることが望ましい。現状では緩和ケアの病院に移る際に予約がいっぱいで2-3ヶ月かかることも珍しくなく、これががん難民と呼ばれる人を生むことになっている。日本では疼痛緩和を目的としたモルヒネ使用はEUの約1/7、米国の約1/4程度であり、また医師のがん疼痛の治療法に関する理解も少ない。


緩和ケア(特に心のケア)の問題点

・がん患者(家族)の心のケアにあたる精神腫瘍学(サイコオンコロジー)が普及していない。

・そもそも精神腫瘍学(サイコオンコロジー)を専門とする精神科医が著しく少ない。

・心のケアをもカバーする緩和ケアチームを有する施設の数は数十施設でしかなく、実際には専門的な心のケアを含む緩和ケアは広く提供されていない。


がん患者さんが置かれている現状

一般書店で売られている「私は○○でがんを治した」的な本はほとんど科学的エビデンスはなく、○○療法を宣伝するための本であることが多い。またYahooGoogleのような検索エンジンで検索しても上位に表示されるのは上記のようなサイトであることが多い。必要なのは信頼性の高い最新の情報にアクセスすることである。


日本ではがん患者はがん情報弱者である場合が多い。「お医者様」という言葉が示すように医者は偉いものであり、その治療方針に異議を唱える、説明を求める、といったことは長い間なされてこなかった。特に高齢者では現代でもその状況に大きな変化はない。


認定がん情報ナビゲーター養成講座

NPO法人 キャンサーネットジャパン(http://www.cancernet.jp/ )の認定がん情報ナビゲーター養成講座に明日から参加します。

せっかく時間と大枚(16万円也)はたいて参加するのでちゃんとレポートを書いてアップしようと考えています。

ご興味のある方は朝会ででも聞いてくださいませ。


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