双極性障害の抑うつ状態において、抗うつ薬を使ってよいのか。
これ↓によると
気分安定薬+抗うつ薬→(半年後)23.5%が回復
気分安定薬+プラセボ(偽薬)→(半年後)27.3%が回復
(Sachs et al., N Engcj Med)
抗うつ薬を飲むよりも、偽薬を飲んだ方が回復率が高く、抗うつ薬を使う意味があるのでしょうか、という結果になっています。
双極性障害への抗うつ薬は三環系やSNRIで1.8倍、他の抗うつ薬で1.6倍 躁転のリスクがある。
(Allain et al.,2017 Acta Psychiatr Scand)
双極性障害と抗うつ薬の使用は急速交代化を招くという結果になっています。
双極性障害への抗うつ薬使用で希死念慮が生じることも。
(Akisukal & Benazzi,2006 J Affect Disord)
つまり、双極性障害に抗うつ薬を使うと
躁転のリスクは高まり、急速交代型になり、希死念慮を招くかもしれず、抑うつに効くわけではない、と言えそうです。
ただ、中には抗うつ薬が効く人もいます。ただしACID(賦活症候群)と呼ばれる持続的なイライラになるリスクが9.9倍にもなります。
(Ei-Mallakh et al.,J Affect Disord.2008)
又、日本うつ病学会治療ガイドラインⅠ.双極性障害 では、抗うつ薬の使用に関し、「躁転や急速交代化のリスクを考慮すれば、抑うつエピソードに対して、抗うつ薬(特に三環系抗うつ薬)を単独で治療に用いることは推奨されない。」としていて、気分安定薬と抗うつ薬の併用においても「気分安定薬と抗うつ薬の併用治療の有効性に関しては、エビデンス・レベルの高い報告はされていない。」としており、抑うつエピソードの治療薬のまとめとして「抗うつ薬(特に三環系抗うつ薬)の使用は、議論が多いところではあるが、現時点のエビデンスからは推奨されない治療方法である。」と、抗うつ薬の使用を日本うつ病学会は推奨していません。
僕は、うつ状態でかなり苦しく、抗うつ薬の処方を主治医に懇願した時、主治医は「抗うつ薬を飲むことは、借金をしている人が、さらにサラ金に手を出すようなものなんだよ。」と言って諭された。
日本うつ病学会が推奨しているクエチアピン徐放剤(ビブレッソ)、炭酸リチウム(リーマス)、オランザピン(ジブレキサ)、ラモトリギン(ラミクタール)に頼って我慢するしかないのだと思う。
僕の主治医は、双極性障害の治療は、うつで沈んでいるのを持ち上げるのではなく、躁に早く気づき(バイポーラー(双極性障害)ワークブック(第2版)の「ステップ3 悪化させない」が役に立つと思います)、いかに躁を抑えて、うつにならないようにするかが、治療の鍵だと言います。なので、今の僕は躁転しないように、規則正しい生活と、少しでも躁かなと思ったら、主治医に伝えるようにしています。
抗うつ薬の主なものを参考までにあげておきます。かっこ内商品名。
・三環系抗うつ薬(第一世代)
アミトリプチリン (トリプタノール、ラントロン)
イミプラミン (イミドール、トフラニール)
クロミプラミン (アナフラニール)
トリミプラミン (スルモンチール)
ノルトリプチリン(ノリトレン)
・三環系抗うつ薬(第二世代)
アモキサピン (アモキサン)
ドスレピン(プロチアデン)
ロフェプラミン (アンプリット)
・四環系抗うつ薬
マプロチリン(ルジオミール)
ミアンセリン(テトラミド)
セチプチリン(テシプール)
ミルタザピン(リフレックス、レメロン)
・SSRI
フルボキサミン(デプロメール、ルボックス)
パロキセチン(パキシル)
セルトラリン(ジェイゾロフト)
エスシタロプラム(レクサプロ)
・SNRI
ミルナシプラン(トレドミン)
デュロキセチン(サインバルタ)
ベンラファキシン(イフェクサー)
なお、大抵の抗うつ薬の添付文書には次のように記載されています。
例えばサインバルタでは、「使用上の注意」の「1.慎重投与」の欄に「8. 躁うつ病患者[躁転,自殺企図があらわれることがある。]」と記されています。
なお、薬の服用量に関しては、主治医と相談の上調整してくださいね。
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