「漫画職人松村努の魂のブログ❗」
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「ねずみ小僧二代目参上!」さらに波乱万丈!


時代劇漫画に挑戦ということで
京都の「太秦映画村」まで赴き写真を撮り、スケッチをし、小道具を買い、ついでにテレビの撮影も見学して、

(昔訪れた時は「影の軍団シリーズ」の撮影で千葉真一さんと志穂美悦子さんのアクションシーンを見ましたが今回はなんと運が良いことに「八百八町夢日記」という隠密奉行とねずみ小僧がタッグを組んで悪を退治する時代劇の撮影のクライマックスが見られました。まさかのねずみ小僧ってスゴイ偶然じゃないですか?!)

たっぷり雰囲気を堪能して
千葉県の仕事場に戻り一気にネームを描き上げました。

とはいえ
僕が描く漫画はあくまでもお子様向けの
少年漫画、子供のおやつ代わりの愉快な漫画、真面目な大人の鑑賞に耐えうるものではなくて娯楽エンターテイメントが肝な漫画作品。
時代考証も大まかに元禄から享保くらいまでの江戸文化盛んな頃ではあっても普通にセリフに現代語が出て来るくらいのユルい世界観。
(この感じは神様手塚治虫先生の「火の鳥」等の世界観を参考に、先生も伝記作品とは違うエンターテイメント主体の作品ならば細かいところは「漫画なので目くじら立てて気にすることでもないでしょう。」という感覚で周りのクレームも捌いていたとか聞いたことがあったので)
しかし連載がスタートしてみると
思ったよりも反響が良くて
担当編集と僕と2人は
自信満々の作品でしたが、
編集会議ではまず1回目はあくまでも読み切り作品として発表して読者の反応次第で
連載に!という慎重な感じだったので
この好評で2回目以降も続くことになりました。


この作品は当初の予定では
単行本化する予定だったので
1冊分のページに足りるまでとりあえず連載という話でした。好評ならば2巻分という感じです。

そしていよいよ
単行本分のページまであと1話か2話というところで小学館内のかなり大きな人事移動があり、特にサンデーはさらに言うと増刊号はほぼ全員編集長から編集者部員まで新しく入れ替わりました。

増刊号という雑誌自体のコンセプトも
大幅刷新ということになり当時のビッグネーム作品以外全て連載終了となりました。

もちろん「ねずみ小僧二代目参上!」もです。

「単行本化の約束は?」とかなりいろいろな方にお願いしてみましたが
「それは前の編集長と前の担当編集者との約束でしょ?」と新しいスタッフには全く相手にされませんでした。

結局「ねずみ小僧二代目参上!」は未単行本作品となり自信作ではありましたが
封印されることとなりました。

仕方なく学年誌の付録漫画や雑誌内のイラスト等の仕事で繋いで次の展開を考えている時に「ねずみ小僧」の担当編集者さんから連絡があり、紹介したいヤツがいるから」と呼び出された所に
その編集者さんと同期の人でコロコロコミックでたくさんの連載作品の担当をされていた人がいました。

「松村さんの『ねずみ小僧』大好きで毎回読んでました。松村さんはサンデーよりも絶対コロコロの方が向いてると思うんですがコロコロコミックに興味ありませんか?」

と言われて
コロコロコミックと言えば僕が小学生高学年の頃に創刊してむちゃくちゃ読んでいた雑誌、ある意味子供の漫画体験の登竜門、
下手をすると僕の漫画がきっかけで漫画に目覚める子供が誕生するかもしれないという、
まさに僕が理想とする
「子供の為の漫画、おやつとしての漫画、生きていくのには必ずしも必要ではないがあったら確実に子供の成長過程で心を豊かにするおやつやおもちゃのような漫画作品。」
そんな作品を創れるかもしれない場所からのお誘いを断る理由もあるわけ無く
速攻引き受けました。
そして後に僕のキャリアで1番の代表作品が生まれることになるわけです。

どんな依頼であっても全くの未知の分野であっても
自分の個性でキチンと面白い作品に落とし込むということがプロの仕事であるということを尊敬崇拝する漫画家の先生たちに教わり、唯一漫画作品の作り方を教わり作品そのものの影響も色濃く受けた師匠吉田聡先生の作品のページ構成やギャグの挟み方等の技術面を実戦で鍛えることになった連載作品が
「ねずみ小僧二代目参上!」です。

この機会に全話同人誌にして世に出してあげたいと思っています。










改めまして「ねずみ小僧二代目参上!」という作品を語る前に。


今回 初めての同人誌制作に挑戦するということで題材に選んだ「ねずみ小僧二代目参上!」という作品なのですが、
この作品が誕生した流れからお話させていただくとこんな感じ。

少年画報社が少年誌を出さないことになり新創刊する青年誌に移籍しないか?というお話を『まだ少年誌で少年漫画で何も結果を出していない』と生意気なことを言って出版社と袂を分かち、
新作一本描いて持ち込みという形であちこち回り
運良く採用していただいた小学館で描き下ろし原稿をそのまま連載第1回として週刊少年サンデーで1991年早々から鳴り物入りで連載させていただきましたその作品がこの「PATI-PATI」。


その連載開始して数回したところで
編集部の上の方からの指示で
「もう数回で『うっちゃれ五所瓦』(当時大人気だった高校相撲部漫画作品)が終わるのでそのまま学生相撲での作品の人気を引き継ぐ為に松村くんの作品を相撲に展開してくれないか?」と言われました。

そもそも僕の作品「PATI-PATI」は
関東の高校が舞台で関西出身の最強巨漢ヤンキーが主人公で、そいつを嫌う関東番長連合の総長が賭けた賞金を目当てにいろんなクセものヤンキーたちが代わる代わる襲って来る中、1人の賞金稼ぎの男といつの間にかコンビになって連合とやり合うアクションコメディという当時のサンデーには無い作風が売りだったのですが、
上の指示と言われて
当時まだ22.3のしかも他社から移籍して来た若造に「従わない」という選択肢は選べる訳も無く
一生懸命展開を「訳あって相撲部のメンバーとして相撲大会に出ることになった主人公たちが他校の強豪相撲部や賞金目当てで大会に参加して来たクセものたちと闘いながら大会がハチャメチャな展開になって行く」というものにしました。

が、
それがなんと!!
うっちゃれ五所瓦は終わるどころか
さらに話が盛り上がり連載はどんどん延びていくではありませんか!!!!

結果、普通に集まり始めた作品への
支持は急落して11回で打ち切られてしまいました。

編集部で最後の回の打ち合わせの時に
最後回を告げに来た編集長に
(連載打ち切りや雑誌休刊等はだいたいどこの出版社も急に打ち合わせに偉い人が現れます)
言われた『確かに話の展開を変えて欲しいとは言ったけど、松村くんもやりたいことがあったならもっと強く言ってくれないと……結局作品は作家のものなんだからさ!」という言葉を今もハッキリ覚えています。

そこからの僕は
どの編集者の方からも拘りの強い
頑固な作家と言われるまでになりました。
それはもちろん作品の中の表現等のことに限りますけど。

そして連載終了してしばらくは
次の作品のことを打ち合わせする日が
続いていましたが、担当編集者さんが
新しく創刊する少女漫画雑誌の方に移動になり、その方から後輩の編集者さんを紹介していただきました。

そしてその方から
「松村さんに泥棒が主人公の作品を描いて欲しいんですが、ルパン三世やキャッツアイみたいに颯爽とカッコ良く活躍したかと思いつつドロンボー一味のように報われないコメディ作品を!」という依頼を受けて、
「それは初めて描く題材になるから
挑戦してみる価値がある!」
とすぐに引き受けましたが、
すでにサンデーには青山剛昌先生の
『怪盗キッド』という作品もあったので
作品の雰囲気が被って痛い目を見るのは
『PATI-PATI』の時で懲りたので
「いっそのこと全く雰囲気も舞台も違う時代劇漫画にしてしまおう!ならば自分の個性が出せる」
というわけで早速ネームを描いて打ち合わせをして、新幹線で京都に向かい地元にいた頃に行った「京都太秦映画村」に時代劇の空気を浴びに行きました。

続く。






アナログ漫画描きの令和の同人誌制作チャレンジ!

前回から引き続き、

なんだかんだと能書きたれる

典型的な昭和アナログ漫画描きジジイが

今さらながら1から同人誌制作の勉強を

するにあたって

すでに何から始めたらいいかさえも

二の足を踏んでいたのは2026年に入ってから。



令和に入り

ソフビ制作販売というチャレンジを

始めたおかげで今までとは違ういろいろな

方面の自分が知らなかったことを知っている人たちと知り合い、

ソフビ制作のことをいろいろな方に聞いて勉強したりしていると、

その中に同人誌制作をしたことがある人やソフビの宣伝の為に同人誌を制作してソフビのキャラクター解説をしている方もけっこういることを知りました。


僕も以前過去作品で単行本化されてない自分の漫画作品をどうにかして世に出したいと考えていた時期があり、

一度同人誌制作への興味があったことがあり制作してくれる印刷屋さんを探したことがありました。


現在ソフビ関連のものをいろいろ印刷してくれる印刷屋さんはうちから2分くらいの場所に見つけた際も

漫画の印刷や製本が出来ないか聞いてみたところ簡単なパンフレットは作ってますが漫画の同人誌は製作したことがないということで仕方なくまた他を探さないとなと思ったまま特に急いで探すこともなく

しばらく考えない時間が過ぎ、

改めてソフビイベントの時にふと思い出して同人誌を作っているディーラー参加者の方に良い印刷屋さんが無いかも含めて聞いてみたりしたのですが、


興味を持っていた頃から数年経っていて

その間何も勉強したりして来なかった間に

状況は一変してました。

生原稿さえあればいつでも印刷屋さんで

本は作ってもらえると思っていましたが

令和も数年経つと同人誌はすでに生原稿どころかパソコン用にデータ化されたものしか扱ってもらえないということを聞かされてショックを受けました。


まさに浦島太郎状態!


家電製品を大事に大事に使っていて

数年後に致命的に壊れてしまい

電気屋さんに代わりのものを買いに行ったら家電製品がかなり進化していて

自分たちが使い慣れたものはすでに骨董品レベル。

改めて最新製品を購入して1から使い方を覚えるのに四苦八苦するというように、

同人誌制作を取り巻く状況も

漫画を描く人が急激に増えたこととそのほとんどがデジタル製作による漫画作品ばかりという状況が故に劇的に変化、進化していたというわけです。


で、生原稿から制作してくれる印刷屋さんは今や絶滅寸前で下手すれば他県に大事な原稿を郵送しなければいけないという

ことがわかって、

パソコンも持たずスマホひとつで現在のソフビ制作に必要な作業を賄っている僕にはまずデータ化することが大変な壁になりました。


結果、またまた同人誌制作計画は頓挫して時間だけが経ち自分の過去作品の復活は

ほとんど諦めていました。


そんな流れからさらに時間が経ち、

自分の代表作品「BiNGO!!」が連載開始30周年をきっかけに自作の「BINGO!ソフビ人形」を作って販売して改めて読者の方々と接しているうちに

今の身体で新作の漫画作品を執筆したいと思い始めました。

今なら昔ほどではなくても

キチンとした漫画原稿が描けるんじゃないかと思うようになってきました。


しかし描くのは良いが描いた作品は

どうするのか?

Xやインスタグラムに載せてたくさんの人に見てもらうことは可能ですが

それでは一瞬誰かの目に止まるくらいで

形には残りません。


なのでここで改めて

もう一度同人誌制作計画にちゃんと着手することにしました。


まずは体力的なことでの原稿製作の段取りと同時に新作ソフビ作品の粘土原型も作りたいということでいろいろ制作スケジュールを立てながら、

改めて漫画原稿を描き上げた後に

どこで印刷と製本をしてもらうか1から調べ始めました。


しかしというかやっぱりというか、なかなか条件に合った印刷屋さんは見つからずそうこうしているうちに

制作時間がどんどん無くなっていくので

とにかく新作漫画作品のネーム制作と

新作ソフビ作品の粘土原型製作を同時に進めていました。


そして3月の頭のソフビイベントのすぐ後にとんでもなくラッキーなことが起こりました。


うちから直線ですぐに行ける距離に

新しい印刷屋さんが出来たのです。


なんとそこはパソコン用データがあれば

直接お店に行かなくてもデータの転送で

製本してもらえるばかりか、

原稿のコピーがあれば多少の画質の問題等ありますがまずは読めるものであれば良いということならば製本してくれるお店だったのです。


コピー原稿で同人誌が作れる!


同人誌の理想の完成形がどういうものかは

まだまだ情報が足りない段階でしたが、

まずはそれっぽいものは作れる、

いろいろなノウハウがこれでわかる、

そう思ってすぐに製作をすることにしました。


で、新作漫画作品をお願いする前にまずはテスト製作として過去に描いた作品で先に一度同人誌を作ってみようと考えて

「ねずみ小僧二代目参上!」という20代の頃の作品で単行本になっていなかった作品で同人誌を作ってみることにしました。


小学館で再デビューを果たして始めた週刊連載が11話で見事に打ち切られて

少年サンデー増刊号という月刊誌に

場所を移して始めた連載作品が

「ねずみ小僧二代目参上!」です。


新しい編集者さんの依頼で

「ルパン三世やキャッツアイみたいな泥棒が主人公でタイムボカンシリーズみたいな

毎回報われないオチのコメディ作品」

というものを描いて欲しいということになり、

でもすでに同じ雑誌で以前

青山剛昌先生の怪盗が主人公の作品があったので被らないようにする為に『時代劇漫画』という内容で連載を始めた作品です。


今読むと24歳でのまだまだ拙い作品なんですが後の「BiNGO!」に繋がる技術面での要素はすでに感じますし、

この作品を読んでくれていたコロコロコミックの編集者さんがコロコロでのお仕事を

持って来てくれたという僕にとっては

愛すべき作品です。


今後新作漫画作品を描いて

世に出す為にもまずはその方法のひとつとして一度同人誌制作を経験するということで、この「ねずみ小僧二代目参上!」を連載作品2話分のコピー原稿で製本をお願いしました。


ビックリするほど費用も制作日数も

自分の予想を上回る良い方向で進んで行き、今まで散々悩んで時間ばかり無駄使いしていたのは何だったのかと思うくらいすんなり本は完成しました。


テスト製作というか初の同人誌ということでこれが正解かどうかはわかりませんが一応手に取って読めるものはできました。

印刷屋さんには本当に大感謝です。


まずはこの作品を世に出して

誰がどういう反応を見せてくれるのか

全く反応が無いのか今からハラハラドキドキバクバクですが、できれば「ねずみ小僧」だけでも全話本にしたいですし

可能ならば他の未単行本作品も製本したいという思いがどんどん膨らむばかりです。


しかし最終的な目標は今の自分が描く

新作漫画作品の本を誰かに読んでもらうということ。


身体的にも年齢的にもあまり悠長に

構えている時間はありませんし

今のラッキーな状況もいつまで続くかわからないのでとにかく時間を無駄にせず

頑張っていこうと思います。


まずは100部作った初の同人誌を

どうやってお届けするか思案中です。








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