漫画描き松村努のキャラクターは喋る。
わたくしはあくまでも
漫画描きの端くれとしていつも自分の気持ちを
ここに記しております。
漫画描き脳で話しております。
そんなわたくしがなんにも無いところから
キャラクターを創造するということは
おそらくデザインを専門にやられている方や
イラストを中心に仕事をされている方たちの
キャラクター制作とは少し違っていると思います。
ゲームをするためのキャラクター、マークのためのキャラクター、宣伝用の着ぐるみのためのキャラクター等々
目的によってデザインのコンセプトも出来上がって来た物もいろいろ違うと思います。
しかし「漫画」のキャラクターは
何よりストーリーを動かすための登場キャラクターなので見た目が完成して終わりじゃなくて
その性格やしっかりしたプロフィールまで合わせて考えないといけません。
これは二十歳の上京したての僕が
最初にキチンと教わったことです。
デビューが決まって上京してすぐのことアシスタント経験が無く「師匠」と呼べる先生がいない僕は
担当編集さんにいろんな作家の方の仕事場に連れて行っていただきその場でいろんな指導を受けたりしました。
その最初の訪問先が「湘南爆走族」の吉田聡先生の作業現場でした。サンデーでの短期連載を終えたばかりの作業場で担当編集さんに紹介していただきました。
そしてそこで教わった漫画制作の仕方が今でも
僕の漫画描きとしての骨になっています。
(なので先生本人に許可を得て“師匠”と呼ばせていただいています🙇)
ものすごくたくさんいろんなことを教わった中で
今回の話の最初の「キャラクター創り」の吉田先生流のやり方とは、(まずは漫画の場合)物語の舞台設定に合わせて主人公を始め数人のキャラクターが、それぞれ何をやらせる為のキャラクターかによって見た目のデザインも内容や意図が違ってくるのですが、なるべく最初はどのキャラクターもシンプルにデザインしたらそのキャラクターのプロフィールをびっしり細かく決めるということ。簡単に言うともう履歴書を作ってしまえば良いということ。
必要な主要キャラクターの履歴書がそれぞれ出来たら
物語の場面場面でどのキャラクターをそこに配置すれば
1番場面が面白くなるかをシミュレーションしてみると
もうキャラクター同士がそれぞれ取るべきリアクションをしてくれてもうどんどん話が展開して行くということ。「このシチュエーションならこのキャラクターはこういうリアクションを取る」の組み合わせで面白い展開はもう半分以上出来ているということ。
神様『手塚治虫』先生が考えた「スターシステム」に近いやり方だということでした。
それからずっと僕の漫画作品は
コミカライズ作品でさえ全てこのやり方で
描いて来ました。
で、今のソフビ制作におけるキャラクター創りにも
そのまま同じやり方でキャラクターを創造しています。
「怪獣キャラ」にしても「ヒーローキャラ」にしても「可愛らしいキャラ」にしても「鬼瓦ソフビ」に至っても「鬼瓦の中に封印されている鬼」というキャラ設定をすでに創ってあります。
なので完成したソフビを使って
購入してくれるお客様に向けた遊びの1つとして
4コマ漫画のようなショートストーリーを写真で
X等に挙げたりしていますが、
僕にはそれぞれのキャラクターがしっかり性格まで
完成しているので出てくるセリフもポンポン出て来ますし、なんなら声優さんの声みたいな感じで喋って聞こえて来ます。
(たまに許可を得て他のメーカーさんのソフビをコラボとして使用させてもらう時は簡単なキャラ設定等をお聞きする場合もあります。😆)
そうすると
カラーバリエーションを増やしたり
カスタムペイントしたりする時も面白い完成予想図が
ポンポン出て来ます。
やはり僕が描く漫画作品や登場キャラクターも
ソフビのキャラクターも基本的に手にしてくれる人に
いかにたくさん楽しんでもらうか、ということの為の
工夫や楽しみ方を考えて「共感性」を1番にこれからもしっかり創っていきたいと思います。