12月12日 金沢八景の今昔探訪(2)金沢七景と夏島の巻き(1/4回) | Cycling Wonder

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プレスポで行く神奈川の道

横浜市金沢区の金沢八景を巡るポタリングの2回目の報告です。
1回目が長すぎて、忘れてしまいそう。

前回(1)では金沢全景と「称名晩鐘」を確認した。
今回は残りの七景確認と気になっていた追加ポイントを観た。
見所がてんこ盛り(多過ぎ)で最後はヨレヨレでした。
観光ポイントとルーティングは、いつも頭に覚えて走るようにしているのだが、
今回ばかりは、最後の2つ(内川橋、吉田兼好住居跡)が記憶から消えました。


報告はまたしても4回です。3回では収まりませんでした。
いつも長くて申し訳ない。
途中の回だけ見ても何となく分かるように振り分けてみましたので、気になる回を選んで頂いても構いません。
・1/4回=出発から円海山を越えて、手子神社へ(小泉夜雨)、そして円通寺客殿跡。
・2/4回=金沢八景駅前から金龍院、瀬戸神社(瀬戸秋月)、琵琶島(平潟落雁、州崎晴嵐)、姫小島跡、龍華寺まで
・3/4回=帰帆橋(乙舳帰帆)から野島を堪能して夕照橋(野島夕照)
・4/4回=見たかった夏島、予想外の貝山緑地、平潟橋(内川暮雪)から柳町、上行寺では記憶が飛んでた。帰り道。

本文は極々少なくして写真レポートをメインとする。


■金沢八景
金沢八景は、金沢の風光明媚な景色を「八景様式」で表現したもので、歌川広重の八連作の浮世絵「武州金沢八景」が有名です。
1834(天保五)年頃の制作なので、明治維新の30年前くらいになります。
・「洲崎晴嵐」(すさきのせいらん) ⇒琵琶島付近、塩田を背景に柳や竹が風に揺れている様子。
・「瀬戸秋月」(せとのしゅうげつ) ⇒琵琶島付近、満月に照らされた野島と料亭や瀬戸橋が見える様子。
・「小泉夜雨」(こずみのやう)   ⇒手子神社付近、神社付近の一本道に降る夜の雨の様子。
・「乙艫帰帆」(おっとものきはん) ⇒海の公園、小柴の岬から乙舳海岸に向かって帆船が帰ってくる様子。
・「称名晩鐘」(しょうみょうのばんしょう)⇒称名寺、夕暮れの寺の鐘の音と船の上で夕べの祈りをする様子。
・「平潟落雁」(ひらがたのらくがん)⇒平潟橋付近、平潟での潮干狩りと列を造り飛ぶ雁の群れ。
・「野島夕照」(のじまのせきしょう)⇒夕照橋、野島の漁村に夕焼けが映えている様子。
・「内川暮雪」(うちかわのぼせつ) ⇒内川橋付近、雪の降る切通しを過ぎ、内川が六浦の海に流れ込む所の様子。


■見所
★横浜つながりの森-円海山
横浜市の南西部、円海山周辺を中心とした、樹林や農地や河川などを総称して名づけた名前が”横浜つながりの森”。
瀬上(せがみ)市民の森、氷取沢(ひとりざわ)市民の森、横浜自然観察の森が中核となる。
別名を「よこはま南の森」とも言う。横浜市の北部にも同様の緑地帯(緑区三保(みほ)市民の森、新治(にいはる)市民の森)が残っており、そちらは「北の森」と呼ばれている。
どちらにも動物園があり、自然(森)+動物とのふれあいが可能となっている。
・北の森にはズーラシア
・南の森には金沢動物園

横浜市 環境創造局 横浜つながりの森-環境創造局
http://www.city.yokohama.lg.jp/kankyo/mamoru/tayou/tsunagari/
[PDF]「つながりの森」構想 - 横浜市
http://www.city.yokohama.lg.jp/kankyo/mamoru/tayou/tsunagari/pdf/ytgaiyou.pdf
横浜つながりの森散策マップ ダウンロード-文化観光局
http://www.city.yokohama.lg.jp/bunka/outline/miryoku/tsunagari-map.html

★手子神社(てこ)
http://www.yokohama-kanazawakanko.com/spot/institution/tera/tera021.html
釜利谷の総鎮守。
手子明神とも言った。
瀬戸神社の分霊を祀ったのが起源で祭神は大山祇命(オオヤマツミ)「大いなる山の神」
境内には千尋の谷から這い上がる子とじっと待つ親という、珍しい狛犬がある。

◆竹生島弁財天(遷祀)
http://www.townnews.co.jp/0110/i/2013/07/18/196421.html
寺の裏山の向かい側はすぐ海辺になっており、内海が埋立てられる前は小島があった。
竹生島(ちくぶじま)(琉球島)と呼ばれていて、弁財天が祀られていた。
1940(昭和15)年に帝国海軍航空隊関連施設を建設するため、弁才天は山の反対側の手子神社境内(拝殿左の岩屋)に遷祇(せんし)された。

★旧円通寺客殿跡
http://kamakura8.blogspot.jp/2013/10/blog-post_2.html
京急金沢八景駅の西側の小高い山を権現山と言う。
17世紀頃に円通寺が建立され、山の中腹に東照宮が祀られていた。
階段下に円通寺と客殿があった。
円通寺は明治初期に廃絶し、現在は東照宮は瀬戸神社に合祀されている。
この客殿跡が、京急金沢八景駅ホームから見える茅葺屋根の建物なのだ。
現在は一般住宅となっているため外観のみ見ることが可能。

※権現山
徳川家康を神格化した東照大権現(とうしょうだいごんげん)を祀る神社を”東照宮”と呼ぶ。
”権現山”と呼ばれる山は、東照宮と関連があると思えば良い。

※3つの権現山
金沢区内には”権現山”が3カ所ある。
①京急金沢八景駅の西側にある山。通称“権現山・お伊勢山”と呼ばれる。
②柴隊道の東側、海の公園なぎさ広場の北側で熊野神社がある山。
”小柴の権現山”と呼ばれ、海岸側の山麓に数百の桜があり見事だったらしい。
③朝比奈切通しの通る山。途中に熊野神社がある。

★金龍院  ⇒(2/4回)
◆九竜亭
◆飛石(金沢四石)
★瀬戸神社 ⇒(2/4回)
★琵琶島  ⇒(2/4回)
◆福石(金沢四石)
◆弁財天
★姫小島跡 ⇒(2/4回)
★州崎神社 ⇒(2/4回)
★龍華寺  ⇒(2/4回)
★帰帆橋  ⇒(3/4回)
★野島橋  ⇒(3/4回)
★伊藤博文別邸跡⇒(3/4回)
★野島展望台⇒(3/4回)
★掩体壕  ⇒(3/4回)
★夕照橋  ⇒(3/4回)
★平潟橋  ⇒(4/4回)
★夏島   ⇒(4/4回)
★貝山緑地 ⇒(4/4回)
★柳町母子像⇒(4/4回)
★上行寺  ⇒(4/4回)
◆上行寺東遺跡(今回未見)
◆萱の木
◆吉田兼好住居跡(今回未見)

 

■テーマソング
今回の走行中に頭を回っていた曲は?
★Hailee Steinfeld - Love Myself
https://www.youtube.com/watch?v=bMpFmHSgC4Q
↑YouTubeで見つけたノリの良い曲、なんと19歳の女優さんでした。
ヘイリー・スタインフェルド(Hailee Steinfeld, 1996年12月11日)は、USAの女優である。
ちょっとアジアンな感じがすると思ったら、祖母がフィリピン系だそうだ。


■マップ
(1)全体

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(2)金沢八景駅周辺

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(3)よこはま南の森

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■実走報告
(01)出発
08:50に家を出る。
今回も前回同様おまじない撮影は、岡津交差点です。

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不動坂の交差点を通過したらすぐバス通りを離れ裏道で舞岡方面に向います。
港南台までは先週と同じ道なので、途中で道草を食います。
川沿いの道が走りやすくなっているのでちょっと遠回りで走る。
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最近見たブログによると、江ノ電江ノ島駅前にある通行規制ゲートの小鳥装飾にはサンタの服が着せられていた。
舞岡川にも同じ小鳥装飾があるのだが、こちらは何も着ていない。しかも3つもあるのに。不条理だ。
何となく中国の都市戸籍者と農民工ぐらいの差を感じる。
と言うか、江ノ島駅前の小鳥装飾に服を着せる感覚がどうかしていると思う。(^。^;)

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(02)瀬上市民の森
09:40、環状3号線のひよどり団地入口交差点に到着。

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↑港南台5丁目交差点を左に曲がると環状3号線です。
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↑ひよどり団地入口(港南台にある団地は鳥の名前がついている)

ここから、団地の前を通り坂道を上がりきると瀬上市民の森の入口となる。
環状3号線をそのまま走って、栗木交差点で笹下釜利谷道路に乗換えるルートの方がサイクリングらしいのだが、私は円海山を歩いて抜けるルートが好みである。

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↑途中の坂道
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↑箱根方面。ニコチャン大王と家来は見えたのだが富士山が見えなかった
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↑瀬上市民の森


◆スカイツリーの見つけ方
森に入る前の農地のあぜ道からMM21方面を撮るのが好きなんです。
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老眼で遠くも近くも見えないので、MM21のランドマークなら分かるけれど、スカイツリーなど自力で見つけることは出来ません。いつも諦めている。
でも今回は、散歩中のおじいさんにスカイツリーの簡単な見つけ方を教えてもらった。
実に単純で、ランドマークタワーを左端、ベイブリッジの橋げたを右端としたちょうど真中の延長上に建っていると言うのだ。

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見えていないけど教えられた通りのポイントをズーミングして何回かシャッターを切る。
出来上がりが楽しみだ。
(私は走る時眼鏡類はサングラスだけなので、カメラのモニタ画面では細かいものは分からないのだ)

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↑これが出来上がり、肉眼では見えなかったが、カメラには写っていたスカイツリー。


◆円海山頂上
いっしんどう広場で分かれ道。市民の森に入るなら右へ、氷取沢方面に行くなら左を進む。

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道は一本道で、前回の赤白ペイントの無線塔(NTT)前に向う。
途中で円海山の頂上近くまで行ってみた。
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円海山(えんかいざん)は、標高153mで所在は磯子区峰町。
山名の由来は「海を回らすような素晴らしい眺め」だそうだが、頂上にある立派な展望台は立ち入り禁止なのだ。
この土地の所有は護念寺さんです、展望台を設置したのは横浜市、両者の間に何かあったんでしょうね。
勿体無い気がしますが、当事者ではないので何とも言えませんね。


10:10、前回も見た赤白塗装のNTT無線中継塔前を通過する。
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10:15、氷取沢入口前に到着。
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階段下に降りて左の竹やぶ側を見る。
この先が護念寺さんの墓苑なのです。地図上は道なのだが通れませんよ。
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↑竹やぶの向こう側は墓苑です。


(03)小泉(こずみ)-手子神社(てこ)
10:20、氷取沢信号で笹下釜利谷道路に合流。

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↑左上に見える給水塔の近くをハイキングコースが通っている。


広い道に合流後トンネルを抜けたら長い下り坂となる。
前回六国峠ハイキングコースで歩いたのは、通り抜けたトンネルの上を歩いたのだ。

10:26、釜利谷信号に到着。ここを右折する。
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住宅地の細い道をバス停を探しながら進む。
「小泉」というバス停があるはず。そしてあった、近くに鳥居が見える。
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10:30、手子神社に到着。
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↑この狛犬も珍しいポーズらしい


バス停には「小泉」とあるだけなので、例によって”読み”が分からない。
神社の前を市民が大勢歩いている、一人のおばあさんが神社に進んだので聞いてみた。

「あそこにあるバス停は”こずみ”ですか”こいずみ”ですか?」(俺)
「”こずみ”ですよ」(おば)
「”こずみのやう”の”こずみ”ですね」(俺)
「そうです」(おば)

この辺は、埋立てと再開発などで、地名の変更があり、現在は”釜利谷東”地区と呼ばれている。


◆小泉夜雨(こずみのやう)
小泉のうら淋しい風景が詩情に富んでいたことから”夜雨”の場所に取り上げられた。

画に添えられた京極高門の和歌は
「かぢまくら とまもる雨も 袖かけて なみたふる江の 昔をぞおもふ」
「かぢまくら」は船旅、「とまもる雨」は覆いの篷(ほう)を雨が漏ること。
船旅で雨も涙も袖に降り、古江(古びた入江)の昔を思うという意味だそうだ。


◆手子神社の裏山
「小泉夜雨」の現場が手子神社の裏山の反対側だったらしい、当時は瀬戸の入海が迫っていて浜辺に道が通っていた。
現在の神社祭殿の裏に行くと、弁財天が山をくり貫いて置かれているだけで、予習なしで行くと味気ないと感じるだろう。

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しかし、弁財天の左を良く見てみよう。
裏山へと続く道が見つかるだろう。
諦めずに探してみよう。

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裏山を登ると無線塔があり、回り込むと鉄網の柵が巡っていた。
見ると、山の反対側は大きくえぐられていて住宅地が迫っていた。
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住宅街の屋根を海だと思って眺めると、往時の雰囲気を味わう事が出来る。
八景島の三角屋根やサニーマートと思える高層ビル群が随分遠くに見える。
埋め立て前の入り江は相当広かったようだ。

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(04)宮川
10:50、手子神社を後にする。
神社の前に宮川という川が流れていて、金沢八景駅前に向っていく。
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この川沿いを走れば駅に着くはずだ。
川べりの歩道が広く、チャリなら車道でも歩道でもどちらでも良い。
初めてだし急がないので周りを見ながら歩道を走る。


◆撮り鉄
八景駅の直前に京急電車が駐車していたので写真を撮る。
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「さぁ撮るぞ」と思った瞬間に上りの電車がフレームの端に見えた。
無意識にシャッターを押した。
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(上りが来たら下りも来る)( ̄ー ̄)ニヤリ
そう思ったので、そのまま構えて待つと、やっぱり来たよ下り電車、こちらもバッチリ撮れた。
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d(^0^)b
マニアと言うほど好きな訳ではないが、電車を見ると撮ってしまう。
特に動いている車輌を撮るのを私は好む。


(05)円通寺客殿跡
横浜市立大前を過ぎると、京急のホームが見えるようになる。
工事中の細道を進むと右手の一段高い所にかやぶき屋根の家屋が見えた。(O.O;)
左を向くと、そこは駅のホームだ。( ̄□ ̄;)
図書館で借りた金沢区の郷土資料のような本に出ていたものだが、目の前にして何なのか分からない。
今回は覚えるポイントが多すぎて、所々で記憶が飛ぶ。
何だか分からないがかやぶき屋根の家を撮り、先に進む。
(-.-;)y-~~~

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ここは、一般住宅になってしまったが、昔は徳川家康の東照宮が祀られた円通寺というお寺だった場所だった。
別の角度から見たら説明があるのかもしれないが、駅横から見る限り、何なのかは分からない。
深追いせずに先に進むため、トンネル通路で八景駅の東口へ回る。


金沢八景駅前から次回に続く。
(⌒_⌒)v いぇ~い!


■本日のデータ
・出発時刻-到着時刻(実時間)=08:50-17:15(08:25)
・乗車時間=03:53:24
・距離=57.47[km]
・AVE=14.7[km/hr]
・Max=48.6[km/hr]
・累積走行距離=4636.5[km]


■感想
本日の感想は?
満足( ̄ー ̄)、満足( ̄ー ̄)、満足( ̄ー ̄)
満足三つです。


◆1/4回の感想
円海山の入口からスカイツリーを見つける方法が分かってうれしい。
肉眼では見えないのよね。
手子神社(小泉夜雨)は、はっきり言って全く期待してませんでした。
八景の一つなので取りあえず立ち寄ったのだが、裏山に上れたのには大満足。
権現山を調べてなくてスルーしたのは残念、かやぶき屋根の木村邸前でここが何で注目されるのか忘れてしまった。
円通寺が出てこなかった。


◆全体
横浜市の金沢区とちょっと横須賀市を朝から晩まで動き回ってヘトヘトである。
2回も全力でトライしてまだ見ていない場所があるという、金沢区恐るべし。
六浦、朝比奈、富岡町、鳥浜町、並木が残っている。
まさかの第3回をやらねば、どう走ろうかなぁ。考え中。

ではでは(⌒O⌒)


■参考文献
※1.ぶらり金沢散歩道 歴史・伝説・民話を歩く 楠山永雄(くすやま・ながお)
↑金沢区の全てが分かるコンパクトなサイズの良書です。大変参考になりました。


※2.新版かねざわの歴史事典 INDEX金沢 金沢区生涯学習”わ”の会
↑金沢区に関するキーワード(名所、旧跡、地名、寺社、人物、伝承)の辞書です。


■参考URL
※1.金沢区の地名と由来 - 横浜市
http://www.city.yokohama.lg.jp/kanazawa/rekishi/otona/landscape/placename.html
↑磯子区からの分家で新設された区で、鎌倉幕府に関連する旧跡から金沢区と命名された。


※2.[PDF]歌川広重が描いた「金沢八景」と現在の風景 - 横浜市
http://www.city.yokohama.lg.jp/kanazawa/sonotamap/map/hakkei-naka.pdf
[PDF]ダウンロードはコチラから(PDF 4.8MB) - 横浜市
http://www.city.yokohama.lg.jp/kanazawa/sonotamap/map/hakkei-insatu.pdf
↑非常に良くまとまっている。


※3.[PDF]金沢の森を歩く(PDF) - 横浜市
http://www.city.yokohama.lg.jp/kankyo/green/kenkounomori-map/kanazawa.pdf
↑金沢自然公園周辺の道が出ている