が、グランド・アヴェニューが見つからない。
そこへジェームスから電話が…。
彼のオフィスは、その公会堂の目の前にあるという。
今は、グランド・アヴェニューではなく、エルヴィス・プレスリー・アヴェニューとその名を変えていた。
公会堂に到着。
ジェームスと彼の奥さんのルイーズが僕ら一行を迎えてくれた。

なるほど、彼のオフィスは公会堂の真ん前。そして彼のオフィスは『ジェームス・バートン・カフェ』の中にある。残念ながら、カフェは2年前から休業中とのことだが、ジェームスとこの場所で再会出来たことに、大いに満足する。
聞けば、日本からの初めてのエルヴィス・ファンの訪問とのこと。
ジェームスも相当うれしいらしく、自ら今も地元のイヴェントで時たま使用されている“殿堂”となった公会堂のなかを案内してくれる。

公会堂の前には、エルヴィスとジェームスの銅像が建つ。
残念ながら、どちらも似ていない。
ジェームスの解説付で、公会堂の内部に入る。
通路には、エルヴィスとジェームスの足跡を称えたコーナーもあれば、ハンク・ウィリアムスや、ロイ・エイカフといった『ルイジアナ・ヘイライド』に出演したカントリー歌手たちの写真がズラリと並ぶ。

内部を見て、その予想外の客席の大きさにびっくり!
3階建てで、3千人はゆうに収容出来るという。

エルヴィスも使った楽屋、そして彼が歌ったステージに立ち、大いに感動する。
そこでジェームスが当時のエルヴィスのエピソードをひとつ。
『ルイジアナ・ヘイライド』に出演のときのこと。
カントリー歌手のジョージ・ジョーンズが、エルヴィスより先に彼がこの日歌うことになっていた曲を、わざと先に歌ったことで、エルヴィスは激怒し、舞台袖に引き揚げてきたジョーンズをボコボコにしてしまったとのことだ。
さすが、エルヴィス!
ジェームスの歓迎は続く。
オフィスに僕ら一行を招き入れたジェームスは、そこにあったアコースティック・ギターを手に取ると、〈ラヴ・ミー・テンダー〉と〈ミステリー・トレイン〉を弾いてくれた。彼の奥さんのルイーズに、湯川れい子さんから預かってきたお土産のバッグを渡す。

彼女はさっそくそれを肩にかけると、うれしいそうにジェームスと一緒にカメラに収まった。
彼女は、自分の孫たちが日本でビリーの家族に大変世話になったと感謝してくれた。
娘の歌っている写真を見せたら、来年シュリーヴポートに来て歌うように言われた。
また、まもなく僕に男の子が誕生することを知って、大喜びしてくれた。
そこへジェームスが来て、オフィスの奥に僕らを誘った。
そこには何と1500本のヤマハのアコースティック・ギターが!
聞けば、彼は子供たちのために、NPOとして、ギターのドネーションを行なっているという。
ルイーズが言った「ビリー、ギターを手にした子供たちの目の輝きは、本当に素晴らしいものがあるのよ」
ジェームス夫妻は最高に良い人たちだ。
10月から保護司となった僕としては、日本でもぜひ同じような活動をしたいところだが…。
帰りにジェームスが彼の車で、僕らをホテルまで導いてくれた。
そのときジェームスが言った「ビリーは俺の車に乗れ!」
うれしかった!
三日目の朝、ホテル『エルドラド・リゾート・カジノ』をあとにした僕らは、再びジェームスのオフィスを訪れ、彼に別れを告げ車に乗ると、彼の最新アルバムを聴きながら、次なる目的地のインディアノーラに向かって出発した。
<つづく>