映画『ALWAYS 続・三丁目の夕日』が公開された。
今度は前作の昭和33年から4ヵ月後の昭和34年が物語の舞台となっているのだそうだ。
昭和34年といえば僕が2才の頃である。
世の中が“岩戸景気”に湧き、今の天皇皇后両陛下が、ご成婚された年であり、さらに長嶋選手が天覧試合でサヨナラ・ホームランを打ち、トランジスター・グラマーやファニー・フェイスといった言葉が流行語になった年でもある。
そんな昭和34年を舞台とした映画『ALWAYS~』に、インスタント・カレーが登場するということで、そのカレーのレトルト版が、ハウスから限定発売された。
僕が子供の頃に食べた、まさに“その味”だった。
その味とは、薄いのだ。ご飯に染み込んでしまうくらい薄いのだ。ルーというより、スープなのだ。
僕はこれが苦手だった。当時嫌いだった人参や玉葱、じゃがいもといった具だけが、大きな形のまま残っていて、子供の頃、僕は本当にこのインスタント・カレーが苦手だった。
でも近所の洋食屋さんで食べたカレーは実においしかった。もっとドロドロしたルーで、コクもあって、カレーとは本来こういうものだ、という固定観念を子供ながら自分に植え付けた。
だから、自宅でインスタント・カレーがその夜の献立だと知ると、覚悟を決めて食卓についていた自分が思い出される。そして、そんなにもルーが薄かったのは、オフクロが毎回、水の分量を間違えて入れていたものだとばかり思っていたが、今回「昭和のライスカレー」を食して、決してそうではなく、始めから“そういう味”だったのだ、ということに気付かされたのである。
正直、今もおいしいとは思えない。しかし、そのように僕を思わせてしまうくらい、今回の「昭和のライスカレー」は、見事に当時の味を復刻させた逸品だともいえるのだ。
因みに、洋食屋さんのカレーは、サンタの缶詰めが、“その味”にいちばん近かったと記憶している。だが高価な缶詰めだった。だから我が家はいつもスープ?・カレーだった。
でも今、インド料理店に行って、ナンと共に出てくるカレーはまさにスープそのもである。味もコクも素晴しいのだろうが、子供の頃のトラウマか、やはりこういったスープもののカレーに拒否反応をどうしても示してしまう僕がいる。カレーはやはりドロッとしていなくてはいけない。