最も売れたレコードは〈イッツ・ナウ・オア・ネヴァー〉 | ビリー諸川の生涯ロカビリー!!

ビリー諸川の生涯ロカビリー!!

ロカビリー一筋40年!
日本で、いや東洋で唯一エルヴィスのバッキングメンバー達とレコーディングした
ロカビリーの伝承者、ビリー諸川が送る公式ブログ

エルヴィスの約全700曲の録音曲のなかで現在まで最も売れたレコードは1960年7月にリリースされた〈イッツ・ナウ・オア・ネヴァー〉で、その数は全世界で2200万枚にものぼる。

この曲はイタリア民謡の〈オー・ソレ・ミオ〉を基に、英詞に書き換えられ、1949年にトニー・マーティンが〈ゼアズ・ノー・トゥモロー〉というタイトルで大ヒットさせた。

その後、ドイツにいるとき、かねてからこの曲を自分も録音してみたいと考えていたエルヴィスは、徐隊後に歌詞を変えて録音することを周囲に申し出ていた。
録音は1960年の4月3日に行われ、歌詞はエルヴィスお抱えのライターたちによって書き換えられ、7月11日にリリースされた。
そして8月15日にエルヴィス14曲目のナンバー・ワン・ヒットとなったのだった。
エルヴィス自身もこのナンバーをとても気に入っており、晩年のコンサートでは、〈オー・ソレ・ミオ〉とのメドレーでうたっている。

【深層その1】エルヴィスは高校時代から、オペラ歌手のマリオ・ランザも大好きだった。
ランザのような大きな声が持つ力強さにエルヴィスは憧れていた。
彼のようにいつかうたいたいと夢見ていた彼だったが、軍隊時代に知り合い、のちにメンフィス・マフィアのひとりとなるチャーリー・ホッジから発声法を習ったことにより、彼はランザのようなベルカント唱法を体得したのだった。
チャーリーは入隊前まで、フォギー・リヴァー・ボーイズというプロのコーラス・グループに在籍して音楽活動をしており、エルヴィスの歌を聞いて、せっかく素敵な声を持っているのに、どうして無理な発声をしているのか、エルヴィスに訊ねた。
エルヴィスは本当はきちんと発声を習いたいと思っていたのだが、今さら“世界のプレスリー”が発声法を習いたいとは他人にはなかなかが言えない、ということで、そのままでいた、とチャーリーに告白した。
そこでチャーリーは自分が発声のアドヴァイスをするとエルヴィスと約束し、演習後ふたりはピアノの前で毎晩発声を繰り返した。
そして彼はランザのようなベルカント唱法を身につけ、〈イッツ・ナウ・オア・ネヴァー〉のような今までの彼にはなかった発声でうたい上げることができたという裏話がある。事実、ドイツにいるときトニー・マーティンの〈ゼアズ・ノー・トゥモロー〉を見事にうたうエルヴィスの音源が残っている。