1960年3月5日、陸軍を正式に徐隊したエルヴィスはそれから2週間後の3月20日と21日にレコーディングを行った。
そのなかの1曲が徐隊後第一弾シングルとして選ばれた〈本命はお前だ〉というナンバーで、徐隊を待ちに待ったファンたちは、この曲がどんな曲かなどおかまいないしに、レコード店へと飛んで行き、こぞって予約注文を入れたのだった。
おかげで、〈本命はお前だ〉は、125万枚というミリオン・セラーを記録し、エルヴィスにとって13曲目のナンバー・ワン・ヒットとなった。
過去に予約だけでミリオン・セラーを記録したものに〈ラヴ・ミー・テンダー〉の86万枚がある。
【深層その1】エルヴィスはこの曲を3月26日に、徐隊後最初のテレビ出演となった『フランク・シナトラ・ショウ』で披露した。
出演料は12万5千ドル。シナトラはエルヴィスが全米にセンセーションを巻き起こした1956年、記者たちに“エルヴィスは白痴だ”と語った。が、彼もまたエド・サリヴァン同様、視聴率の魅力に負けて、エルヴィスを自分の番組に出演することを承諾した。
番組で、エルヴィスはシナトラとお互いの持ち歌である〈ラヴ・ミー・テンダー〉と〈ウィッチクラフト〉をデュエットした。
【深層その2】白痴扱いされたエルヴィスは記者たちに語った。「ミスター・シナトラがそんなことを言うはずがありません」