2005年7月3日、長嶋さんが東京ドームに還ってきた!
その姿がテレビ画面に映し出されたとき、涙がこみあげ、泣いた。
右手をズボンのポケットに入れ、歓声を浴びせるファンたちに向かって左手を上げ、笑顔で応える長嶋さん。その姿はもう野球界の天皇陛下だ。
だからこの日の試合は、ジャイアンツとカープの選手たちにとって、まさに天覧試合だったといえる。確かにジャイアンツに勝って欲しかったが、長嶋さんの偉いところは、相手チームのカープの新井選手が放ったホームランを褒め、彼なら40本のホームランは確実に打てるでしょうとコメントしていたことだ。それは長嶋さんが野球界全体を思いやっている人だということを改めて認識させられるコメントだった、と同時に、そんな長嶋さんだからこそ、僕はずうっと好きだったんだ、ということを自身のなかに確認するものでもあった。
思えば、今から31年前、長嶋さんが現役を引退されるその年の5月に、友人たちと多摩川グランドで行われていたジャイアンツの練習を見に行き、練習が終わって、クラブハウスに戻るとき、土手を上がってくる長嶋さんと目が合い、日本人とは思えないその瞳の何ともいえない魅力に魅了され、視線をそらすことができなくなった僕にウインクをした長嶋さんだった。
一緒にいた友人たちが「おいっ、今、長嶋が諸川にウインクしたぜ!」と大騒ぎだった。
だからその年、長嶋さんの引退が決定的となったとき、そいつらが僕に向かって「あのとき、諸川にウインクなんかするから長嶋は引退することになったんだ!」と、僕を引退のA級戦犯として責めたてた。懐かしい。長嶋さんは、僕にとって、まさに少年時代の夢そのものだった。
やればできるということを、空間的に子供だった僕に教えてくれた長嶋さん。夢は見るだけではなく、実現させるものだ、ということも空間的に教えてくれた長嶋さん。
そんな長嶋さんが、ベースボール星から地球に還ってきた!長嶋さんはベースボール星の異星人だ。
リハビリを頑張る長嶋さんに元気をもらって、僕はロカビリーを頑張れる。
ありがとう、長嶋茂雄!