1956年4月1日、ハリウッドのパラマウント映画で、『カサブランカ』などを輩出した名プロデューサーのハル・ウォリスの立ち会いのもと、エルヴィスはスクリーン・テストを受け、見事合格。パラマウントと3本の出演契約を結んだ。
彼の子供のときからの夢がまたひとつ実現した瞬間だった。
そんなエルヴィスの許には、さっそくいくつかの企画が持ち込まれた。
最初に持ち込まれたのが、バート・ランカスターとキャサリーン・ヘップバーン主演による『雨を降らす男』だった。が、これはエルヴィスが主役でない、という理由から彼のマネージャーのトム・パーカーが断わってしまった。
次に『手錠のままの脱獄』が、サミー・ディヴィス・JRとの共演でエルヴィスの許に持ち込まれたが、これはストーリーが暗いということで、拒否。
トニー・カーティスとシドニー・ポワチエの主演でのちに映画化されることとなった。
そこでハル・ウォリスはエルヴィスを20世紀フォックスに貸し出すことを決め、そうして製作されたのが、『やさしく愛して』だった。
【深層その1】エルヴィスのリーゼントは、トニー・カーティスからの影響だといわれている。