テレビ出演で本物の犬に向かってうたった。 | ビリー諸川の生涯ロカビリー!!

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日本で、いや東洋で唯一エルヴィスのバッキングメンバー達とレコーディングした
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1956年7月1日、エルヴィスはNBCテレビの『スティーヴ・アレン・ショウ』に出演した。

この番組のホストを務めるスティーヴ・アレンは、それまでエルヴィスが出演した『ドーシー・ショウ』や『ミルトン・バール・ショウ』でのエルヴィスが出演したことによって得た視聴率の高さに魅かれ、個人的には他の大人たち同様、エルヴィスのことは気に入らなかったが、それでも裏番組の『エド・サリヴァン・ショウ』に勝つにはエルヴィスを自分の番組に出すしかないと踏んだアレンは自分の番組に彼を出演させることに踏み切った。
が、世の中の大人たちから沸き起こる、エルヴィスがうたうときに見せるセクシーな腰振りに対して、その大人たちの心象をよくするにはどうしたらいいものかと考えたアレンは、エルヴィスにタキシードを着せ、動かずにうたうというアイディアを思い付いた。そしてそれをエルヴィスに従わせた。

エルヴィスは『ミルトン・バール・ショウ』で〈ハウンド・ドッグ〉をうたったとき(1956年6月5日)、マイク・スタンドを軸に“男ストリッパー”かと思わせるような過激な腰振りを見せたことで、アメリカじゅうの大人たちの顰蹙を買い、それは社会問題にまで発展した。
アレンの番組への出演はそのピークのときだった。
アレンはそのことを逆手に取り、自分の番組での〈ハウンド・ドッグ〉は大人たちに受けるものにしようとなったのである。
彼が考え出したのは、本物のバセット・ハウンドに向かって、動かぬエルヴィスがうたうというものだった。
エルヴィスはのちにそのときの番組のことを振り返ってこう言った。
「あれは僕の芸能生活のなかでもっともバカバカらしいテレビ出演だった」