1935年1月8日生まれのエルヴィス。ということで、2005年は彼の生誕70年という記念すべき年だ。そこで今回はこの3月23日にリリースされる『LOVE,ELVIS~ベスト・オヴ・ラヴ・ソングス』のアルバムからお薦め曲を各年代ひとつずつチョイスしてみた。
1950年代~〈ラヴ・ミー・テンダー〉:1956年8月24日録音
…数あるエルヴィスのラヴ・ソングのなかでも、もっとも有名なナンバーがこの〈ラヴ・ミー・テンダー〉である。原曲は19世紀に作られた〈オーラ・リー〉で、この〈ラヴ・ミー・テンダー〉は、エルヴィス初の主演映画となった同名タイトル映画の主題歌として、改作されたものである。のちに、さまざまなアーティストがこのナンバーを取り上げているが、ギター一本の伴奏で、3番までの歌詞を、まったく聞き手に飽きさせることもなく聴かせることができるうたい手は、エルヴィスだけである。けれども、エルヴィス本人は音程がフラットしているとのことで、自分のこの歌に関しては少々批判的であるが、“歌”として、これほど純度の高いラヴ・ソングは他にはない、と僕は思う。
予約だけで、85万632枚という当時としては驚異的な数を記録したミリオン・セラー。
1960年代~〈今夜はひとりかい?〉:1960年4月4日録音
…1926年にアル・ジョルスンによってレコーディングされてから、多くのアティストによって取り上げられたナンバーである。エルヴィスはこの曲を1960年4月4日にレコーディングし、ビルボードのヒット・チャートで連続6週間1位を記録している。エルヴィスのマネージャーだったパーカー大佐のリクエストで録音となったいきさつがあり、録音の際、雰囲気を出そうと、部屋の電気を真っ暗にしたため、エンディングの箇所でエルヴィスが譜面台に頭をぶつけた音が入っている。
1970年代~〈ワンダー・オヴ・ユー〉:1970年2月19日録音
…もともとは1958年にペリー・コモのために書かれたナンバーだったが、ペリー・コモは録音せず、59年にレイ・ピーターセンが取り上げ、ヒットさせている。エルヴィスはこの曲を、1970年2月のラス・ヴェガスのステージから自分のレパートリーに組み込んだ。DVD『エルヴィス・オン・ステージ~スパシャル・エディション』で彼がこの曲をうたっている姿を見ることができる。