”音の場の重要性「2」。パスバンド理論への反証 | ハル・アキのパパの独り言

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今回 ネイティブ級学習のためのスピーカー選びに書いた記事を参照し 科学的根拠を今回は書くことにします。
本記事のメインはパスバンド理論への反証 です。 

メル尺度について軽く触れた後本論にはいります。

勿論 プロソディー 英語の音のながれ そうですねぇ 文脈ならぬ。音脈とでも言いたくなる話しです。

 

 

メル尺度

 

20世紀初頭にベル研究所がまとめた資料がありました。

 過去にも書きましたが よく英語の周波数と日本語の周波数という 科学的根拠のない議論をみることがあります。

あれはどこの偉い人が語ったのかしりませんが 考察にまったく値しない話しです。

 

メル尺度は、音の周波数とそれが人間によって知覚されるピッチとの関係を表す尺度です。この尺度は、人間の耳が異なる周波数で音をどのように感じるかをより正確に表現するために作られました。メル尺度は、特に音声処理や音声認識の分野で重要とされています。

この尺度においては、1000メルは約1000ヘルツ(1kHz)のピッチと等しいと定義されます。しかし、周波数が高くなるにつれて、同じ量の周波数変化が小さなピッチの変化として知覚されるため、メル尺度は周波数が高くなるにつれて非線形になります。これにより、人間の耳の非線形な知覚特性をよりよく模倣することができます。

 

 

 

パスバンド理論への反証

 

パスバンド理論への反証:言語の周波数範囲に関する一般的誤解の解明

 

言語の周波数範囲に関する議論は、多くの言語学者や音声学者の間で長年にわたり行われてきました。特に、アルフレッド・トマティス博士によるパスバンド理論は、各言語が特定の周波数帯域を使用するという考えを提唱しています。しかし、この理論は、20世紀初頭のベル研究所の研究と現代の科学的知見によって疑問視されています。

パスバンド理論の主張

トマティス博士は、言語によって使用される周波数が異なると主張しました。

彼によると、日本語は125〜1,500Hzの周波数帯域を使用し、英語は2,000〜16,000Hzの範囲を使用するとされています。

 

科学的反証

しかし、この理論にはいくつかの問題点があります:

  1. メル尺度の示す非線形性: メル尺度は、人間の聴覚が周波数の変化を非線形に知覚することを示しています。このことは、特定の言語が特定の周波数帯域に限定されるという考えに反します。

  2. 音声通信の歴史的実績: 通信技術の歴史を見ると、300〜3400Hzの範囲で音声通信が行われてきました。この範囲は、英語だけでなく、多くの言語でコミュニケーションに必要な情報を含んでいます。アメリカ英語とイギリス英語を話す人々がこの範囲内で問題なくコミュニケーションをとっている実例が、パスバンド理論に疑問を投げかけます。

  3. 言語の多様性とプロソディー: 言語は、単に周波数の範囲を超える多様性を持っています。プロソディー(音の長さ、強さ、高さなど)は、特定の周波数範囲を超えて重要な役割を果たします。

結論

以上の検証から、パスバンド理論が提唱する特定の言語に固有の周波数帯域が存在するという考えは、現代の科学的知見と実際の言語使用の例によって矛盾していることが明らかになります。言語の理解と学習においては、周波数範囲だけでなく、言語の持つ豊かな多様性とプロソディーを考慮することが重要です。

アルフレッド・トマティス博士の提唱する理論についても、実際の言語の使用との矛盾が見られます。特に、日本語と英語の周波数帯域の違いを強調する彼の主張は、科学的な検証と実際のコミュニケーションの事例によって否定されます。

人間の聴覚感度曲線とメル尺度に基づくと、300-3400Hzの範囲ですべての言語のコミュニケーションが可能であることが確認されています。20世紀の通信技術においてこの範囲が広く採用されていたこと、そしてアメリカとイギリス間の国際通話で問題が発生していない事実は、パスバンド理論の根本的な疑問点を浮き彫りにします。

実際の例として、アメリカ英語を話すカリフォルニア出身者がイギリス英語を容易に理解する一方で、イギリス出身者がアメリカ英語を聞き落とす事例は、言語の周波数帯域よりも、プロソディーの複雑さがコミュニケーションに重要であることを示唆しています。

また、日本語の「さしすせそ」の発音をスペクトル分析した結果も、日本語が広い周波数範囲をカバーしていることを証明しています。この分析結果は、日本語が限られた周波数帯域に収まるというパスバンド理論の主張と矛盾します。

これらの事例と科学的検証は、言語の周波数帯域が言語学習やコミュニケーションの理解において唯一の決定的な要因ではないことを示しています。言語の多様性と複雑さを理解し、プロソディーや文脈などの他の要素を考慮することが、言語教育とコミュニケーションの効果的なアプローチに不可欠です。

ネット検索すると パスバンドの 表も異なりますどれが本物なのでしょうか

どちらの表においても 英語はソプラノ以上のキンキン声であるということになります。

スペイン語は 母音部分と 子音の高音が分離してるそうです。

ありえない話しです。

 

 

パスバンド理論の引用も不自然といえます。

上記パスバンド理論への反証は終わりなのですがそれを正しいものとして引用されることがあります。

そもそもパスバンド理論は無意味なものです。それを説明します。

 

フランスのアルフレッド・トマティス博士は、言語によって周波数が異なることを発見しました(パスバンド理論)。母音の強い日本語の周波数は125~1,500Hzであるのに対し、子音の強い英語の周波数は2,000~16,000Hzと大きく異なると提唱されています。残念ながら人間は言語として認識した領域の音しか聴けず、また聴くことのできる音しか話せません。日本語の主な音域は狭く英語ともそれほど重なっていないため、日本人にはなかなか英語が聴き取りづらいのです。

 

加えて 子音が多いということは 其の周波数が発声されているということであってそれを聞き取ってるという話とは一致しない可能性を秘めています。さらにベル研究所の人間の感度特性において300−3400に言語としての音声エネルギーが集中してるという結果は無視できません。

 

さらに 日本語の あいうえお かきくけこ さしすせそ の発音を スペクトル分析しました。

次に示す画像は その周波数分析結果です。

 縦が周波数 横が時間です。 縦に3つのブロックがみえます

 最初が あいうえお

 2番めが かきくけこ

 3番目が さしすせそ

です。

  日本語も ソプラノを超えた周波数がさしすせそは大量に発生してます。

  このことから 一般に出回ってる パスバンドに関する言語対応の表そのものも正しいとはおもえないのです。

さしすせそは ピアノ88鍵盤の一番上が このアナライザーではでています。

つまり 4Khzのこの段階でこえています。

 このアナライザーは ピアノ鍵盤にあわせていますので 

もっと別の アナライザーで調べてみましょう。 ここではすくなくともソプラノを超えた周波数を日本語も発声していることが明白です。

波形としては あいうえお かきくけこ さしすせそを発音しています。

そして 下の白いグラフは モスキート音を超えた周波数 も日本語が発声できていることを示しています。

そして200Hz程度の基本周波数もありますので

 日本語は 200Hz-19Khz tという範囲にはいります。

 パスバンド理論の計測結果も信頼できないことになっています。

 

 

 

 

 

 

パスバンド理論へのさらなる苦言 日本語低周波数 住む国の音響インピーダンス

 

パスバンド理論の辻褄をあわあせるために 住む国の音響インピーダンス なる専門用語が飛び出すことがあります。

たしかに 標高3000メートルとなると密度が異なりますので 音響インピーダンスは異なります。

音速は 普通の1気圧ではどの国でも大体340m/s  密度大雑把に1です。 

例えば 標高3000メートルなら 音速 343.23 :272.41 密度は 1013.25:638.25 

ザックリ 音響インピーダンスは半分です。 413.29 VS  206.62kg/(m2⋅s).

ところが 肺のサイズによる共鳴に関して言うと 音速のほうが支配的です。

音響インピーダンス は 声質にあまり 関係ありませんね。

実際 私がユングフラウヨッホの高山鉄道に乗ったのですがスマホで地上の人と会話するのはまったく同じ人と認識しました。

これは 周波数はどこであっても変わらないということです。

では 一緒に同じ鉄道に乗った人の声はというと 音速が遅いから若干低い声に聞こえるはずなのです。肺の共鳴が関係します。しかし若干の変化は本人が声室を普段に戻すように調整してしまいますし。利き手も この人の声というのをしっていますから本人を認識すると其の人だとおもうのでそう聞こえるのです。

 計測器を持っていかないことにはなにを測っていいのかわからない状態になります。

 

 問題は 英国と日本など 音響インピーダンスは誤差の範囲です。 アンデスの言語 の発達と比較すべきなのですがパスバンド理論のデータはほぼ同じ音響インピーダンスの世界同士の比較で周波数が違うというのですから、評価のしようがありません。

 

パスバンド理論へのさらなる苦言 言語によって優先的に使う周波数が異なる?

  どの国の言語も子音は モスキート音を超えます。それは子音の定義といっていいほどです。
   それは発せられてる周波数で、エネルギー累積ではたとえば朗読であればなにを朗読するかでいくらかことなるでしょう。

 イギリス英語が仮にみなさんがすべて2000HZ以上つまりソプラノでキンキン会話? 否 発声したとしても耳の特性がそれ程変わるものではありません。まず英国人がソプラノで会話してるのは劇場内だけです。

 

検索してみつけるパスバンド理論の表にいくらか違いがあるとしてもおおよそ

 日本人はバスで話し、イギリス人はソプラノで話すような形になる。

ありえないですね。では 高域をカットする と日本人に英語はききとりやすいですか?

 ありえないですね。 英語のがもし高域に情報をもってるとすると 日本人は高域を聞き取るように努力する必要という結論です。 

 さらに耳は使えば使うほど劣化します。鍛えることはできません。

 そもそも日本語に高域ないというのはどの様に計測してもまったく再現しません。 あいうえおですらソプラノ領域はでるのです。筆者は男ですがバス音など使いません。

 

参考文献 file:///home/liveuser/Downloads/IPSJ-MUS97024014.pdf

「人間の声は耳で聞いたものしか含まれない」

それはちがいます。 実際この資料のなかに パラメータ2として包絡線がでていますが

50歳ぐらいからは聞こえもしない16KHz以上が発声さえています。

揚げ足ではなく、音を出すという作業は物理的なものですからSHなどの音に代表される子音は聞こえもしない周波数まで発するのは物理的な事実です。

 それは単純に聞こえてないベース音のことです。音声として言語として認識する音域での正しさになるのです。

 

 また この論文パスバンド理論は 車輪の再発明に相当します。

 この論文の 20世紀初頭にベル研究所で研究が行われ 結論がでており国際電話の周波数が300ー3400Hzに設定されておりどの国との国際電話も全く 支障がありませんでした。

 国による音響インピーダンスもほとんど一緒です。 アンデスとか高地だけが例外となるのです。

 

 日本語の歌などもパスバンド理論の派生として研究されてはいるが

 単にたまたま 日本の楽曲がそんなメロディであっただけということです。

 発明された楽器がそのような特徴だったりすると それに合わせて音楽発達します。

 金属弦などの楽器が日本に太古からあったならもっと高音の音楽が発明されていただけです。

 

 

 

実際近年の楽曲は 高域にシフトしており現代の歌唱曲を3.4KHZ以上をカットする質感にかけた曲となることはよく知られたことです。

  1. 高域周波数の使用: 現代の音楽制作では、高域の周波数(通常、3.4kHz以上)が豊かな質感、明瞭度、そして空間感を提供します。これは特に、デジタル録音技術の進歩により、より広い周波数範囲を捉え、再現することが可能になったためです。

  2. 音質への影響: 高域をカットした場合、音楽の質感や細かいニュアンスが損なわれる可能性があります。特に、シンバルの響きや弦楽器の微細な音色、ボーカルの明瞭さなど、高域周波数が提供する情報は楽曲の重要な部分を形成します。

  3. 音楽の進化: 音楽は時代と共に進化し、録音技術の向上は楽曲のスタイルや表現方法に影響を与えてきました。高解像度の録音と再生技術によって、作曲家やアーティストはより広い周波数範囲を活用して、聴き手に新しい音響体験を提供しています。

  4. 聴覚の影響: 人間の耳は特に高域の細かい変化に敏感です。そのため、音楽の高域が豊かであるほど、リスナーはより豊かな音響体験を得ることができます。

音楽の進化は人間の声もそうですが楽器とともに育つことは自然なことと思われます。

 

 

 

 

本日はここまでです。以下は雑談です

 

 

そうなるとどんなスピーカーを子供に選んであげたらよいのか?

 

  オーディオファンと同じ範囲の議論は必要ありませんが

 

  おそらく 定位などはあまり気にすることはないかもしれません。

 しかし  300ー3400Hzを 美しく出力するスピーカーとなると 前後の余裕が必須となります。

  歌手のなどが用いるバスの発音は80Hzぐらいが普通ですが 音声としてはあまり必要ではありません

  ここからは 憶測もはいりますがおおよそ200hzぐらいから8Khzまでを 美しく出力してほしいとおもうわけです。

 

  おそらく can can't  を アメリカンの省略発音で理解するにはサスガにギリギリの300ー3400Hzでは辛いと思うのです。

  以前も書いたとおり 我が子に聞くと

  自信たっぷりにかたられると CANであるだろうし

  自信たっぷり発音でも自虐のような気配があると CAN’Tであろうし

  自信がなさそうなら CANT だと 

  つまり 文脈からの判断ではなく 音脈の判断となるとのことでした。

  音脈ナンていう言葉はここでの造語ですが英語でいうとプロソディーということになります。

 

 そうなってくると あまり口径が大きくないほうが 有利となります 

  材料がしっかりしたスピーカーで ウーハーが7インチ前後 ざっくり20cmぐらいでしょうか?

  それぐらいで 老舗のメーカーで2way ぐらいのものを選ぶことになるでしょう

  そして バスレフポートは塞ぐ ただし綿で塞ぐぐらいですね。

 

  そんなのが候補となるわけです。

 

 

 

 これを バスレフポートを 塞いで もっとかっこよくしましょう。以下原理だけです。

 

インシュレーターなんか いりません 滑り止めのシリコンで十分です。

オーディオファンは嫌がるかもしれませんがそんなの気にしないでいいです。

 

 

親が英語だめな家庭

つまり普通の家庭で 親は英語声掛けをせず、英語読み聞かさせもせず

そして 子供にも不完全な状態での発話をうながすこともせず

 ネイティブのように話せるように きれいなインプットをおこなうという条件を満たしやすくなるということだけは間違いないでしょう。

 すくなくとも 再現性の高い音のインプットが害になる可能性はありません。

 

  さあ あなたのお子さんをネイティブの世界に誘おうではありませんか。