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ある日のレッスンで
びっくりした一言がありました。
「おじいさんに、
そんな接し方はせえへんやろ」
正直、ドキッとしました。
あるレッスンでのことです。
鍵盤を
深く押し下げる生徒さんがいました。
夢中になるほど、
指先に力が入ってしまう。
そんな場面は
珍しいことではありません。
その日も
「もう少し浅く弾いてみようか」と
声をかけていたのですが、
なかなか変わりませんでした。
その様子を見ていたお父さまが、
こんなことをおっしゃったのです。
「おじいさんに、
そんな接し方はせえへんやろ」
一瞬、ドキッとしました。
生徒さんも驚いていました。
でもこの一言、
かなり本質をついていると
思ったのです。
ちょうどその前に100年前の
ピアノの話をしていた流れもあり
その例えになったのでしょう。
けれどそのあとで、
不思議とスッと、
腑に落ちたような気がしたのです。
音を出すことばかりに意識が向くと、
人はどんどん強く押そうとします。
でもそれって、
自分にも楽器にも
やさしくない。
無理に力を入れなくても、
ピアノはちゃんと響きます。
むしろ、
その楽器がもともと持っている響きを
引き出したときのほうが、
音はずっと美しい。
ピアノは
感情を受け入れてくれる存在です。
でも、
感情をぶつけるものではない。
大切に触れたときにだけ、
ちゃんと応えてくれる。
人と同じですね。
あの一言、
最初はドキッとしましたが、
印象深い言葉になりました。
