バンクは別世界!競輪選手じゃないけど競輪場を走った!

さて、この写真はどこで撮影されたものしょう????
いつもとは違うこの光景、ピナレロ君がたたずむのは、なななんと競輪場!(ピナレロ君もちょっと緊張ぎみ…)
あり得ないことに、B夫はピナレロ君とともに川崎競輪場を訪れ(ギャンブルのためじゃないよ!)、しかもこんなところにまで侵入させてもらった!
しかも、侵入させてもらっただけでなく、バンクを走行した!!!!!
というわけで、今回は緊急レポート!(「ツール・ド・タ・マガーワ」はちょとお休みです。白熱のレースはこのお話の後へと少しだけ順延です。)
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【今回の記事はフィクションではありません! 脚色なし、演出なし、創作なしのノンフィクション・レポートです!】
以下は当日の様子
★シーン1:バンク
B夫はすこし緊張していた。いよいよ走り出す。
今日は、生まれてはじめての競輪場のバンク(ベロドローム)走行だ。
一列縦隊になり、まずはゆっくりと加速をつける。
B夫の前を行くタカ・カンチェラーラ選手は(あ、名前が脚色されてるゾ)、まるでこの地で何年も選手として過ごしてきたような見事ライディングフォームでペダルを回す。彼もB夫と同じくはじめての競輪場走行のはずだが、少なくとも後ろから見る限り何の不安もないように見える。
彼の自転車はこの地にこそふさわしいシングルギアのピスト車。彼の手は前輪に届かんばかりの位置まで下げられ、ドロップハンドルの下側を握る。背中はほぼ完全に水平だ。初心者サイクリストにとっては“腰痛ポジション”、あるいは“拷問ポジション”となり得る、プロフェッショナル感あふれるライディングだ。
一方、その後方のB夫はと言えば、まず自転車がピストではない…という点が少しアマチュアだ。一応下ハンドルポジションで走っているが、“拷問ポジション”を取ると、B夫の場合本当に拷問になってしまうので、今はそこまで背中を寝かしてはいない。
自転車はもちろん変速ギア付きだ。ピストは所有していないので、彼の自慢のロードバイクで来た。“自慢”という割にはエントリーレベルだったり、ギアが9枚しかなかったりと、気になる点が少々あるが、そのメーカーだけはバリバリのレーシングブランド。自慢するのは勝手だからここではそれで良しとしよう。
タカ選手のさらに前、一番先頭を行くのは、“中年の男性”だ。(適切な登録名がないので、とりあえずこのノンフィクション物語の中ではこう呼ばせてもらうことにする。ちなみに彼はあの「ツール・ド・タ・マガーワ」第一ステージの優勝者だ。その華々しいキャリアはここでは到底書ききれない。)彼も変速ギア付きのロードバイクを駆っているが、フレームはフルカーボン。カンパニョーロ製高性能ホイールと130ミリのロングステムがそのキャリアを暗示する。今日は彼の指導のもと、このバンク走行が行われるのだ。
そしてもうひとりの参加者は、“ピエポリ”というその脚質を誇示するかのようなファミリーネームを持つブガル・ピエポリ選手(あ、また名前が脚色されてる! 違反だ!)。明らかにB夫とは違うタイプの自転車乗りだが、B夫と同じようにポジション改造プロジェクトの真っ最中だ。
日々進化するそのライディングは、数ヶ月後にはどんなことになるのだろう…という期待を抱かせるに充分だ。峠を登らせたら彼の独壇場になる可能性が高いが、ここは競輪場。他の2人と同じくこの地では完全な新参者である彼は今何を思うのだろう…。
さあ、いよいよ最初のバンクに差し掛かる。
先頭の“中年の男性”は、当然のこと、ごく普通に、スムーズにバンクに侵入していく。もちろん何の破綻もない。
一方、B夫はちょっとびっくりしていた。
数センチ単位でB夫の走行ラインが左右に乱れる。
いや、彼は確かにびっくりもしていたが、“ビビっていた”という言い方の方がこのケースではより適切かもしれない。
まず、地面の角度がバンクでは圧倒的におかしい。
完全に平衡感覚を麻痺させるような角度で右側にそそり立っている。
ちょっと走行角度を間違えると右側のペダルを地面に擦ってしまうのではないか…と思えるほど急傾斜に見える。(だが実際には普通に走っている限り、この場所----バンクの下の方----ではペダルを擦る可能性はない。初心者の杞憂なだけだ。)
だから、空間認識の中心をどこに持って行ったらいいか脳内で混乱が起きる----言葉で説明するとそんな状況になるだろうか----今B夫はそんな三次元認識のギャップに戸惑っていた。
速度は時速30km/h以下だ。だから脚力的に苦しいわけではない。だが、彼の微妙なセンチ単位の蛇行はそれが克服されるまでにもう5~6周が必要だった。
均等でバランスの良いライディング、脳内での空間認識の整理、最後に恐怖心の克服。
この3点がスムーズなバンク走行には必要だ。そんな「レッスン1」をB夫はまさに学びつつあった。

これが競輪場のバンク。写真で見るとそれほど絶壁のようには見えないところがちょっと悔しい。最初に走ったときは、「な、なんじゃコレ!」と思えるほど急角度に見えたのだ!
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★シーン2:先頭交代
もう何周走ったろうか…。
一周400メートルのこのベロドロームをこの新人3人はもう何周も走り続けている。
気温的には寒い。だが、ある程度速度を出して走っている限りそれほど感じることはない。
路面はスムーズだ。バンク侵入の際には、地面に押し付けるGがいくらか大きくなるのを感じることができる。だから一周につき2回、ペダリングには多少力を込めてやらなければならない。
3人は、端から見る限り、結構このバンク走行に慣れてきたようだった。
B夫も最初よりもずっと余裕が出て来たようだ。多少この場所に不釣り合いな彼の赤いロードバイクは、いつもにも増して調子が良さそうだ。さきほどよりも速度を上げることができるし、すぐ前を走る自転車にかなり近づくことができるようになった。
さぁ、次はB夫の番だ。先頭交代だ。2番手で走行していたB夫が一番前に出るのだ。
ペダリングする足全体にちょっと力を込める。スーっとB夫が先頭に出る。ちょっとだけ自転車を左に傾け、小集団はバンクへと入っていく。
B夫もどうやらバンクに慣れてきたようだ。走行ラインのブレもかなり小さくなっている。
さきほどより若干スピードをあげた状態で小集団はバンクをクリアする。
まわりが観客席に囲まれた競輪場…あまり風はないだろうとのイメージは、実はあまり正しくないということが走ってみるとわかる。バックストレートでは明らかに向かい風が吹いている。
時速にして35km/h前後だろうか…、このくらいの向かい風ではそれほど速度が落ちることもない。B夫が先頭を引く小集団は気持ち良さそうにこのトラック競技場を周回する。
そのまま数周ほど走る、直線部分でB夫は左側へと進路をちょっと変更する。後方の走車に道を空けるためだ。今度はB夫は最後尾に付く。そうすればいくらかの体力の温存ができる。
ちょっと疲れてきたし、喉も乾いてきた。だがもうちょっと頑張れそうだ。
B夫はなんだか楽しくなってきた。
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うわぁ…いつものように長くなってしまった!
これは【続く】にしないといけない状況だ!
次回は「シーン3:ジェットコースター」!
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今回のこのなんともスゴイ体験の機会を与えてくれた中年オトコさんに感謝します!
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