Roots of TWO-J #40 "時"
この記事を書いてる今、
久々にその癌センターに居る。
3ヶ月に一度程度、経過観察も兼ねて診察がある。
大きな検査は、半年に一度なり一年に一度なり、
未だに続いている。
結論から言えば、
ステージ4の癌を克服したからこそ、
今ここに居てこの記事を書いてる。
2019年末から始まり、2021年の今7月7日。
そのくらいここには来てるし、
一時期は 3ヶ月程 "住人"だった。
今日は10時30分からの診察。
ただ今まで一度も時間通りに進んだ事は無い。
くらいに、ここは癌患者で溢れている。
ただでさえ1時間は待つイメージだが、
今日は受付の時点で
"今日は緊急の治療が入ってしまったので、スタートが1時間遅れて始まりましたので、お待ち下さい"
なるほど、なら2時間は遅れますな。
てな感じで朝から病院の日は、帰りは午後だと覚悟出来ている。
病院なので最近のコロナ禍に対しての対策はかなりしっかりされてる、
ただ人の数は皆が想像つかないくらい多い。
言い方が悪いかもしれないが、
かなり"ごったがえしている"
ここでは笑っている人をあまり見かけない。
まあ、そりゃそうだ。
さて、2時間くらいは多分待たされるが、
診察はおそらく毎回5分くらいで完了する。
2時間待って、5分。
けどその5分で結果異常がなければ、
また気持ちもリセットされて帰れる。
オレは若くはないが、
ここでは若いほうだ。
もっと若い人も希にいるけど、少ない。
今日初めて診察を受けるだろう人も居る。
誰がどう見ても不安そうだ。
自分もそうだったなと、
振り返る。
自分が初めて来た時、
自分より若い人がいた、
なんとなくストリート感が出てる感じで
ここでは珍しい見た目だったので、
ああ、誰かのお見舞いかなと当初思ってた。
俺が待ち合いで待っていると、
そのさっきの若い男は診察室から出て来た。
あれ、あの子も癌なのか。
そう思っていると、
後ろから
"TWO-Jさんですよね?"
は?
振り返るとさっきのその彼だった。
どうやらヒップホップが好きでラップもやってたらしい。
こんな場所で俺の事を知ってる人が居るのにも驚いたが、
彼も癌治療をしていた事に驚いた。
それから彼といろいろ話した。
彼は治療を全て終えて、
今は経過観察で来ているが、
もう癌は治ったとのことだった。
彼は
"絶対大丈夫です、絶対治るんで、頑張ってください!"
と力強く言ってくれた。
なんだか、すごくパワーになった。
彼は実際に治した人だったから
余計に自分も希望が持てたんだと思う。
ずっと語れないままでいたが、
ここからは
最初の頃からの
闘病の話を振り返ってみようと思う。
ちなみに今は正午、
俺の"5分"は
まだ訪れてない。
Roots of TWO-J #39 "目の前の壁"
この記事の話、思えば1995年とかからの自分の話を書いてたんだけど、
話はここで2019年に至る。
ここまで改めて振り返ってみると、
良くも悪くも結果自分らしい。
何故書き残そうと想ったのか、
それは、大病をして復帰できたからこそ思う部分がある。
単純に、当たり前な話だけど、
人間は今しか生きられない。
こんな当たり前の話だけど、
誰だって実は解ってる話。
けど、改めて以前よりも何倍もそのリアリティに触れて、
より強くそれを意識したからだ。
2019年の11月、俺は癌と診断された。
当然想像などしてなかった事。
目の前で医師にそれを告げられた時、
驚きとショックで一瞬呆然とした。
正確には、自分がどうリアクションしたかあまり覚えてない。
"え、俺、癌? 俺、助かるの?もしかして死ぬの?"
もしみんなならどう感じるだろう?
当然自分は、癌に対する知識も何も無かった。
想像したこともないのだから。
ただ、 やべえ と思った。
"なんで?" とか "どうしてなった?" とか
そんな理由はどうでも良くて、
ただ、やべえ が付きまとった。
相手は、俺のやる気だけで倒せる相手じゃ無いから。
どうしよう、
まずはそれだった。