N村さんという熊本県のボディビルダーさんからFACEBOOKにコメントをいただきました。ありがとうございます。
このやり取りがどなたかの「がんと共に生きるヒント」になるかもしれないと思いましたのでFACEBOOKをされていない方の為に一部加筆してこのブログに掲載させていただきます。
(※辛い時は心の安定のために神頼みもありですね。)
【N村さん WROTE:】
『賢人さんには、いつも勇気をもらえます。ありがとうございます!
現在、弟が癌の再発で治療中ですが先日、弟から抗がん剤治療も効果が無く副作用も強い事から治療をやめる事を聞いて、これから家族として、弟とどう向き合って行けば良いのか…私以上に両親の事を思うと、かける言葉が見つかりませんでした。
病は気からとよく言われますが、賢人さんの様にポジティブ思考で残された人生を楽しんでくれる事を願っています。
PS :弟は筋トレはしませんが大好きゴルフは河川敷でしているようです♪』
【BIGTOE WROTE:】
FACEBOOKでのコメントにお返事をさせていただいたのですが、がん患者自身だけでなく「ご家族がどのように向き合っていけばよいのか」という思いは、がん患者のご家族すべてに共通する重い課題だと思います。
《効く抗がん剤が無いがん》
『弟さん、ご心配ですね。私の場合、がん種が腺様嚢胞癌という希少癌で患者数が少ない故にお金にならないので抗がん剤が研究、開発されていません。(世界中に無差別的に売れる新型コロナm-RNAワクチンなど1年で開発するのにね😢残念です。)
同じがんの患者会の仲間でも30代、40代、50代の現役世代は「子供も小さいから何としても治したい」という強い気持ちから、結果のわからない治験や他のがんに使われる抗がん剤を試すという方を多く見てきました。しかし、その結果、完解した、進行が止まったという話を聞くことがありませんでした。それどころか「副作用で苦しみ死を早めているのではないか?」とさえ思ってしまうのです。(個人の見解です。)
「このがんにはこの抗がん剤が効く」と言われているものでも、完解、全快に至るものは数パーセントで、多くの場合一時的に進行が止まった、生存期間が数か月伸びたという程度のものが多いと感じています。(もちろん池江璃花子選手に代表されるように完解するがんもあります。私の知る限りでは、白血病、悪性リンパ腫などの血液のがんが多いようです。)
《がん治療に対する私の理解》
がんの治療において重要なのは早期発見であり、ステージⅠ、Ⅱ程度の進行度が軽いほど完解に至る確率は上がります。ステージⅢ、Ⅳになれば道は険しくなります。現状でエビデンスの有る治療法は、外科手術、放射線、抗がん剤の3大治療なのですが、私的には手術で取れるならば外科手術、手術が出来ない場合、再発転移では放射線、リンパ節、他臓器への転移には抗がん剤のような全身治療かとは思っています。
《私が選んだ治療》
私はボディビルダーで「鍛えた肉体にメスを入れることはしない」と思っていましたが、「手術しなければ余命3ヶ月」と言われると、3か月では身辺整理をするにも短すぎる、どんな障害が残ろうと生きる為にやらざるを得ないので外科手術を決意しました。その後、再発防止に断端部への放射線治療。転移した肺には局所治療、もぐらたたきにはなりますが、2度目の外科手術での肺部分切除、2度のサイバーナイフ(ピンポイント照射の放射線治療)で乗り切り何とか今日に至っています。
今があるのは、優秀な外科医との出会い、早期の転移発見、タイムリーな局所治療情報と運があったのが大きいと思っています。
今後ですが、「効く抗がん剤が無いこと」「他のがんでの抗がん剤の治療実績」などから垣間見える現実から、「藁をもつかむ思い」で博打のような抗がん剤治療をやる気持ちは現時点において全くありません。ブログに「抗がん剤が効かないがんで良かった」と書いたのはそのためです。手術の際に切除したがん組織を調べてもらった結果、免疫チェックポイント阻害薬キートルーダも効果は期待できないとのことでした。
(※生きる為の2度の外科手術で鍛えた肉体はボロボロ。骨、筋肉をも失いましたが生きています!!)
(※手術で癌と共に鎖骨、肋骨、胸骨、片方の大胸筋を失い、胸の気管孔で息をしていますが、筋トレも続けています。)
《がんに効くサプリメント、食事》
もちろん、標準治療以外の所謂民間療法的なサプリメント、食品、発酵飲料なども色々試しましたが、結構、高額になりますし、摂取後にがんの転移があったものはすべてやめました。食事も普通の物をバランスよく何でも食べています。がんに良いというので大量に摂っていたらアレルギーが出たこともありましたから(笑)。もちろん、がんの餌と言われるスイーツ、炭水化物も食べ過ぎない程度に食べていますし、お酒もほろ酔い程度は飲んでいます。あれこれ制限を加えて起きるストレスの方が恐いですから。(生きているうち 働けるうち 酒の飲めるうちです(笑)。)
何を食べて、飲んでいてもがんになる時はなるし、出来てしまったがんを消すようなものはないそうですから。
《これからの生き方》
今は何でもバランスよく食べて、お酒も適度に飲んで、習慣になっているほぼ毎日やる自重筋トレと高額なお金のかからない水素茶くらいががんに抗う期待といったところでしょうか。
あとは、がん患者だけでなく誰でも明日終わるかもしれない人生の1日1日を大切にして、どんな小さなことでもいいから1日1つだけ出来る事、やりたいことをやって楽しむだけです。
私は、体内に転移がんを持っているがんサバイバーです。化学療法は期待できないがん種であるものの、手術、サイバーナイフなどの局所療法が出来ているので幸せです。ツイています!!こうしてモグラ叩きをしているうちに、がんが根負けして転移、再発を諦めるかもしれませんし、筋トレによるマイオカイン的な未知の物質が効を奏する可能性、自己免疫力でがんが消失する可能性もゼロではありません。
(※日課の早朝公園自重筋トレは体調管理のバロメーターです!!)
運が無ければ、夢かなわず、治療に行き詰まり八方塞がりになる可能性もあります。
それでも、死は健康体であれ、がん患者であれ、この世に生まれてきたすべての人がいずれ平等に通る道です。どんな状況であってもいつ終わりが来るともわからない限りある人生を出来るだけ悔いを残さないようにポジティブ思考で日々を重ねることが大切ではないでしょうか。せっかくこの世に産んでいただいたのですから楽しんで生きたいものです!!
「笑う阿呆に泣く阿呆。同じアホなら笑わにゃ損損!!」
(※入院生活でも楽しみを見つける遊び心も大事です。)
でも、これ以上の痛い、苦しいだけは勘弁してほしいので、強烈な痛みや苦しみが来たら、「モルヒネでも麻酔でも何でもいいから楽にしてくれ!」とは常々思います(笑)。』