再録6:私に大きな影響を与えた1冊 | Hiroshiのブログ

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3つのラテン・アメリカ史:

これが、私の<カリブ時代>。カリブ史とSalsaが絡み合う。歴史とダンスという奇妙な組み合わせだが、このダンスがアフリカから拉致された黒人たちが西アフリカのリズムと南欧の楽器やメロディーとの組み合わせから生み出したものだと判ると何となく納得できるかな?

 

「近代史の中で最も重要な出来事はアメリカのヨーロッパ文化圏への編入」とはよく耳にする言葉ですが、以下の3冊のラテン・アメリカ史を読んで初めてその意味がようやく判った気がした。そしてそれから得られる教訓も。
 

 

『埋められた鏡;副題スペイン系アメリカの文化と歴史』中央公論社、カルロス・フェンテス著、1995年初版

 

『収奪された大地;ラテン・アメリカ500年』藤原書店、E ガレアーノ著、原著は1971年初版。訳は1991年

 

『コロンブスからカストロまで』副題:カリブ海域史、1492-1969、E ウィリアムズ著。岩波書店 2000年初版。

 

ポトシやミナス・ジェライスで掘り出された「金銀」も、またカリブの「砂糖」もそれを産した南米大陸やアンティール諸島の発展には全く役に立たず、また旧宗主国であるスペインやポルトガルの発展にすら寄与しなかった。 何故か!?

砂糖はイギリス、フランス、オランダそしてまた、後にはアメリカの工業発展の為の資本の蓄積に大きな刺激を与え、一方でブラジルの東北部、カリブ海の島々の経済と土地を不具にし、アフリカの歴史的零落を完成した。『収奪…よりp156』

一方、金銀は北ヨーロッパで当時呱々の声を上げた重商・資本主義国家に養分を供給する血液の役割を果たした。 まさにこれらの国々で流通している支払い手段は止めどもなく増大しており、その為に血液である金銀が必要とされた。『埋め…よりp84』

またこの「構造」は北米とラテン・アメリカのその後の運命の違いも巧く説明出来ます。 『(資源に乏しい)北の13州は上記の発展によって労働市場から放り出されつつあったヨーロッパの農民や手工業者の大軍のはけ口(移民)となった。これら貧しくとも自由だった労働者達は、海の彼岸の新しい社会の基礎を築いた』『収奪…よりp236』

『買う国民は命令し、売る国民は仕える』と書いたのはキューバの英雄、ホセ・マルティーですが、それをひろく知らしめたのはチェ・ゲバラ。 南米大陸を縦断した彼にはそのことの意味を誰よりもよく理解していたに違いない。『コロンブスからカストロまで』より

しかし、いま何よりも我々に重要なことは、この歴史的教訓から何を得られるか?

<資源は繁栄を約束しない> 
膨大なオイルマネーが流れ込む中東の某産油国は、個人一人当たりのGDPはその間半分に減少し、9-11の実行犯の半数がこの国出身であることは示唆的。 逆に云えば、日本は資源が無いといって悲観することはない。 

 

さらに今、考えるに日本には隠れた資源がある。それは豊かな自然と日本を取り巻く大洋だ。特にエネルギー源を外から輸入している日本にとり、海上の風力と海流は再生可能エネルギーを生み出す源。これらからエネルギーを取り出す技術を開発すれば(この地震大国日本で数万年間安全に保管しなければいけない放射能廃棄物を生み出す原子力より求められる科学レベルは低いはず)化石燃料の自縛から解放される。これまで日本が努力しなかった分野。風力は潜在利用可能エネルギーのわずか1%しか利用していないと言うし、海流エネルギーに至ってはゼロ。

 

When I dream at night,,,

 

 

…これは私の誤解かもしれないが、より難しい原子力開発に向かったのは、核兵器開発という隠れた意図があったからではないかと疑っている。