予約していた『西域記』がやってきた。図書館からスタバに寄りランチ摂りながら、最初の二章を一気に読み上げる。兎に角、超~面白い。
内容は『西域記』そのものではない、もともと玄奘によるこの本は資料集みたいな膨大な書で本にまとめられるものではないらしい。ここで書かれているのはその背景であり、何故『西域記』が書かれたかの「謎」でもある。特に興味深いのは、その編纂の過程で編集係=「綴文」である弁機が謎の死=処刑を遂げざるを得なかったかの謎解きの書でもある。
同じようなものを先に『法顕伝』にも感じた。途中までマニアックに詳しく書かれているかと思うと、突然空白の部分がある。当時こうした記録は当然それをなす為に、時の権力からの莫大な支援が必要となり、その関係を暗示することになる。
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<似て非なるUber Eats>
最初にUberを知ったのは(正確には「滴滴」)中国での一コマだ。スマホを使い、目の前を走っていた車が突然Uターンしてきて、空港から市街地まで比較的低料金で相乗りできる。その後、この新規ビジネスを開発したのは実はUberであるのを知った。「滴滴」はそのパクリといえる。
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このビジネスモデルの画期性と可能性に気がついたのは、それがシェアー経済につながるとの理解からだ。先日まで読んでいた『脱・私有財産の世紀』そのもの。
それだけでなく、今や一家庭に一台の時代になった車社会も大きく変え、省エネと効率的移動手段の先駆けになる。(ついでに言えばこのキッカケがガラ携からスマホに替えた理由でもある)
…ところが、いま街でよく見かけるUber Eats、似て非なるものだ。
原因は、このコロナ禍で仕事を失った外食産業の従業員と外食産業そのものの存続の必要から爆発的に発生したものだが、これには先の先進的ビジネスモデルのカケラも見出せない。ただ、名前が同じだというだけだ。
労働者は「フリーランス」という耳障りのいいだけの日雇い、否、出来高払いの労働者として労働を切り売りしている。中国での外卖だと1件5元(注文主からの手数料)くらいなので、発注主の分(日本では受け取り人の倍)を入れても15元くらいではないだろうか? 日本だと2倍くらい高く、1件400~500円程度のようだ。平均的収入は本業38万円(確定申告の額が決め手のよう)程度で副業だと20万円くらいらしい。
https://osusume-baito.com/column/1842/
もちろん出来高制なので交通マナーも悪い。街ゆく人や車の間を交通ルール無視ですり抜けていく。万一事故が起こっても「フリーランス」だからUber Eatsがバックにあるわけではない。 もちろん保険はUber Eatsが用意しているようだが、正規ではなく「パートナー」という、これも耳障りのいい言葉で誤魔化している。
https://toyokeizai.net/articles/-/360556
『シルクロードの仏を描く』3
桑山政雄著*、「西域記―玄奘三蔵の旅」に弁機の死の謎が書かれているらしい。是非読んでみたいもの。p121 これについては以前も不思議に思っていたこと。以前、以下のように書いた。
『玄奘はトルファン(高昌国)まで、とても苦労したことが描かれているが、その後の道のりはその距離が膨大であるにもかかわらずそれほどではない。ここら辺の事情は玄奘の伝説的物語では少し不審な趣がある』
https://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/5651/trackback
カラコルムのフンザは1974年までは王国であったらしい。これはパキスタンにより吸収統治されたとか。p147 このフンザからキルギットまで100キロ。ここに「(カルーガ)カールーガの磨崖仏」があるらしい。p148 せめて簡単な地図が欲しいものだ! こんなところに不満が残る。
いずれにせよ、驚いたのはこのイスラーム勢力地区でこの磨崖仏の顔が破壊されていないこと。おそらく断崖に刻まれたもの壊すにも大変だったからだろう。
但し、幸いなのは今では簡単にウェブ検索ができること。このサイトでよくわかる。
https://hyouheki.blog.ss-blog.jp/archive/201908-1
因みにキルギット, GilgitをGoogle mapで調べると国境が確定していないように記載されている。フンザHunzaはその北方、直線距離で20~30キロに位置する。パキスタン、インド、中国の交差するところ。こうした情報が読者には重要なのだが、著者の興味の対象外のよう。ここでもGoogle mapが大活躍、読む時間以上に調べる時間が長い。
*ところで検索してみたが、桑山政雄著の本は見つからない。これは桑山正進氏の本の間違いではないか? 最初に書いた通り、借りてくるなり読み耽ってしまった。