『脱・私有財産の世紀』9 | Hiroshiのブログ

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今後不定期投稿となります

早めにアップしたのは梵さんのところでの議論の参考にするため。


<PCR検査率vs死亡率のモデル化>
昨日のそれぞれの国のコロナ対策としてのPCR検査率と死亡率のモデル化してみた。実際には時間の関数なので本当は動画で示すべきだが、それは元のサイトでみることができるのでそちらを参照してもらいたい。
https://ourworldindata.org/grapher/covid-19-tests-deaths-scatter-with-comparisons

1)日本は無策だが何故か幸運にも死亡率が抑えられている。但し今後も幸運とは限らない。
2)アラブ首長国連邦は人口が少ないことも幸いし高い検査率で死亡率も抑制されている。
3)アメリカは検査率を高めたが不手際もあり、なかなか死亡率が抑制されていない。経済格差=医療格差とPCRの結果判定までに時間がかかりすぎるとの指摘もある。
4)メキシコはPCR検査をしておらず、死亡率も上昇中。なお南米一般でこの傾向があるので心配。
5)デンマークは早期にPCR検査を拡大し感染をある程度抑えた。
6)英国はPCR検査が遅れ、高い死亡率を示す。

 

最終的には検査だけでなく医療体制や衛生習慣など死亡率に影響する様々な要因があるのは当然だが検査率向上で抑制効果があるのも事実。



『脱・私有財産の世紀』9
このCOSTには別の利点もある。それがアカロフの「シグナリング」とセイラーの「保有効果」に対する効果だ。

ジョージ・アカロフはあの『不道徳な見えざる手』の著者でノーベル経済学賞を取った人物でFBRのジャネット・イエレンの旦那さん。
https://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/5320/trackback

彼は「所有者は取引で有利に立てるようにワザと高い価格を表示」して、それ入手しようとする者から高値で金を巻き上げる。ところが、この「シグナリング」にもCOSTは税金をかけるので正直に価格を表示するインセンティブがかかる。「保有効果」に対しても同様。これは同じくノーベル賞経済受賞者のリチャード・セイラーの提唱した概念で、自分の保有するものには人は高い価値を感じ、これが取引に障害になるというもの。因みにこの効果は取引の経験の少ない人には顕著だとか。p118 このようにCOSTは色々利点がありそうだ。

彼らはこの仕組みをまず一部からスタートすることを提唱している。実験区ですね。その候補として国有財産でスタートする。p122 また税率として年7%程度がいいだろうともしている。p126  

<応用編>
それに沿って自宅の場合を考えてみる。30年もの住宅で、基本土地の上の家には価格がつけようがないとするなら、土地だけ。30年前と変わらないとするなら1,800万円(地価はこの30年で上昇どころか低下している)。年7%とするならば、固定資産税が何と126万円にもなる。<この計算でいいのか??  一方、役場から送られてきた現在の固定資産税は3万9千円とのことで土地代の0.2%程度と随分安い。

年7%ならば、とても払い切れる値段ではないので、直ぐ売り払いたい。しかしもし家族5人くらいで住んでいて、今も現役で仕事をしているならばどうだろう? 126万円は1月10万円程度の家賃になる。30年もの中古住宅だが庭・駐車場付きの二階建て一軒家で4LDKならば賃貸する人もいるだろう。実際、著者らはこのCOSTを導入することで資産は1/3程度安くなると試算している。つまり月7万円程度の家賃なら借りる人も出てくるだろう。今の相場は知らないが、そんなものでは?