『イスラーム書物の話』6 | Hiroshiのブログ

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今後不定期投稿となります

<数値目標>
https://www.youtube.com/watch?v=NYwFD0jP_Ks&list=PLrWxcegPNiyj-M05glrorpUrXekNDKejm&index=5
HKS1~3 #1~5。记住一个小时七分钟单词。

https://www.youtube.com/watch?v=2kD9FZ41WRg&list=PLoWkSnQu8dvFgVtV-AtBM3YRzbUVGljTc&index=92
#91~92 ブレチャイな,学了十六分钟语法。一共一个小时二十三分钟。

运动;爬山散步250kcal和一个Zumba课。



<地域防災パトロール>
土曜午前中は「地域防災パトロール」に組長として参加。地元の小中学校の生徒も参加して防災地図作成プロジェクト。町内を隈なく回りながら危険箇所を確認、地図に記入。以前話題にした法面は高さもそれほどでなく問題はなさそうだが、意外と高い石垣とブロック塀を発見。生徒が巻尺で高さを測定し、ヒビ割れを確認し写真を撮る。

消火栓と上水道は同じ水源であることを初めて知る。つまり断水すれば消火には使えないということ。色々勉強になりました。

 





『イスラーム書物の話』6
イスラーム世界で印刷がおくれたのは、すでに写本の大量生産システムが幹部していたからだとの指摘は重要。とかく我々は学問の世界でも伝統的な西欧中心世界観がある。

「オスマン朝社会における本」の章で著者の林氏は遺産目録から市民がどのような本を所有していたかを解析する。同様な遺産目録の解析から西欧における脱宗教化の過程を数量的に解析したあのM. ヴォウヴェルの研究を思い出す。
https://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/15/trackback

16世紀初頭のオスマン朝社会では遺産としての本の数は少ない。31人のうち本所有者は6名。またこの時代、面白いことに「トルコ語の本」という形で宗教以外の本が表現されていたということ。p258 オスマン朝の初期ではトルコ語ではなくアラビア語が公式には主流ということ。17世紀になると1000人のうち240人(女性はうち31人)が本を遺産として所有していたとか。なお本所有者の遺産総額は平均より上回るというのは当然だろう。p259 さらに18世紀になると36人のうち10人。つまり、16~17世紀の2割から、18世紀には3割に上昇している。この1割増しが有意かどうかはわからないが、こうした数値化は重要だ。

ここまで読んだところで、現代のイスラーム社会における書籍について知りたくなったので少し飛ばしてIII部に進む。ここではデジタル化移行のイスラーム社会での書籍についての紹介があるからだ。

最初にクルアーンの刊行について書かれていたが、ここで長いこと誤解していたことがわかる。以前、イスラーム世界では「異端」「異説」ということが少なく、異説や異本も残っていたと述べたことがあるが、どうやら誤解していたらしい。
https://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/111/trackback

実際は以下のことのようだ。正統カリフ3代のウスマーンが正典のクルアーン(ウスマーン版)を刊行したしたのは有名だが、それ以外のクルアーンはこれまで見つかっていないらしい。実際、欧米の研究者(私も先の言説はその欧米の研究者の本から得た知識だが)が「ウスマーン時代から伝承され続けていると信じている」との説明は事情が異なると著者の小林氏はいう。ウスマーン版以後、それ以外のクルアーンは存在せず、「完璧なまでに」正典化事業は成功したらしい。ただ、問題は先にも話題にした通り、アラビア文字は発展過程の初期にあり、3つしかない母音記号すらも付されておらず、複数の読み方が可能であり、また息継ぎの場所も不明で、複数の区切り方が可能だということは、これらのことによりクルアーンの解釈も変わってくるということらしい。p389

それ故、異端・異本というよりも解釈違いに相当することが起こったということだろう、あの正統カリフ3代のウスマーンがクルアーンの正典化を急いだのもこの朗読の違いを聞きつけ彼自身が恐慌に陥ったことによると先にも記した通り。
https://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/5954/trackback

さて、エジプトではナポレオンによる侵攻(AD1798)は日本の「黒船」に相当するほどの衝撃だったとのこと。これがあのオスマントルコからの独立。ムハンマド・アリの王朝の成立と近代化に影響を及ぼしたらしい。ここからエジプトでは印刷が急速に普及する。

クルアーンは20世紀、広く庶民の間にも普及したが、ハディースは学者が専門的に扱うものらしく普及はそれほどでもないらしい。p416 ところがハディースはクルアーンに比べ膨大な量で総数は推定によれば12万にも及ぶとか。p417