医師と看護師との連携をどういった形ですべきかの答えの多くは概念ではなく現場にあると思います。

現場がアイデアを出さないと、どういったことが真に必要かはわからないのではないでしょうか。

多くは、看護師という職業に特徴的な、ベッドサイドに24時間いるというところから、

異常の発見のための観察、薬剤等治療の効果判定、治療を受けられる状態かの判定、といった視点がネックになると思います。


僕は救急にいるスタッフとしていくつか思いつくものがあったので考えてみました。


【ケース①】

例えば、脱水があって、それを補正している患者さんがいたとき、脱水が本当に補正できているのかを、心拍数や血圧確認します。

また、少し専門的な話をすると、脱水になると細胞外液が滅ると皮膚・粘膜の乾燥,肌の張り,頻脈,低血圧などが生じます。

さらに立位にしたときの起立性低血圧や脈拍の増加,頸下口唇と,それから連続する歯肉の間のところの湿潤度を見たりします。ここはどういう状況でも,細胞外液量をよく反映すると思います。皮膚では,腋下の脱水の評価をします。

そういったことを見た上でDrに報告すると、治療がスムーズに行なわれます。


【ケース②】

呼吸器に繋がっている人は、少しずつ呼吸器を外せるように、呼吸器からの補助に少なくしていきます。

その過程で、補助を少なくするタイミングやスピードが早いと、患者さんは疲れてしまい、呼吸筋疲労という状態になります。2kmしか走れない人が、10km走れといわれれば疲れてしまうようなものです。

そういった人は、また疲れをとってあげないと走れません。

ですので、また呼吸器の設定を戻す必要があるのです。

そういった疲れている評価を早くしてあげないと、患者さんはどんどん疲れていってしまいます。そうすると、疲れを取るのにも時間がかかり、結果的に呼吸器を外すまでの時間が長くなってしまうのです。

そこで、24時間側にいる看護師がその評価を呼吸器の補助をすくなくしてあげることが、呼吸器からの外れるまで期間が短くなると、アメリカの文献でもでています。


【ケース③】

在宅で床ずれ(褥瘡)がある人のケアは、いつも側にいる看護師が行ったほうが時間経過による変化や治療効果を評価でき、すばやい対応ができると言われています。



このケースから分かることは、看護師が、は呼吸器を自由に動かせたら、患者さんにとってもいいことがわかります。もちろん難しいケースは、医師や呼吸療法士等のチームで話合います。

そのときも、基本となる情報は看護師もっていることが多いです。

一番患者の側にいる看護師だからこそできることがあります。

最近ではトリアージナースといって重症度を救急外来で判定する看護師も出てきています。


そういったことを生かして生きながら、適切な看護師と医師のバランスと連携をしていけたらいいなと思います。

そのためにも、臨床の看護師からそういったアイデアを出していかなくてはいけない、そしてそれを蓄積していかなくてjはいけないと思います。


患者の為のに何ができるのか、それは、一人ひとりの勉強やスキルアップによるものだけではない。

今ある資源でどう最大限のものを患者に提供するのか。

看護の業務拡大の歴史もそういった側面があります。

医師の業務が拡大してしまって、それによって、医師だけしかできないような仕事に手が十分回らない。

それだったら、看護師に任せてもいいんじゃないか。

ただ、医師の仕事というのは、法律で


医師法(昭和23年法律第201号)
第17条 医師でなければ、医業をなしてはならない。


と決まっているため。これは言い換えると、医業=医療 であるため、看護師が行う中の医学的な側面は大概、医者はできる。

そのため、看護師の業務拡大というのは、医師がすることをどのくらい看護師に引き渡すのかということです。

また、上記の法律の解釈として、医業の責任者は医師であるため、看護師にやってもらって問題が起きないかどうかの評価は結構大切なことです。

任せたけど、患者さんに不利益なことになった、では責任者に大きな責任が推しかかることは目に見えてます。


ただ、看護師の教育水準の上昇、医療の複雑化、患者数の拡大とスタッフの減少により、看護師の業務拡大がされてきました。


NP(ナースプラクティショナー)という簡単な診断と、処方できる看護師がアメリカで活躍しているんですが、それを日本でも行おうかという動きがあります。

どういった方向に行くかはまだ見えないですが、これも一種の看護師の業務拡大ですね。

ただ、業務拡大が絶対的にいいのではなく、状況にあった業務の拡大が必要であると思います。

看護師の業務をいたずらに増やすことは、離職につながります。

ただですら、現在看護師の数が少ないし、将来的不足が予測されているため、しっかり現状を見極めるべきだと思います。

これからも、チーム医療を考える会の議論には注目ですね。


しかし、大切なのは、日々臨床で働いている看護師が、もっとこうやったら業務の効率がいいのに、患者さんにとっていいのにを考えて積み上げていくことが第1に大切なことだと思います。



★昭和26年9月 「保健婦助産婦看護婦法第37条の解釈についての照会について」
(厚生省医務局長通知)
○ 静脈注射は、薬剤の血管注入による身体に及ぼす影響の甚大なること及び技術的に困難であること等の理由により本来医師又は歯科医師が自ら行うべきもので法第5条に規定する看護婦の業務の範囲を超えるものであると解する。


★昭和40年7月 「麻酔行為について」 (厚生省医務局医事課長通知)
○ 看護婦が、診療の補助の範囲を超えて、業として麻酔行為を行うことは、医師法違反になるものと解される。

★★看護師等による静脈注射の実施について
○ この行政解釈が示されて以来50年以上が経過し、その間の看護教育水準の向上や、医療用器材の進歩、医療現場における実態との乖離等の状況も踏まえれば、医師の指示に基づく看護師等による静脈注射の実施は、診療の補助行為の範疇として取り扱われるべきであると考えられる。


平成14年9月 「看護師等による静脈注射の実施について」
(厚生労働省医政局長通知)
○ 医師又は歯科医師の指示の下に保健師、助産師、看護師及び准看護師が行う静脈注射は、保健師助産師看護師法第5条に規定する診療の補助行為の範疇として取り扱うものとする。

患者にとってどういったチームが理想なんだろうか?


それは、見る角度から見て違うのかもしれません。

たとえば脳外科でのチームについて考えてみましょう。


日本人の患者からみると、腕の立つ脳外科医がいることが第1選択ではないでしょうか。いい看護師がいるということはあんまり思いつかないのかもしれません。


医療者からみるとどうか。

いい医者がいて、いい手術室看護師がいる。そして術後の観察をしてくれる、いい観察眼がある、看護師がいて、異常があったら早期にしらせてくれる。そして、いい時期に安静度のUPや食事の開始をして、意識レベルの経時的な変化を教えてくれる。またリハビリも早期からしっかりしてくれる作業療法士、理学療法士がいて、食事の管理は言語聴覚士がやってくれる。そしてすぐに転院先を考えてくれるソーシャルワーカーがいて、退院後もフォローアップしてくれる在宅看護がある、ほうがいいと思うはずです。そこまでは、患者さんはわからないものです。


ただ、人が変われば視点はまた変わります。

国レベルでチーム医療を見たときにどうなるか。

そこには、現在の人的資源、施設数、人口構造・経済状況の変化による未来の見通しを加味して考えないといけない。

それを考える検討会が2009年8月28日に厚生労働省にできました。


『チーム医療の推進に関する検討会』

チーム医療を推進するため、厚生労働大臣の下に有識者で構成される検討会を開催し、日本の実情に即した医師と看護師等との協働一連携の在り方等について検討を行う。

とあります。


この検討会は、経済財政改革の基本方針2009(平成21年6月23日間議決定)

で以下のように通達が出てきまりました。


医師と看護師等の間の役割分担の見直し(専門看護師の業務拡大等)について、専門家会議で検討を行い、平成21年度中に具体策を取りまとめる。

を考えるようです。


各職種が何ができるのかを明らかにして、有効な人材の利用をするべきです。

今日本は医師不足、看護師不足を迎えています。今後高齢化に伴い、もっともっと不足してくるでしょう。それは、内閣府が出した試算でも明らかです。

そんなさなか、医療職の中で多い看護師の業務拡大はまさに今求められています。


次回のこの検討会が10月5日にあります。

それまでに少し前回の内容をシリーズで振り返ってみたいと思います。


次回『看護師業務拡大の歴史』