〜閲覧注意〜
Sさんの結○ネタです。前記事のアナザー的な…
rainのお話的な着地点はこういう感じで
貴方も喜んでくれている頃だろうか
それとも悲しみに暮れている頃だろうか
前者でも後者でも、もう後戻りはしない…
…俺、結婚するよ…
諸々また迷惑かけるけどごめんね
たった2行、送る手はスムーズで迷いなんて一切なかった
俺は夢に描いた幸せを手に入れるから……
しばらく経ってから返ってきた返信は、やっぱり貴方らしくて、おめでとうの後ろに🍀…
たったそれだけ…
呆気ないもんだ…でも、離すもんか…やっと手に入れた幸せだ…俺はスマホをテーブルに置くと、妻の隣へ腰掛けた…
『…明日だね、ドキドキしちゃう…』
『……………』
『…?翔?…聞いてる?』
『ん?…聞いてるよ…それよか明日は大変だろうからもう寝れば?』
『大変なのは翔でしょ?…明日も収録あるし…』
『別に、大したことないし…』
『ちょっと!私にとっては大した事なんだけど!』
『…あ、そうだ原稿まとめなきゃだ、先寝てて』
『もー、私たち新婚なのにぃ…』
『ふふ、ごめんごめん…』
新妻の小言もほどほどに、俺は書斎に入る…
今は普通に仕事がしたかった…明日になったって別に何も変わらないし…
コンコン…
『…翔?仕事中ごめん、スマホなってたから』
カチャ…
『ありがとう…おやすみ……』
いつものように微笑むと、頬を赤らめる妻…そのまま何も言わずに寝室へ向かったようだ…
母親からの着信に折り返す…
『…もしもし翔?、今電話大丈夫?』
『うん、大丈夫…今原稿書いててリビングに置きっぱだっただけだから』
『そう…相変わらず忙しいのね……』
『ありがたい事にね』
『おばあちゃんも喜んでたわ…いよいよ明日ね』
『…うん、また改めてばあちゃんとこ行くよ』
『……なに?お袋…』
『ふふふ、別にね、なんとなくそわそわしてるみたい私……翔のことなんだけどね…』
『まあね、少しの間迷惑かけるけどごめん』
『いいのよ、気にしないで…それより….…貴方…本当に大丈夫?』
『………大丈夫だから結婚する…心配するなよ…あいつも良い子だったろ?』
『そうね…そうなんだけど…』
『変なお袋…なになに?もしかして可愛い息子が取られちゃうのが寂しいのぉ?』
『バカね、くすくす…ただ……ううん、やっぱなんでもないわ…ごめんね、遅くに…』
『なんだよ、気になるじゃん』
『ううん、本当になんでもないわ、寂しかっただけなのかも…ふふふ、もう切るわ、おやすみ…』
『なんだよ、もう…じゃあ、またね…おやすみ』
母には…少し分かるのかもしれない…
そばで見てきた俺のことが……
夕方、俺と相葉君、双方の結婚の話が発表になると、鳴り止まないスマホ、電報、事務所も同じ状態だったみたいだ…夜遅くまでその状態は続く…
笑顔を貼り付け対応する…もう慣れた…
深夜…スマホが鳴った…
『…翔さん?ビックリしたよ…おめでとう』
『あぁ、ありがとう…やっと発表できた…』
『まさか今日だとはね、あ、もう昨日か…』
『相葉君と相談して同日にしたんだ…』
『ふーん、相葉君も嬉しそうだったよ…さっき電話で話したけど…』
『うん、色々また騒がせるけどごめんね』
『全然、俺はいいよ、めでたい事だし…』
『サンキュ…』
『……何も聞かないの?』
『何が?』
『俺の隣、さっきまであの人いたよ?』
『………そう、元気にしてた?』
『…そうだね、相変わらず飯食ってんのか心配になる感じだったけど、元気だったよ』
『……そうか』
『翔さんの結婚…ほっとしたって…リーダーって感じだよね…嬉しそうだったよ…』
『……そう、なら良かった…』
『うん…じゃあ、もう遅いから切るよ…ごめんね、とりあえずおめでとうが言いたかっただけだから』
『ああ、マジでありがとう』
『いえいえ、こちらこそありがとうだよ…』
『…………じゃ、またな、松潤も色々忙しくなるけど頑張れよ』
『ああ、もちろん!じゃ、おやすみ』
ボスッ!!
スマホをソファに乱暴に投げ置いた…
ねえ貴方は今笑ってる?
松本に慰められて、縋って泣いたの?
抱きしめることも、背中をさすることも、口付けを交わすことも…できないけれど…
俺は幸せだよ……
幸せすぎて震えるほど……
貴方が思い描いた光景だよ…ちゃんと見ててよ…
子供は何人欲しい?貴方が望むなら、毎日女を抱くよ、貴方が望むなら…そう、なんでも……
あの日、貴方が手を振り解いたあの日…
俺は永遠を手に入れられたと打ち震えたんだ…
結婚式やるからさ、絶対に来てよね…
貴方が望んだことだよ…
逃げないでね.……
そこで真っ白な俺と妻を、その澄んだ目に焼き付けて…
そこで選んで…
俺と共に生きるか
一生代わりにされ不幸になる女を祝うか
皆の前で捨てられて不幸になる女を祝うか
智君…
貴方が選んで……
俺は…
ちゃんと望み通りに動いた
だから貴方との時間を無かったことにはしない…
次は貴方の番だよ…
智君…
fin