「お母さんが今ここにいて欲しい。お母さんなしでは生きていけないよー。」 涙を一杯流して、高機能の自閉症の7歳のアルは言いました。彼とは、数ヶ月セラピーをしていませんでした。ご両親が離婚をして、お母さんとアルは家を出たのですが、住むところが見つからず、家を転々として、最終的にはお婆さんの家にお母さんなしで住むことになったようです。お母さんもお父さんもトラウマやメンタルヘルスが良くなく、お婆さんともお母さんは連絡がつかないこともあるそうです。
お婆さんがアルが非常に苦しんでいるのを見て、私に連絡を取って来られて、セラピーをまた始めることにしました。
アルは30分くらいわんわん泣き続けました。私は聞いてあげて、「ごめんね。」「悲しいの分かるよ。」「またお母さんと一緒に住めるようになるよ。」と力づけました。
そして、「お母さんがそこに居ないのはアルのせいではないよ。」と私が言うとアルは「僕のせいのような気がする。」と言って、またひどく泣き始めました。アルの責任ではないと何度も言い聞かせました。
そして、泣き止んだのをきっかけに、昔セラピーをしていた時にいつも見ていたビデオを、私が画面に写しました。このビデオは子供が色々な場面にいてその時に感じている感情を考えるものです。「アルはこれ上手だったよね。一緒に見よう。」そしてビデオが始まると、彼の顔に笑顔が戻りました。「僕これ覚えてる。僕これとっても上手だよ。」しばらくして、「なんだかハッピーになってきたよ。」
「アルはお母さんなしでは生きていけないって言ったけど、学校に行った時お母さんいなかったよね。でも大丈夫だったね。だから、お母さんが今いなくても、大丈夫だよ。お婆さんもアルの事大好きだよ。」と私は言いました。アルは「そうだった。学校はお母さんなしに行った。」
子供がこのように苦しむのを見るのは心が痛みます。ご両親が早く良くなって、彼がお母さんとまた住めるようになったら良いと思います。でも、そうならないかもしれないから、彼の中にある力を彼が見つけれるように、助けてあげようと思います。


