ヴィーガンてなんすか⁇ | AID - Animals In the Dark

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Blog by graphic novelist Yeasty Kemonogi.
漫画家獸木野生のオフィシャル・ブログ。著作PALM(パーム)、
ペット、アニマルライツ・コミュニティAID活動、旅行記他。
甲斐犬MIXハリーと黒猫ジェームスをはじめ
ブログに登場する主な犬猫は、保護された子たちです。

*獸木野生は2019年現在、ベジタリアン、ヴィーガンではありません。
*この記事には以下のような項目があります

・ヴィーガンて何?
・環境とヴィーガン
・アニマルウェルフェア
・アニマルライツ
・優しい社会と罪悪感
・やめずに減らすプラネタリー・ヘルス・プレート


*獸木がメルボルンで食べたヴィーガン・バーガー



ヴィーガンでもベジタリアンでもないけど、重度の乳製品アレルギーで、ほんのちょっとの乳製品が混入したものを食べただけで激しく吐き続け、一週間はダウンし、元々悪い肝臓にも更にダメージを与え、その都度寿命が短縮してしまうため、特に外ではチョイスがあれば最も安全なヴィーガン食を選んでいる最近の獸木。

飛行機に乗る時の機内食もヴィーガンにしてもらい、命に関わる都合上、ヴィーガンと間違えられるくらいにヴィーガン・ムーブメントを注視・応援して、日本にも一部海外と同じくらいヴィーガン食が普及する日を熱望しているのだが、

未だに
ヴィーガンてなんすか?
と、結構聞き返されることがある。


そこで

ヴィーガンでもベジタリアンでもない獸木が、特にヴィーガンでもベジタリアンでもない皆さんに、意外に人類全体に関係のあるヴィーガンとそのムーブメントについて解説しよう。




*コレはカンタスのとっても美味しくてお腹の調子もよくなるヴィーガン機内食



ヴィーガンてなんすか?

厳密なことはウィキとかをググッて読めばわかるので、大雑把に解説させてもらうと、
ベジタリアンの厳格なやつ
みたいな感じである。
お魚も、はちみつも、乳製品も一切の動物性のものを口にしないし、身につけたり、使うこともない。
当然表記の基準も厳格なので、レストランのメニューにヴィーガンと書いてあったら動物性のものは一切入ってないことになる。


ヴィーガンになる理由や動機は人によって違うが、獸木は基本的な精神はアニマルライツ、ひいては自然や環境へのリスペクトにあると解釈している。

ヴィーガンは動物性のものを摂取・利用しないだけでなく、オーガニック、サスティナブルな環境を重視した生活スタイルを心がけている人が多いようだ。



ヴィーガンは環境最前線トレンド?

獸木野生がヴィーガンでもベジタリアンでもないことを思い出しながら読んでほしいが、獸木は以前から人類はこの先菜食化するのではないかという気がしている(肉食とかは減るけど虫とかは今より食べるようになるかも知れません)。

PALMを書いているおかげで1980年代後期くらいから環境問題や世界で起こっていることを勉強させてもらっているが、いろいろなことを体系付けて見てゆくと、どうも他に選択肢がなさそうなのである。

もちろん研究者でもなんでもない人間の予感で、頑張って化学的論理的にリポートを書く根性もないが、それなりに理由を説明していこう。

大規模に商業化された畜産や、お魚など野生の生き物を大量に摂取することの自然環境への深刻な影響はずっと前から言われていて、かつても大きな外食チェーンが南米の熱帯雨林を大規模に伐採して牧場にしたり、人間が利用して来た海洋生物が次々絶滅の危機に瀕したりといったことに、環境団体がキャンペーンを展開して、解決したものもあれば問題継続中のものもあるが、最近話題の温暖化も、解決のために必要な人類全体の行動の大部分を占めるのが食の改善だということがあちこちで言われ始めている(以下のリンクとかを見てね)。

・WWF報告書、温暖化対策は食生活の見直しから:
http://www.alterna.co.jp/21913


・ベジタリアンは、地球温暖化を抑止できる:
https://search.yahoo.co.jp/amp/news.livedoor.com/lite/article_detail_amp/11351315/%3Fusqp%3Dmq331AQNKAGYAa-Tgc21wp2HAQ%253D%253D


上のリンクをざっと見ても、遅かれ早かれ人類が動物性の食べ物を減らして行くことは不可避なことがわかるが、変化は今もいろんな要素が絡み合いながら徐々に起こっていると思う。

例えば、獸木のような乳製品アレルギーの人がどんどん増えているのも偶然ではないかもしれないが、それはさて置くとして、際立った動きとして進行形なのがアニマルウェルフェアだ



アニマルウェルフェア

アニマルウェルフェアとは:
http://animalwelfare.jp/whatis_aw/


アニマルウェルフェアは、大雑把にいうと家畜やペットなど人間に利用される動物に対する動物福祉のこと。
つまり最終的に殺して食べてしまったりするにせよ、それまではなるべく元気で快適に幸せに過ごせるようにすることで、動物を食べるのをやめよう、というヴィーガンの精神とは異なる。

アニマルウェルフェアについては獸木もAIDとして以前ブログを書かせていただいたよね。

・幸せな豚が人類を救う?:
http://ameblo.jp/bigcatstudio/entry-12117710830.html


幸せな家畜が具体的に消費者の健康に良い理由はこのリンクにも書いてあるよ。

・薬剤耐性の問題から考える、日本の畜産と「食」のあり方:
https://forbesjapan.com/articles/detail/27477


こんな風に、アニマルウェルフェアは獸木のようにまだ動物を食べてる人間でも関心を持ったり、応援したりするに値するサブジェクトだ。お肉をモリモリ食べる人だって、残酷な方法で育てられた家畜より幸せに生きた家畜を食べたいと思うし、体に悪い影響のある食べ物は避けたいよね。


下の搾乳牛飼い方の色々が説明されたリンクでは、動けないように繋がれた状態から、のびのびと過ごせる放牧までの、何段階かの自由度の違う飼育法について解説されているよ。

みんなも知っているように、家畜の拘束飼育には本当に全く身動きできないように箱型のスペースに入れたまま死ぬまでそこで過ごさせるホラーのようなものもあって、良識のある人でも普段はそんな画像を避けたりするが、ここに出て来るのはそこまでショッキングな画像じゃないので、とりあえず見てみてね。

・搾乳牛の飼い方の色々と現状:
https://www.hopeforanimals.org/dairy-cow/freebarnfreestall/



なんかだんだんヘビーになってきたが、とにかくアニマルウェルフェアはそんな風にして家畜の幸せを大切にし、大規模に商業化工業化された畜産から脱却していこうという動きで、国によっては規制がかなり進んでいるところもある。

これが進んでゆくと畜産はコストのかかるものとなり、肉や卵、乳製品は高級に、そして流通量も今の工業化された畜産に比べて減るだろうことが想像できる。
こういった時代の大きな変化の中では、今までやってきた事業の見直しや改革が必要になったり、転職が必要になってくる人も出てくるだろうから、そういう事業や人たちへの行政支援なども大切になってくるだろう。

政策の中にアニマルライツが入っているかどうかはわからないが、アメリカの気候変動対策のための政策、グリーン・ニューディール(Green New Deal)には、エネルギー政策の転換により失業のおそれのある労働者向けの経済保護政策なども盛り込まれているそうだ。

・民主党、グリーン・ニューディール下院決議案発表。再エネ100%転換等の気候変動対策:
https://sustainablejapan.jp/2019/02/11/green-new-deal/37264


とにかくそうやって肉や卵、乳製品のあり方が変わると、必要上人類全体の菜食率も上がってゆく計算になるんだね。

お肉が高価になるので、代替としてヴィーガンミート(植物性のもので作られた肉)などもおそらく多く出回るようになり、味も普通の肉と違わないものもできるはずで、ヘルシー志向の人などは迷わず植物性ミートを選ぶだろうし、特別な体質で医者の指示でもない限り、もはや肉食にこだわる理由そのものがあまりなくなって来る。

・2040年にはほとんどの肉が植物性に?:
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190616-00000002-courrier-soci


現在でも、海外ではファーストフード店などでもビーガンミートを使ったハンバーガーを売りだしたりしていて、お肉のバーガーとほとんどわからないものもあるらしい。

https://business.nikkei.com/atcl/report/16/051100135/051600005/


*上のリンクのサイトからお借りした画像です



獸木はハンバーガーは単に重すぎて食べられないためもう10年くらい食べていないのだが、逆にそういうバーガーだったら食べられそうな気がするし、健康やコレステロールを気にする人たちも嬉しい選択肢となるわけだ。

実際去年オーストラリアのメルボルンに10日くらい滞在したときは、カフェなどにヴィーガンのメニューがたくさんあったので、肉や魚が入っていた食事は全部で4,5回くらいだったと思う。
この記事に載せさせていただいた美味しそうなヴィーガンフードの写真はみんなその時に撮ったものだよ。


コレとかもね







ぼちぼち大詰めだが、人類が菜食に移行しそうな要因として、一番潜在的にパワーがありそうで、今はややタブーを含むのは
罪悪感
だ。



アニマルライツ


アニマルウェルフェアと一緒に今ムーブメントになっているアニマルライツ。
つまり人権と同じく動物の権利を守っていこうという考え方で、獸木野生が参加しているコミュニティAID(エーアイディ/Animals In the Dark)もアニマルライツについて発信もしているところだね。

・AIDホームページ
http://www.ac.cyberhome.ne.jp/~bigcat/index.html


最近はペットブームになって、ペットを家族として大切に考える人もとても多くなっているよね。
AIDでは犬猫里親会への支援を中心に活動しているので、犬を預かるボランティアの方や、保護犬猫の里親になった人とも多くご縁があるが、みんなそれはそれはペットを大切に、愛情深く育てている。
一般的にもペットが死んでしまうと、家族が亡くなったのと同じように心のケアが必要になることもあるため、ペットロスなんて言葉も普及しているね。

また人間の世界でも、以前は放置されてた体罰やDVやセクハラなどへの法や社会の対応が変わって
、どんどん世の中が非暴力的で優しい方向に向かいつつあるよね。

そんな暴力を否定し、命を大切にする優しい社会、そして動物を愛し家族として守ってゆく風潮の中で、動物を殺して食べ続けることの矛盾にいつまでも耐え続けられるほど、人間は鈍感ではない。

獸木自身は今でも自分では、動物を殺して食べることに罪悪感はないと思っていて、じゃあ殺してさばいて食ってみろ、と言われても、ハンティングとか、自分が扱える重さの動物の解体くらいならまだなんとかできそうな気さえする。
もう一度リンクを載せておくけど、「幸せな豚が人類を救う?」のブログの冒頭でもいかに肉食に喜びを感じるかという告白をしたよね。

・幸せな豚が人類を救う?:
https://ameblo.jp/bigcatstudio/entry-12117710830.html


しかし、そういう獸木には、肉を食べることに関して、本当に罪悪感がないのだろうか??


ヴィーガンやベジタリアンと、そうでない人の間には、表面化してもしなくても常に一定の確執がある。
動物愛護の精神でヴィーガンやベジタリアンになった人は肉食にどうしても嫌悪感を覚えるし、そうでないでない人はヴィーガンやベジタリアンの存在に批判されているようなプレッシャーを感じる。
こうした確執、特に激しい感情を伴うものは、罪悪感から生まれる。


AIDの活動を行う都合上、獸木はほぼ毎日FBとかでNPO法人のアニマルライツセンターの記事をチェックし、虐待される家畜の動画なんかも度々見ている。
アニマルライツ関連のアップデートなどをシェアするのがボランティアの仕事の一つだからなのだが、こういった残酷な動画はよほどのことがない限りシェアすることはない。

コミュニティの人たちが、そういった動画に嫌悪感を示し、見たくないのを知っているからだ。
そういった画像を見たら即座に流した人をブロックする、という方の告白も聞いたこともある。

もちろん朝一番でそんなものを見てしまったら1日が爽やかでなくなるのは理解できるし、獸木自身も全然見たくはない。
その感覚はスプラッタ映画はもういいかなと思うのとほぼ一緒だが、ほんの少しだけ違うところがある。
そのほんの少しのスパイスが罪悪感だと思う。
なんでかと言うと、罪悪感のないヴィーガンの人たちはそういう画像をバンバン見て流してるからね。


ではこの際だから、気持ちを新たにして?我々が普段慎重に避けてるような動画や画像を見てみようね。


*バタリケージで卵のために飼育される鶏。現在平飼いや放牧と表示のない卵はこの方法で飼育されている。アニマルライツセンターのポストからお借りした写真です。



そして、アニマルライツセンター・ホームページの畜産動物問題のサイト。
普段口にしているお肉などがどのように作られているか、その現状の数々がアップされているよ

・アニマルライツセンターの畜産動物に関わる問題のサイト:
https://arcj.org/issues/farm-animals/



そしてこれはアニマルライツを訴えるデモの様子。学生さんなどを中心に、頻繁に行われ、現状を訴えているよ。

・動物はごはんじゃないデモ行進2019:
https://www.youtube.com/watch?v=jw9Zov9Ev4s&feature=youtu.be


興味を持った人のために、アニマルライツセンターのホームページも載せておくね。
アニマルライツの最新情報にいつでもアクセスできるよ。

・NPO法人のアニマルライツセンターHP:
http://www.arcj.org



さあこの辺で、もう一度コレを書いてる人がビーガンでもベジタリアンでもないことを思い出してね。

ビーガンになりたいけど乳製品をやめるのが難しいからベジタリアンという人もたくさんいるのに、健康上の理由で乳製品を一切食べられず、そもそも食べ物を普通の人の半分くらいしか摂取できないからお肉も血液を補うためのサプリのようにチビチビ食べてる獸木がなんで菜食にならないのか、側から見たら理解に苦しむだろうが、それはそれとして、様々な健康上の理由やダイエットで動物性タンパクを減らしたいと思っている人、そしてアニマルライツについていろいろ検証した結果、自分も肉食や乳製品なんかを減らして行きたいと思った人には、肉食を止めるのではなく減らしていく


プラネタリー・ヘルス・プレート

というスタイルもあるらしいよ。


・プラネタリー・ヘルス・プレートについて/ 環境のために肉をやめる? ベジタリアンにならなくても大丈夫。こうしてみて:
https://www.gizmodo.jp/2019/02/planetary-health-plate.html



自分の意志にしても健康上必要に迫られてにしても、動物性食品を減らしたり食べられなくなった時のハードルは

じゃあ何を食べたらいいのか?

ということだ。

大豆タンパクを摂ればオッケーと言っても、冷奴ばっか食べるわけにもいかないし、日本ではビーガン食品がどこでも売ってたり、ビーガンレストランが軒を連ねてるわけじゃないから、言うほど簡単ではない。 

*メルボルンのカフェのヴィーガンチーズのお料理

乳製品を食べられなくなって実感したところでは、社交にもかなり支障をきたす。
人間関係って結構一緒に何か食べることで成り立ってるからね。
特定のものが食べられないと、みんなに理解してもらうことを含めて、生活上の様々な調整が必要になってくる。


最近はパーティなどに呼んでいただいた時(まず先に、自分に食べられないものがあることは気にせずに呼んでくれと触れ回る必要もある)、ベジタリアンの友達と一緒に、自分たちの食べるものだけそのお家で勝手に作らせていただくことも多い。
色々あるが、とりあえず最低でも自分で料理はできた方がいいと思う。



そんなわけで...

最後に獸木が乳製品食べられなくなってから、自分が使うために乳製品不使用やベジなどのレシピをアップしたブログのコンテンツをシェアしておくね。
DFと言うのが乳製品不使用、VがベジタリアンでVGがヴィーガンのレシピだよ。

今のところスイーツ中心だが、これは乳製品食べられなくなるとスイーツ系は全滅になるためなので、大目に見てほしい。多分そのうちおかずのレシピも増やしていくと思うんで...


・さよならのレシピ:




では、どなた様も健康でいつまでも美味しいお食事をモリモリ食べられますように🙏😇

*メルボルンのビーガンケーキを扱うケーキ屋さん



ボナペティ〜