黒い彼の命日がもうすぐ来ます。
突然の余命宣告を受けた夜、嫁さんは実家に帰っていて僕ひとりのベッドに上がって来た。
もう身体が辛い状態でベッドに上がるのも大変だったはずなのだけど。
いつもは顔をこっちに向けて寝るんだけど、お尻を向けて寝た。
色々話しかける度に尻尾をゆっくりとパタ、パタと振っていた。
ある知人に「猫が尻尾を振るのは不快な証拠」と聞いていて。
それでもね、話しかけずにはいられなかったんです。
それから二日後に逝ってしまったんだけど、ずっと尻尾の事が気になっていて。
大好きな嫁さんと過ごしたかったんだろうな。
ってずっと心に引っかかっていました。
先日、白い猫を健康診断に連れていた時に獣医さんに「ゆっくりパタパタ振るのはリラックスしている証拠ですよ。あなたの呼びかけが嬉しかったんでしょう。」って言われて、その場で涙がポロポロ出てしまって。
看護師さんに良い歳して背中をさすられてしまいましたが。
それまでも違和感は感じていたんです。
「あれ?今機嫌良いはずなのに?」って。
機嫌が悪いという話をした人は「猫師匠」と尊敬していたので盲目的に信じていたんですね。
後日その話をしたら「それは、早く動かす時ですよ。詳しく話さなかったかしら…」
聞いてません…けど、自分の気持ちを信じていれば良かった話ですし、調べる事も出来た話です。
反省しきりです。
でも、最後まで看取らせてくれて良かったんだと思えたのは救われた気分でした。
ウチに来て良かったと感じてくれていたよね、と。
お墓が近くにあるので自転車トレーニング中に週に2、3回前を通った時はお参りしています。
若い頃は「お墓に話しかけるのはなんか照れ臭いな」とか思ってましたが、この歳になると普通に(笑)
彼が好きだった嫁さんの事とか、相棒の白い猫の近況とか。
またそのうち向こうでね。