生存率と簡単に言っても
5年生存率もあれば10年生存率もあります。
乳がんの場合はだいたい10年生存率でいう場合が多いとは思いますが
5年のものもあります。
先生方はこの統計が頭に入っていますから
これをもとに説明をされますが、患者が知りたい情報とは
ちょっと温度差を感じます。
なぜって、患者が本当に知りたいのは
もっと長いスパンの生存率じゃないでしょうか?
例えば40歳ならば、あと30年後や40年後の生存率を知りたいですよね。
そんな長い統計は存在しないのですから、仕方がないのですが・・・・・
それにステージごとの生存率のグラフをよく目にしますが
死亡者の中にその病以外、たとえば交通事故などで亡くなった人が含まれるのか
含まれないのか?これの表記もあるものとないものがありました。
それによっても違ってきますよね。
そして、生存者というのはその時点でどんな状態でも生きている
ということなのですから
再発して具合が悪かったりしている人も含まれていての統計結果となります。
非浸潤がんの場合
とても高い生存率です。生存率は全摘した場合も温存した場合も同じといいます。
しかし、先生が同じ生存率と説明しているのはあくまでも10年後のことです。
しかし再発率は違います。全摘は0%(理論上) 温存は12%(放射線をやった場合)
温存で再発の場合は転移の可能性もある浸潤がんとして現れることが50%の確率であります。
そうすると、10年生存率は同じだとしても はたして30年後の生存率はどうなのでしょう?
10年の間に浸潤がんとして局所再発して再手術したとして、その浸潤がんが遠隔転移を起こすとしたら最初の手術から10年以上が経過していてもおかしくないです。
そうなると温存で再発した場合の長いスパンの生存率はどうなっているのか不明です。
ですから、先生が「全摘も温存も生存率は同じだよ」と簡単におっしゃっても
それは10年生存率(もしくは5年)のことなので、慎重に考えなくてはいけません。