これから年末に向けての資金調達 11 売掛金④
これから年末に向けての資金調達 10 売掛金③ の続きです。
3回にわたって書いてきました売掛金担保融資ですが、旧ガリアプラス方式を踏襲する東京スター銀行やクロネコヤマトの子会社の融資も、債権譲渡禁止条項がある売掛金も担保として見るファイナンス会社の融資も、使い勝手が良いサービスかと言われれば?????というのがここまで紹介した売掛金担保融資の現況です。
今日からはファクタリングについてご案内します。
ファクタリングの本来の姿はどういうものかと言えば、これはご利用客・売掛先・ファクタリング会社の3社間で契約して、もちろん売掛先もファクタリング業者への債権譲渡承諾に合意して、売掛金の支払い約定日には売掛先からファクタリング会社に直接送金がある形態がファクタリング本来の姿です。
この資金調達が普通にできるような状況になれば、多くの中小企業の資金繰りの状況は劇的に改善されると思います。
ところが欧米では当たり前のこの形態の資金調達が、日本では非常にマイナーな印象を持たれています。
売掛金担保融資もですが、特にファクタリングに対しては、そこまでして資金調達しなければならないほど資金繰りが厳しい会社なのかと、売掛先も取引銀行も判断しがちで、継続的な取引に対して多大な悪影響を与えることが多いのです。
以前、私はお客様がファクタリングを毛嫌いされるのは、考え過ぎ思い過ぎで、ちゃんと売掛先に話せば理解してくれるぐらいの甘い認識をしていたことがあります。
でも、今年の2月に、2社間契約のファクタリングサービスをスタートしてみて、本当に多くのお客様から3社間契約のファクタリングはまだ利用できる状況ではないと聞き、現在、中小企業が利用できる状況には、まだなっていないと強く認識することになりました。
実際、3社間契約のファクタリングをトライしようと、売掛先に債権譲渡承諾を話した結果、取引が停止されたり、担当者からそんな話を会社にしたら、間違いなく今後の取引に悪影響が出ると警告されたといった話は本当に多く、現実的に中小企業が3社間契約のファクタリングを利用できる状況ではないことがよく分かりました。
また、売掛先だけではなく、取引銀行との間でも、特に融資には悪影響が出てしまった実例を数多く聞きました。
要は、3社間契約のファクタリングが可能なら、1~3%程度の買取手数料で資金調達できることから、特に支払されるまでのサイトが長くなりがちな大手会社に対する売掛金が多い会社にとって、資金繰りが劇的な改善ができるものの、まだファクタリングは日本では市民権を得ているとは言い難く、現実的な資金調達としては考えることができない中小企業がほとんどであることが分かりました。
手法としてはOKでも、現実的な資金調達とは言えないのです。
そしてここで出てきたのが、売掛先には内緒で行う2社間契約のファクタリングです。
2社間契約のファクタリングについては次回に続きます。
今日のポイントは、
「3社間契約のファクタリングは、まだ現実的な資金調達とは言えない状況にある。」です。
売掛金担保融資とファクタリング【売掛金ファイナンスコラム】vol.1
画期的な売掛金担保融資(1)【売掛金ファイナンスコラム】vol.2
画期的な売掛金担保融資(2)【売掛金ファイナンスコラム】vol.3
戦略的な資金調達の必要性【売掛金ファイナンスコラム】vol.4
2社間契約によるファクタリング(1)【売掛金ファイナンスコラム】vol.5
2社間契約によるファクタリング(2)【売掛金ファイナンスコラム】vol.6