これから年末に向けての資金調達 10 売掛金③
10月29日
前回、売掛金担保融資について次のことをお話ししました。
「東京スターの子会社などが行う売掛金担保融資は譲渡禁止条項がある大手の会社の売掛金ほど担保として見ないため非常に使いづらい。ただ、原契約書がない、あるいは原契約書の中に譲渡禁止条項がない継続的に入金が確認できる売掛金先が数多く存在する会社なら利用できる可能性が高い。
実質上、年商は10億円以上ないと使いにくい。」
このような東京スターやクロネコヤマトの関連会社が行う旧ガリアプラス方式の売掛担保融資では、資金調達ができない会社が多いことから、一昨年あたり、どこかもう少し現実的な対応ができるところがないかと探していたところ、譲渡禁止条項がついていても、売掛先の与信と売掛金の内容が問題なく、継続的取引先であれば担保として見るファイナンス会社がありました。
実際、一昨年は3000万円とかの金額を打診から実行まで4営業日ぐらいのスピード感でアレンジできたので重宝していた時期がありました。
最近でもこのファイナンス会社はサービスは継続していて、次のような条件の融資を行っています。
・融資額 ~5000万円(以前と比較すると1000万円位が現実的)
・金利 年利換算14%台(事務手数料なし)
・初回の返済は5か月均等返済(ロールオーバー可)
・譲渡登記は原則必須で費用として20万円程度負担有
・全国対応可
ところが、いくら使い勝手の良い融資を行っていても、貸金業もサービス業ですから、取り扱う社員の質が良いとは言えず、サービスの質はお世辞にも良いとは言えません。
社員全員の質が悪いわけではありませんが、はっきり言って私の好きな会社ではないので、積極的にこの会社でアレンジしていません。
最近、久し振りに1社紹介しましたが、案の定NG。
かなり質の良い会社だったので、この会社をNGにするのなら、どんな会社ならやるのか・・・・。
もうこの会社でアレンジするのは止めようと思いました。
ただ、偉そうに言っても、少なくとも調達コストは私どもの調達コストと比較すれば、同業他社と比較すれば半分ぐらいの調達コストでも、比較にならないほど安いから、条件に合う案件が出てくれば打診はしますが、多分、なんだかんだ言ってNGになるように感じます。
多分資金があまり潤沢ではないのではないかと思ってしまいます。
結論。
銀行融資が難しくなった会社にとって、売掛担保融資は非常に難しい。
大手の販売先でも原契約書がない、つまり譲渡禁止条項がない売掛金を保有する会社であれば利用はしやすい。
売掛金担保融資とファクタリング【売掛金ファイナンスコラム】vol.1
画期的な売掛金担保融資(1)【売掛金ファイナンスコラム】vol.2
画期的な売掛金担保融資(2)【売掛金ファイナンスコラム】vol.3
戦略的な資金調達の必要性【売掛金ファイナンスコラム】vol.4
2社間契約によるファクタリング(1)【売掛金ファイナンスコラム】vol.5
2社間契約によるファクタリング(2)【売掛金ファイナンスコラム】vol.6