1973(昭和48)年発行、海野実さん著『安倍鉄道史』という

書籍があります。

 

そこには、廃止から40年程経った昭和40年代でも残っている、

安倍鉄道の痕跡の写真が掲載されています。

 

今回は、その写真が撮られた場所の、さらに40年後ということで、

現在の様子を追っていきたいと思います。

 

随時、写真は追加していきたいと思います。

(写真掲載に不都合がある場合はご連絡ください。)

 

①薩摩土手の上り坂(井宮町・籠上)

薩摩土手という江戸時代からの堤防の方から井ノ宮駅の方向を

見た形です。

右上奥から左手前に向かって、土手を越える坂に

なっています。

昔の写真では、扱っていた貨物の木材が見えます。

今では、道路も随分拡がっているようです。

 

②薩摩土手(井宮町・籠上)

薩摩土手は、奥の方の井宮神社がある籠鼻(妙見山)から

延びる約4キロの堤防でした。

下流の方は、さつま通りという道路になっています。

土手の変化としては、大きな木が育ったことくらいでしょうか。

何かの記念で植樹されたものだったと思います。

 

③切り通しから軽便道をみる。

薩摩土手の上から、北の方の軽便道を見る形です。

廃線を利用したまっすぐな道路が延びています。

昔の写真では、道路の右(東)側にも

まだ開渠の水路があるようです。

今は、それを利用して道路の拡幅・歩道の整備が

進んでいるようです。

堤防も削られたのか、道路を同じ角度で撮れませんでした。

もっと下がれば良かったのでしょうか。

 

④籠上中学校前の軽便道

左側に少し入った所に、籠上中学校があります。

昔の写真では、右(東)側に開渠の水路が見えます。

さらにその右(東)側を含めて、拡幅しようとしてるようです。

右奥の大きな建物は、「袴田外科」です。

今でも変わらないのは、見えにくいですが、

中学校の入り口にある、レリーフのようなものと、

ガードレールぐらいでしょうか。

 

⑤ 軽便道の先の道 (昭府)

軽便道が美和街道と交差した、さらにその北になります。

本文その7でも書きましたが、区画整理とバイパスにより、

大きく様変わりしています。

昭和40年代の航空写真から、上の写真の撮影位置を

推定するしかありません…

 

⑥夏草の茂る軽便の跡地 (昭府)

1997(平成9)年に全線開通する国道1号バイパスの用地買収が

進んでいたのでしょうか、建物はほとんどありません。

現在はもちろんバイパスになっていて、先を見通せないため、

仕方なく、歩道橋の上からの撮影。山だけが変わっていません。

 

⑦菖蒲ヶ谷の駅 (昭府)

ブロック塀は、見えませんが、右の家とともに変わらずあります。

左は線路(とホーム)があったと思われる「喰い処ももや」さん。

これ以上後ろに下がれないため、仕方なく、このアングル。

 

⑧駅の先の跡地 (昭府)

今の写真の電柱より右側は、安倍街道沿いの古くからの集落で、

昔の写真でも建物が映っています。

⑦の昔の写真の左奥に、みかん畑が映っていること、と

建物の配置から、たぶん、この辺りでしょう・・・、という感じ。

 

⑬-3 下村の駅 (下)

後ろの山の形を合わせて撮影。当時は道路が拡幅される前で、

近めに、大きな、「稲葉菓子店」さんがあったようです。

現在は、「みねストアー」さんになっています。

 

⑬-5 大土手の駅 (下・門屋)

大土手の上から撮影。

残念ながら、石垣もなくなり、新東名高速道路の高架下に

なってしまいました。

その先が、本文その13で載せた、一番最後の写真で、

高さはないですが、同じような石垣が見て取ることができます。

 

⑬-6・7 門屋浄水場・浄水場横の跡地 (門屋)

 

廃線の跡地は歩道になっているようです。

 

⑬-9 門屋の駅 (門屋)

こちらも歩道ができて道路が広くなっています。

駅がどこにあったのか、今となっては分かりませんが、

バス停がヒントになることが多いです。

 

⑬-12 牛妻の不動の滝 (牛妻)

不動の滝は、当時の中沢駅と牛妻駅の間にあって、

賤機中小学校の南の小川を遡っていくとあります。

納涼列車で賑わったそうですが、今はひっそり、といった感じ。

右手前の大きな石の角度が変わっているような…

 

⑬-13 牛妻の軽便跡 (牛妻)

40年前は、線路跡が、こんもりとしていて、みかん畑に

なっていたことが多いようですが、現在は、跡形もありません。

 

⑬-14 賤機中小学校 (牛妻)

上の⑬-13を横から見た形です。

右上の3階建てくらいの建物が、賤機中小学校の校舎です。

 

⑬-15 終点の牛妻駅周辺 (牛妻)

白い壁の家は、現在も健在です。(木に隠れていますが。)

手前の空地が、荷物の木材などを置いていたスペースでしょうか。

 

⑬-16 安倍街道に沿った牛妻駅付近 (牛妻)

「伴野商店」さんを軸に、ほぼ同じアングルで撮影できました。

道路の幅も変わっていません。

位置的には⑬-15よりも南側で、現在の写真の真ん中の

木の少し後ろ(北側)に白い壁の家があります。

 

<2019年11月投稿・2023年5月追加>