さて、この幽霊のように頭の隅から離れない心はどうすればいいのでしょう。
私はあきらめました。
心を止滅させることなど到底無理なのです。
このじっとしていない心を仮にゴースト君と呼びましょう。
過去の思い出や将来の不安などは、実態のない幻想のようなものです。
ゴースト君、よく見るとなかなか可哀そうです。
成仏することもできずに、同じところをウロウロしています。
私はゴースト君を消すことをあきらめて、ちょっと対話してみることにしました。
ちゃんちゃかちゃんちゃか、ヨガ劇場の始まり~♪
私「まあ、そんなところでウロウロしないで、ちょっと座ってお茶でも飲む?」
ゴ(泣きながら)「ぐすん、聞いてくれる~?実はね~○○が心配で夜も眠れないの。それに昔言われて傷ついた言葉が今でも頭から消えなくてしんどいの。もう何十年も前の事だとわかっているのに。こんな私ダメダメだ~。(涙)」
私「まあ、そんなに自虐的にならなくてもいいんじゃない?泣きたかったら泣いてもいいから、ゆっくりしてていいよ~。」
ゴースト君はしばらくの間しゃべり続け、私も時に真剣に、時に適当に相槌を打ちながら程よく付き合いました。
気が付けば一晩経ったでしょうか、窓の外はうっすら朝焼け、私はウトウトと眠りについていました。いつの間にかゴースト君はいなくなっていました。
ゴースト君はまた時々顔を見せるかもしれません。
でも、いつ来ても私が程よい距離を保って接すれば、案外あっさりした存在なんです。
ゴースト君はあなたの心が生み出した幻です。
幻影とわかっていて付き合うのは大丈夫だけど、自分までもがゴースト化してしまわないように。