その②です♪
そしてシエルもまた、あの夜のセバスチャンからの告白が無ければ彼のプライド故、想いを口にする事はなかっただろう。
ただ、シエルが自分の気持ちに気付いたのはセバスチャンより遅かった。
初めて抱かれた時も、それから幾度身体を重ねた時も、どうして自分はこんな事を許しているのかさえ分からなかった。
ただ、時折胸が締め付けられるように痛む。
この痛みが恋というものだと知るのは、それから大分経ってからだった。
だが、セバスチャンへの想いを自覚してもそれを口にする事は出来なかった。
プライドもそうだが、何よりあいつと自分を結ぶものは契約のみ。
毎晩自分を抱くのも、契約者=主人を悦ばせる為の仕事としか思っていないだろう。
そう思うと、寂しさからか涙が込み上げて来る。
…だから、あいつから思いの長けを打ち明けられた時すぐには信じられなかった。
まさか奴も自分と同じ気持ちだったなんて、こんな嬉しい事はない。
『…そう言えば、僕からセバスチャンにまだ告白というのをしてないな』
シエルは、リビングで紅茶を飲みながらふと気付いた。
セバスチャンは今、食事の用意の為席を外している。
『なら、あいつへの告白をクリスマスプレゼントにしようか。何か物を贈るより、その方があいつも喜ぶだろう』
そこへ、セバスチャンが呼びに来て夕食になった。
食事は今日も素晴らしかった。
この屋敷に二人だけ、というのもあるのだろうが。
その後、セバスチャンと共に再びリビングへ戻ったシエルは、驚きのあまり目を見張った。
部屋中、窓から壁、天井に至るまで金銀パールと、正に色とりどりにデコレーションされている!
「セバスチャン、これは…」
「驚かれましたか。私から坊ちゃんへ、心ばかりのクリスマスプレゼントでございます」
シエルはゆっくりと、中へ足を進み入れた。
「いつの間にこんな…」
セバスチャンはフフッと微笑み、
「先程、坊ちゃんがお食事をなさっている時に、少々席を外しましてその時に…。愛する坊ちゃんの為とはいえ、さすがにくたびれました」
部屋を見回したシエルは、クルッと向き直り微笑んだ。
「ああ。気に入ったぞ。ありがとう。セバスチャン」
そして、ふとテーブルの上に目を止めると、そこにはワインのビンとグラスが一つ。
「セバスチャン。僕はお酒は…」
「ご安心下さい。ノンアルコールのワインをご用意致しました。せめて、雰囲気だけでも味わっていただきたいと思いまして」
「そうか。なら、お前も一緒に飲もう。せっかくの夜だ」
シエルの言葉に、セバスチャンは驚き目を見張る。
「で、ですが、私は…」
「何だ。恋人の頼みを聞いてはくれないのか?」
その、ふいを付く嬉しい言葉にセバスチャンは表情を和らげ、
「失礼しました。只今お持ちします」
③へ続きます♪♪