高校化学で無機化学だけ勉強して有機化学(特にフェノール)を勉強しないで、病気になって早死していった人が何人もいます。フェノールはベンゼン環に水酸基(-OH)が付いた有機物質です。ポリフェノールはフェノールに何らかの化学式が結合した重合体です。ポリフェノールにはコーヒーのカフェ酸、胡桃のタンニン酸、赤ワインのカテキン、チョコレートのエピガロカテキンなどがあります。
人間の体の中には活性酸素が発生しており、それが細胞と化合(酸化)して癌、心血管疾患、神経変性疾患、老化の原因になっています。その細胞の身代りになってくれるのがポリフェノールです。フェノールが活性酸素と結合するとキノンと水になる化学式を是非覚えて下さい。水酸基の水素が活性酸素と結合して、ベンゼン環の炭素の二重結合が解けて一重結合になります。つまり、フェノールは活性酸素を水に変えてしまうのです。フェノールは無色ですが、キノンは褐色です。林檎やバナナの皮を剥いて空気中に放置すると褐色になるのはこの為です。


ポリフェノールは活性酸素を水に変えてしまうと言う話をしましたが、実際に死亡率がどの位下がるのかが書いてある論文を見つけました。特に、脳卒中死亡が69%、消化器疾患死亡が36%、感染症による死亡が59%に下がります。


European Journal of Nutrition (2020) 59:1263–1271


Dietary intake of total polyphenols and the risk of all‐cause

and specific‐cause mortality in Japanese adults: the Takayama study


総ポリフェノールの食事摂取と全原因のリスク

日本人成人の特定死因死亡率:高山研究


総ポリフェノール摂取量が502mg/day以下の人に対する952mg/day以上の人が死亡する割合

①総死亡———————-93%

②がん死亡——————101%

③心血管疾患死亡———-83%

   (脳卒中死亡)——-——69%

   (虚血性心疾患死亡)—-113%

④他の要因よる死亡——-84%

   (呼吸器疾患死亡)—-—-81%

   (外傷による死亡)———96%

   (消化器疾患死亡)—-—-36%

   (感染症による死亡)—--59%