ハッブル宇宙望遠鏡
1990年4月にハッブル宇宙望遠鏡は打ち上げられました。しかし、2ヵ月後に望遠鏡の主鏡(口径2.4m)に打ち上げ前から球面収差(ニュートンリング測定時の取り付けミス)があることが分かりました。
宇宙飛行士たちは、延べ400時間に及ぶ綿密な訓練を重ね、1993年12月にスペースシャトルによる5日間に及ぶ船外活動により修理(収差補正用非球面光学系COSTARの取り付け)され、その映像の美しさは一目瞭然で、専門家ばかりでなく、一般の人々にも大きな感動を与えました。
その後1997年、1999年、2002年にもサービスミッションが行われ、その都度性能を上げました。2009年にはジャイロとバッテリーの交換、分光分析装置の設置などを行い、延命されました。
ハッブル宇宙望遠鏡により、太陽系は勿論、太陽系外惑星、天の川銀河、銀河同士の衝突、ブラックホール、ビッグバン、などの正体を解明してきました。
その中で、美しすぎる惑星状星雲を紹介いたします。これは恒星の死のパターンの一つで、太陽も末期に約100倍に膨張して赤色巨星になります。やがて外側のガスが宇宙空間に流れ出し、赤色巨星が白色矮星に変化する過程で、中心部から放出される紫外線により、流れ出したガスが電離され、光を放ちながら膨張拡散します。この状態が惑星状星雲です。単星は球状、連星はダブルコーン(二つの円錐)状に膨張拡散します。