「あぁ30年、もう30年,まだ30年」 | 「バックパッカーがH・Ⅰ・Sの役員になった奇跡」小さな会社の未来の創り方

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出来ない事はやらないことだとHIS創業者「澤田秀雄」氏から学んだ。ベンチャー魂と自ら経験した多くの失敗が成長の奇跡を創る。伝える事よりも伝わること!直ぐに実践したくなる、熱き魂に触れてください。

「あぁ30年、もう30年、まだ30年」




 成田空港が開港して5月20日で30年を迎えた。僕が始めて旅に出たのは19歳の時、羽田からだった。次の年、開港一ヶ月目の6月に新東京国際空港から2回目の旅に出たのだ。当時は人形町の箱崎バスターミナルから空港リムジンバスで成田を目指した。空港が近づくと道路脇の畑や小高い丘に反対派による横断幕やバリケードが点在し、その周りをジュラルミンの楯を持った機動隊員が警備をしていた。

 要塞の様な検問所を3回は通過した覚えがある。その度にパスポートと航空券の提示を求められ、渡航目的を訊ねられた。

 まだ見ぬ海外へと旅立つ不安が出発前の物物しさにより、更に緊張感が高まり僕の小さな心臓は爆発しそうだった。・・・

 あれから30年、何度となく、この空港を利用している。以前の様な緊迫した空気を感じる事はないが、。あまりにも無防備になった旅行者の様子に逆に驚かされる。

 アメリカもヨーロッパも空港や駅、人が集まる公共の施設や公園には今でも、自動小銃を構えた治安部隊が警備をしているのだ。街行き交う人々も、荷物は壁側に持ち、襷がけ、或いはショルダーのベルトを手に2重巻きにしてる人もいる。道を曲がるときには必ず後ろを振り返る。電車やバスの中ではバックを手にクロスして抱え持つ、そして人の少ない車両には決して乗車はしない。・・・自己を守る事を自己によって気を付け完結しているのだ。・・・テロの抑制、未然の防止の為の治安部隊、スリや強盗などから身を守る人々、。

 ・・・海外の危険度が高く、日本が安全だという事ではないと思う。意識の持ち方の違いである。暗い夜道を一人では歩かない。知らない人間とは接触をしない。無防備な(露出度が多い)カッコはしない。など、自己防衛のための最低限の意識が働いた動きが取れているのだと思う。

 今まで100カ国以上の国を歩いて来た。僕に身に付いて来たのは”勘”・・・最低限の自己防衛の為の動きが取れる事である。「おかしいなぁ?、何か怪しいぞ!」と思ってしまう”勘”である。・・・お陰様でスリにも強盗にも遭ったことはない。・・・「君子危うきに近寄らず」である。僕は賢者ではないが、50歳になった今でも、一人で大して言葉も話せないのに、世界の様々な国を徘徊する事が出来るのは。30年で備わったこの"勘”のお蔭である。あぁ30年、もう30年、まだ30年・・・まだまだ旅は楽しく続けたいと思う。